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どうしようか?

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 龍乃芽町の商店街から歩いて20分くらいのところに有刺鉄線で囲まれた少し広めの空き地がある。
 そこの中央に置いてあるプレハブ小屋それが俺のねぐらだ。自慢じゃないが内装は俺の手作りで完全趣味の家になっている。
 趣味の家と言っても、何かに特化したとかじゃないよ。
 ただ単純に俺が心地よく休める為の家。
 内装もベッドとソファー、キッチン、トイレ、シャワー室と…テレビは無いが代わりにラジオを1つ置いている程度なんだ。

 今はこうしたプレハブ小屋生活だが数年前はちゃんとした家に住んでいたんだよ!超が付くほどの格安物件曰く付き物件そこもちゃんと掃除して綺麗にして、シェアしてる人たち(?)とも仲良くなってさぁ…。

 ただ、俺もあってその家を出ることになって…今ここにいるのさ!別に後悔とは一切ない。
 家の中に入ってエアコンの冷房をつける。25℃設定の風(強風)が身体に当たる。

 ふぅ~涼しいぃ~!!

 よしっ!頭も体も冷えてきたから本格的に考えてみよう。
 議題!これからどうしようか?
 スマホを覗く…現在、午前8時…うわ!?びっくりした!このタイミングで電話がきた。おや、みどりからだ何かあったのかな。

 ぬ~?と首を傾げながらスマホの通話ボタンを押す。

「みどりか?どうした?何かあったか?」
「いえ、七梨さんはご在宅ですか?」
「あぁ、さっき着いたばかりだが?」
「了解しました、あと15歩で着きますのでその時に詳しく話します。」

 え?15歩?今何て言った?

トントン!

「うわっ!?」

 ドアが開くとスマホと目の前に姿を現した女性の口からとで二重に「失礼します」と聞こえた。…ステレオか!?

 目の前には仲間の1人のみどりが居る。この暑い日…というか年中同じメイド服だ。長袖で足首まで隠れるロングスカート…こいつの体温調整はどうなってるんだ?

「こちらをご覧ください」

 みどりからA4サイズの封筒を渡される。中を見るとエアコンの修理した場合の金額とエアコン本体を交換した場合の金額、日数と店を休業した事による損害などが記載されている紙が入っていた。

 ちょっと待て、俺が店に着いてエアコンの故障を発見したのが午前6時過ぎでそれから少ししてからみどりが来て、ラムネを貰って…それからこの見積りを制作したのか!?

「すげぇな」

 思わず、声にでる。

「いえ、とんでもないです。」

 みどりの方が店長としての才が遥かに上だろうと痛感する。

「私は、七梨さんに多大なる恩がありますから…。」

みどりは自分の左腕を擦る。

「どんなときでも私は貴方の力になりたいんです。」

みどりの左腕…正確には後両足もだが…これにもあるが話したくない。

「私の助かった命は総て貴方のモノですから」

「そうかい…、なら存分に働いてもらわないとな」

「はい!」

 普段のみどりはサービススマイル満点だが俺と二人になると心から笑っているように感じる…あっ、ちなみに「みどり」と名付けたのは俺だ!過去も名前も捨てさせたのだから…。

「私は」

「あん?」

「私は七梨さんが脳細胞と触手だけになったとしても身体を差し出す覚悟も既に出来てますから!」

「やめろ!!」

 やれやれ、どんな設定だ!?…さて気を取り直して書類をみる。やはり、夏のシーズンでどこも忙しいらしく4日はかかる…。

「せっかくだからな、この際新しいのに替えよう。あと4日で直ったとして、食材の状況判断と店の大掃除をするから…そうだな~俺らも夏休みとして1週間休むか、その後に地獄を見せるから覚悟しておけと皆に伝えておいてもらえるか?」

「了解しました。ならエアコンの取り替え工事日は私が立ち会いますから七梨さんも休んでください。」

「え?」

 自分で言っておいて後悔し始めた…突然の休みで何をしようと悩んでいたのだが…自分でその休みを延ばしてしまった…。

「真打バイクの店長さんが七梨さんを探していましたし、そちらの方に出向いてもいいのではないですか?」

「ぬ?真打バイク?」

「はい、先ほどここへ向かう途中に会いまして、これから七梨さんに会うと話したら探していると言われまして」

「なんだろうな?まったく心当たりがないなぁ」 

「真打バイクはここから、そんなに離れてませんし何かしら暇が潰せるかもしれませんよ?」

 みどりは俺の心境をお見通しのようだ…。

「よし、真打バイクに行ってみるか!暇だし…」
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