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前編
え?あんたが?
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愛羽と綺夜羅は病院に着いて外で待っていたが雪ノ瀬瞬の姿はまだ見当たらなかった。
『まだ来てないみたいだね。ここで待ってよっか』
愛羽がそう言った瞬間、突然後ろから目をふさがれた。
『だーれだ!?』
『えっ?あれっ?瞬ちゃん?』
『ピンポーン!おはよ。暁さん♪』
焔狼の総長にして東京連合の総會長、雪ノ瀬瞬が隠れていたようだ。
(こいつが…雪ノ瀬瞬?)
東京連合と言えば、何もしなくても話が転がりこんでくる程のチームだ。実際に見たことがない綺夜羅でも話位は聞いたことがあるし、愛羽からも色々と話を聞かされている。
だがどこからどう見ても目の前の少女からは全く想像がつかなかった。
髪は赤黒く瞳は青、狼を思わせると言えばそうなのかもしれないが、ニコニコしていて愛羽に負けず劣らずの女の子ちゃんである。
狼というよりは、ワンちゃんだ。
綺夜羅は驚きと疑問を抱き見つめてしまっていた。その視線に瞬も気づいた。
『暁さん、あの子は?』
『あぁ!そうそう。この子が月下綺夜羅ちゃんって言って瞬ちゃんのこと話したら一回見てみたいって』
瞬は綺夜羅の方へ歩み寄ると手を差し出した。
『雪ノ瀬瞬です。よろしくね、月下さん』
そう言ってニッコリ微笑むと綺夜羅が慌てて手を取り軽く頭を下げた。
『そうだ、1度泪の所に行ってもいい?是非2人にも会ってほしいの』
『もっちろん♪』
愛羽が笑顔で答え3人で病院の中へ入っていくと、都河泪の病室にはすでに人が2人いた。
『あっ琉花ちゃん、千歌さん』
『あら、おっはよー愛羽っち』
『おはよう愛羽』
東京連合闇大蛇の総長七条琉花と、同じく飛怒裸の総長龍千歌だ。
『今日あたしが暁さんと出掛けるって言ったら琉花と千歌が2人で朝からいてくれるって言ってくれたの』
琉花は少し困り顔で愛羽の肩を叩いた。
『愛羽っち、瞬のことよろしくね。この人滅多にここ空けることないんだよ?』
『私たちが誘っても全然聞いてくれないんだよ』
『そ、そんなことないでしょ!?もう…』
琉花も千歌もまるで憑き物が取れたかのように明るい顔をしていた。彼女たちが東京連合の幹部たちとは綺夜羅にはとても思えなかった。
『こちらこそ今日は瞬ちゃん1日借りちゃいますね。泪ちゃんにも断っておかないとね』
愛羽と瞬は眠る都河泪の顔を覗きこんだ。
『泪。今日は暁さんと友達の月下さんが来てくれてるんだよ。今から3人で走ってくるんだ』
瞬は泪の手を取り、母親が赤ちゃんにするように優しく話しかけた。
泪の表情は心なしか前よりも穏やかになったようだ。
(そっか。きっと毎日こうやって話しかけたりしてるんだろうな)
3人の優しい雰囲気がどうしてなのか綺夜羅は少し分かった気がした。
『まだ来てないみたいだね。ここで待ってよっか』
愛羽がそう言った瞬間、突然後ろから目をふさがれた。
『だーれだ!?』
『えっ?あれっ?瞬ちゃん?』
『ピンポーン!おはよ。暁さん♪』
焔狼の総長にして東京連合の総會長、雪ノ瀬瞬が隠れていたようだ。
(こいつが…雪ノ瀬瞬?)
東京連合と言えば、何もしなくても話が転がりこんでくる程のチームだ。実際に見たことがない綺夜羅でも話位は聞いたことがあるし、愛羽からも色々と話を聞かされている。
だがどこからどう見ても目の前の少女からは全く想像がつかなかった。
髪は赤黒く瞳は青、狼を思わせると言えばそうなのかもしれないが、ニコニコしていて愛羽に負けず劣らずの女の子ちゃんである。
狼というよりは、ワンちゃんだ。
綺夜羅は驚きと疑問を抱き見つめてしまっていた。その視線に瞬も気づいた。
『暁さん、あの子は?』
『あぁ!そうそう。この子が月下綺夜羅ちゃんって言って瞬ちゃんのこと話したら一回見てみたいって』
瞬は綺夜羅の方へ歩み寄ると手を差し出した。
『雪ノ瀬瞬です。よろしくね、月下さん』
そう言ってニッコリ微笑むと綺夜羅が慌てて手を取り軽く頭を下げた。
『そうだ、1度泪の所に行ってもいい?是非2人にも会ってほしいの』
『もっちろん♪』
愛羽が笑顔で答え3人で病院の中へ入っていくと、都河泪の病室にはすでに人が2人いた。
『あっ琉花ちゃん、千歌さん』
『あら、おっはよー愛羽っち』
『おはよう愛羽』
東京連合闇大蛇の総長七条琉花と、同じく飛怒裸の総長龍千歌だ。
『今日あたしが暁さんと出掛けるって言ったら琉花と千歌が2人で朝からいてくれるって言ってくれたの』
琉花は少し困り顔で愛羽の肩を叩いた。
『愛羽っち、瞬のことよろしくね。この人滅多にここ空けることないんだよ?』
『私たちが誘っても全然聞いてくれないんだよ』
『そ、そんなことないでしょ!?もう…』
琉花も千歌もまるで憑き物が取れたかのように明るい顔をしていた。彼女たちが東京連合の幹部たちとは綺夜羅にはとても思えなかった。
『こちらこそ今日は瞬ちゃん1日借りちゃいますね。泪ちゃんにも断っておかないとね』
愛羽と瞬は眠る都河泪の顔を覗きこんだ。
『泪。今日は暁さんと友達の月下さんが来てくれてるんだよ。今から3人で走ってくるんだ』
瞬は泪の手を取り、母親が赤ちゃんにするように優しく話しかけた。
泪の表情は心なしか前よりも穏やかになったようだ。
(そっか。きっと毎日こうやって話しかけたりしてるんだろうな)
3人の優しい雰囲気がどうしてなのか綺夜羅は少し分かった気がした。
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