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第六章・土の精霊の国
136話・誰がするの?
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「ルードさん」
「リサ様! 上手くいきましたか?」
「はい」
地下の王様の膝の上にぽいっとあの宝石を投げて、私達は地上に戻ってきた。
「なんだか、すごい騒動になってしまいましたが――」
「リサちゃん」
しぃっと、アリスが口を指で塞ぐ。
何処で聞かれているかわからないし、迂闊に喋らない方がいいか。
「話は宿でしよう。スペードは……後からくるだろうし」
「そうだね。土の精霊さんの姿もないし――。どうなるのか確かめてるのかなぁ」
「わかりました」
ーーー
宿に向かう途中、ウォータが何故か姿を現した。
「あれは、過去の兵器だ」
あれって、あの宝石のこと? 兵器って? この世界も、過去には、戦争なんかがあったのかな……。いまの、暮らしからは想像が出来ないけれど。
「あれには魔力を貯める力があり、人々から集めた力を内包させていたのだろうな。平和が訪れて、使用されなかった巨大な力は、地下で眠らされていたんだろう。大きすぎる力は、使い方によってあのような結果を招くこともある。今回は小さな規模ですんだが……」
胸がズキリと痛む。
家族に会いたいと言っていたコウは、あの力を使って何がしたかったんだろう。もしかして、会う方法を知っていたのかな。
「リサも飲み込まれないように気をつけろ」
え? 急にウォータにそう言われびくりとする。
「魔力に傾きすぎると、身体に障るぞ」
あ、――。ありがとう、ウォータ。
きっと、今、心の中がひどい色をしているんだろうな。そう思いながら、私は黒い腕輪をきゅっと握った。
その様子を見て、ウォータは少し間を置いてから口を開いた。
「あまり口を出すのも野暮かもしれないが、私も見ていた。アリストの言うことは嘘ではないからな」
そう言って、彼はすっと消えた。
あの時、――そっか、ウォータはアリスのそばに。
もう一度、心の中で彼にお礼を言うと、アリスの足が止まった。
目の前には、スペードが立って待っていた。
ーーー
「良かったっす。きちんと問題解決したみたいっすね」
モグモグと食堂でご飯を食べながら私達は話していた。
目の前には鶏の丸焼きみたいなものや、蒸し物、炒め物、スープには麺のようなお餅のようなものが浮かぶ料理が運ばれてきている。味も良くて、どんどん食べてしまう。
「地下のゴタゴタが収まれば、契約にくるっすよ。今日はもうゆっくりしましょうっす」
「そっか」
「スペードはやることは終わってるのかい?」
「はいっす。でも、アリスト君はまだ残ってるでしょう?」
ピクリとアリスは反応して、何も無かったようにまた料理を食べ続ける。
そういえば、アリスの用事って何だったんだろう。地下の問題を解決したなら、それも話が進められるのかな?
「契約が済んだら、いよいよタカマガハラですね」
ルードが食べ慣れない料理に少し苦戦しながら言う。
「はい。あ、でも誰が契約する事になるんでしょう」
「私は土の魔法はあまり得意では……」
「ボクも、土は相性悪いなぁ」
「僕もからきしっすよ」
帽子を押さえ、カラカラと笑うスペード。
えっと、あれ? 誰もいない? 私はシルフィの指輪があるし――。
いったいどうすればいいの!?
「リサ様! 上手くいきましたか?」
「はい」
地下の王様の膝の上にぽいっとあの宝石を投げて、私達は地上に戻ってきた。
「なんだか、すごい騒動になってしまいましたが――」
「リサちゃん」
しぃっと、アリスが口を指で塞ぐ。
何処で聞かれているかわからないし、迂闊に喋らない方がいいか。
「話は宿でしよう。スペードは……後からくるだろうし」
「そうだね。土の精霊さんの姿もないし――。どうなるのか確かめてるのかなぁ」
「わかりました」
ーーー
宿に向かう途中、ウォータが何故か姿を現した。
「あれは、過去の兵器だ」
あれって、あの宝石のこと? 兵器って? この世界も、過去には、戦争なんかがあったのかな……。いまの、暮らしからは想像が出来ないけれど。
「あれには魔力を貯める力があり、人々から集めた力を内包させていたのだろうな。平和が訪れて、使用されなかった巨大な力は、地下で眠らされていたんだろう。大きすぎる力は、使い方によってあのような結果を招くこともある。今回は小さな規模ですんだが……」
胸がズキリと痛む。
家族に会いたいと言っていたコウは、あの力を使って何がしたかったんだろう。もしかして、会う方法を知っていたのかな。
「リサも飲み込まれないように気をつけろ」
え? 急にウォータにそう言われびくりとする。
「魔力に傾きすぎると、身体に障るぞ」
あ、――。ありがとう、ウォータ。
きっと、今、心の中がひどい色をしているんだろうな。そう思いながら、私は黒い腕輪をきゅっと握った。
その様子を見て、ウォータは少し間を置いてから口を開いた。
「あまり口を出すのも野暮かもしれないが、私も見ていた。アリストの言うことは嘘ではないからな」
そう言って、彼はすっと消えた。
あの時、――そっか、ウォータはアリスのそばに。
もう一度、心の中で彼にお礼を言うと、アリスの足が止まった。
目の前には、スペードが立って待っていた。
ーーー
「良かったっす。きちんと問題解決したみたいっすね」
モグモグと食堂でご飯を食べながら私達は話していた。
目の前には鶏の丸焼きみたいなものや、蒸し物、炒め物、スープには麺のようなお餅のようなものが浮かぶ料理が運ばれてきている。味も良くて、どんどん食べてしまう。
「地下のゴタゴタが収まれば、契約にくるっすよ。今日はもうゆっくりしましょうっす」
「そっか」
「スペードはやることは終わってるのかい?」
「はいっす。でも、アリスト君はまだ残ってるでしょう?」
ピクリとアリスは反応して、何も無かったようにまた料理を食べ続ける。
そういえば、アリスの用事って何だったんだろう。地下の問題を解決したなら、それも話が進められるのかな?
「契約が済んだら、いよいよタカマガハラですね」
ルードが食べ慣れない料理に少し苦戦しながら言う。
「はい。あ、でも誰が契約する事になるんでしょう」
「私は土の魔法はあまり得意では……」
「ボクも、土は相性悪いなぁ」
「僕もからきしっすよ」
帽子を押さえ、カラカラと笑うスペード。
えっと、あれ? 誰もいない? 私はシルフィの指輪があるし――。
いったいどうすればいいの!?
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