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第1話

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「カタリナ、これからもずっと私の隣にいてほしい。」
「いやカタリナ!僕とともに魔法の発展に力を尽くそう!」
「何言ってやがんだ、カタリナは俺の妻になるんだよ」

ど、同時に3人の方からプロポーズされるなんて、私どうしたらいいの~!?!?






我が国の聖女制度は20歳になるとお役御免になる決まりです。
私、カタリナ・ヒューズも本日の誕生日をもって聖女を退職することとなりました。

今は故郷に帰るため、聖都と王都のちょうど真ん中ほどの町、アントリーにて宿をとったところです。
まだ夕刻には早い時間帯だったので、町の散策でもしようと階下に下りましたら、何やら騒がしい様子。

「医者を早く呼んでくれ!」

宿の入口で固まっている集団の中心に、蹲っている男性が一人。
どうやら怪我をされているようです。

「失礼、傷を見せていただけますか?」

人ごみをかき分け怪我人のもとへ。聖女はやめても、苦しんでいる方を放ってはおけません。
脇腹の刀傷。結構深い。

傷口に手をかざし、治癒の奇蹟を施す。
柔らかな光に包まれ、ゆっくりと傷口が塞がっていく。

「おお!」
「僧侶様がいらっしゃったとは!」

歓声に包まれながら、蹲っていた男性が顔を上げる。

その姿は滑らかな金髪に、青い宝石のような瞳のキリリとした目元、唇はほのかに薔薇色。
まるで彫刻のような整った美しさで。

「お助けいただきありがとうございます。私はデヴィッド・リードと申します。お名前をお伺いしてもよろしいですか?」
「わ、私はカタリナ・ヒューズと申しますっ!」

思わず見とれて、しどろもどろになってしまいましたわ。

「ぜひ我が屋敷にお招きし、お礼をさせていただきたい。」
「そんな!別に大したことはしていませんので・・・。」
「いいえ、貴女は私の命の恩人。非礼をしては公爵家の名に傷がつきます。どうか私の願いを聞き入れてはくれませんか?」

うやうやしく手を取られて、見つめられては「はい」と言うしかなく。

私、公爵家にお邪魔することになりました。



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