シカノスケ

ZERO

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仇敵との同盟

宗信の御礼

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寄らなければならない所とは山名領に行く前に宗信の看病の為に立ちよった神社である。



宗信がどうしてもお礼がしたいと言った為、鳥取の城下町で買ったお土産を渡しに行く。




神社に着き、宗信は巫女さんを呼んでみた。

「こんにちはー。」

宗信が声をかけると中から巫女さんが出てくる。


「はい…あれ?こないだの旅人さん達じゃない?どうしたの?」


「この前看病してくれたお礼です。鳥取の城下町に行ったのでお土産渡しに来ました。」


そう言いながら宗信はお土産の饅頭を渡した。



「え、あたしにお土産っ?しかもこれ饅頭だぁ!。ありがとう!」


どうやら、この巫女さんは饅頭が好きな様で、饅頭と分かった途端にテンションが上がった。



「この前は看病してくれてありがとうございます。このお饅頭美味しいので是非食べてみて下さい。」

「うん、食べるよ。」

無邪気な笑顔を見せて喜ぶ巫女さん。


そうか、この時代には食べ物しか快楽が無いから饅頭でも嬉しいんだな。


そう感じた小次郎は巫女さんに言う。

「そんなに饅頭が好きなら、また食わしてやるよ。」


「え?本当に?ありがとう。ところでお兄さんの名前教えてくれない?」


巫女さんはいきなり名前を聞きに来た。


「お、俺は本城小次郎だ。」

小次郎は女の子に名前を聞かれるのは現実世界では滅多に無かった。



その為、少し緊張してしまった。


「私は秋上宗信です。」


「あたしは優だよ。身分が低いから苗字は無いけど。」


「珍しいですね。社家なのに身分が低いなんて。」


宗信は珍しそうに優をみる。



「あたしはここの養子だよ。とは言っても養父も養母も死んだからあたし一人でやっているんだ。養父は名字あったけど、あたしはあえて名字は使わないの!生まれの身分が低くいのが自慢みたいなものだから!」


なるほど、身分が低い農民とかからの養子か。


それにしても、喋り方は巫女としてはアレだが、容姿は可愛い。

教養も有るみたいで身分が低いとは感じさせない女性に見える。




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