シカノスケ

ZERO

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戦国時代へ

朝の鍛練

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次の日、小次郎が起きるとそこには誰もいなかった。


時間は午前7時。

小次郎は戦国世界で一人になると凄く不安になる。

その為、宗信を探しに外に出た。


しかし、周りを見ても誰もいない。


小次郎はうろうろしながら集落の奥に行った。


集落の奥の方は森になっているが、どうやら綺麗に整備されている道があるのでこの先に何かあるのだろう。






そして歩くこと10分。そこには神社があった。

そこでは巫女装束を着た宗信と鎧を来た足軽らしき人がいる。


多分、朝の鍛練をしているのだろう。


その時、影でコソコソとして見ている小次郎に宗信は気が付いた。


「あ、小次郎さん。」

宗信は小次郎に近付いて言う。

「起きていたのですね。良かったら朝の鍛練に参加しませんか?」


「良いけど…何をすれば良いのかな?」


宗信はみんなのいる方を指を指す。

「あんな、感じで木刀で素振りをするんです。確か、小次郎さんは木刀を持ってましたよね?」


そう言えば、この世界に持ってきていたな。

確か、宗信の家の奥に置いた気がする。


小次郎は急いで木刀を取りに帰る。






そして、木刀を持ってきた小次郎は、隅っこで素振りをすることにした。


素振りを始めてしばらくすると、おっさんに声を掛けられる。


「若いのに素振りがなっとらんのぉ。足腰が脆そうじゃのぉ。」


「素振りなんて初めてするので。」

小次郎は疲れた声で言った。


「まぁ、鍛練ももう少ししたら終わるけぇ辛抱せぇ。」

おっさんはそう言って自分の鍛練に戻る。



そして、しばらくすると宗信が言う。

「はい、そこまでです。お疲れ様。次はお昼に来てください。」


宗信にそう言われて、みんなは会話をしながら帰っていく。


その時、さっきのおっさんが小次郎に話し掛けてきた。


「あんた、こないだ宗信様の部隊へ配属されたんじゃろ?」


「配属されたというか、宗信さんに面倒を見てもらって言うか…。」

小次郎は苦笑いで言った。


そして小次郎はおっさんに気になっていた事を聞く。

「ところで、宗信さんはなんで巫女の格好をしているの?」


「なんじゃ?知らんのか?宗信様は社家の一族じゃぞ?だから巫女の格好をして鍛練もするし、戦場にも行く。」


社家とは神社等を管理する神職の家柄である。


秋上宗信は史実では兄が社家を継いだため、尼子晴久に武将として仕えたと言う。


社家ということもあり、周りからの人望もそれなりにあるだろう。




「宗信様も大変よのぅ。尼子の再興運動をしながら、この神社の巫女を兼任していて…。」


どうやら、宗信は神社の巫女もやっているらしい。



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