19 / 189
第一章・光の精霊の国
19話・光の精霊さん?
しおりを挟む
「……見たことない」
ライトは不審者だったの?!
「違う」
え? なんかツッコミがきたんですけど。
「それでね、もしリサちゃんがまた見かけたらボクに教えてね」
アリスがスルーしてる。いまのツッコミが聞こえなかったの? かなり大きい声だったのに。
「リサちゃん?」
「あっ……」
横にいます。いま、そこにいます。腕を組んでドーンと立っていらっしゃいます。くいっくいっと、指で必死にライトを指差す。
「いるの?」
こくこくと頷く。
アリスは見回すが、ライトのところで視線がとまることはなかった。
「リサちゃんにしか見えないみたいだね。話せるの?」
試してみます。
「ライトさん、この前は送っていただいたのと、さっきはありがとうございます。魔法が使えるようになりました」
「……」
無言です!
「あの、貴方は光の精霊ですか?」
「……」
ふぃっと、むこうを向いて消えてしまいました。
「消えちゃった」
「そっか、ボクには見えないから確かめようがないね。ただ……」
言おうかどうか迷いながらも、アリスは告げてきた。
「聖女は光の精霊から特別な力を借りるのは言ったよね。借りるためには声が聞けないといけない。聖女の条件は精霊と話せることなんだ。聖なる力がないと、声が聞けないんだと、ボクは思ってた。声だけじゃなく姿が見えるっていうのが……わからないけど……。リサちゃんは、聖なる力は10だったんだよね?」
そうです。私の聖なる力は10です。
こくりと頷く。
「聖なる力があるから声が聞こえる可能性はたしかにあるけどね」
ちんぷんかんぷんです。
「もし、リサちゃんが見ているライトが光の精霊だとしたら、リサちゃんも聖女、つまり聖女が二人という可能性がでてくるね。その場合、バレたら帰ることができなくなっちゃうね」
おぅのぅ。まさかのピンチですか。
「普通の魔法なら使っても良かったんだけどね。その魔法の使い方だと、兄上達に色々聞かれたり調べられるかもしれないね。ボク以外の人に聖女の魔法を見せちゃ駄目だよ」
「あ、アリスがライトやウォーターで魔法は使えないの?」
使えるなら、問題なくなるよね! と、思うのだけど。
アリスが、ん? と、手をかざし唱えた。
試してくれるようだ。
「ライト!」
しーん。
「ウォーター!」
しーん。
ソウデスカ。何も起きませんね。やっぱり、聖女が使う特別な魔法、なのかな……?
「ね? だから注意するんだよ。特に父上、兄上、兄上の側近達には気をつけてね」
なんだか、フラグが立ちそうです! やめて、危険なセリフっ!
ライトは不審者だったの?!
「違う」
え? なんかツッコミがきたんですけど。
「それでね、もしリサちゃんがまた見かけたらボクに教えてね」
アリスがスルーしてる。いまのツッコミが聞こえなかったの? かなり大きい声だったのに。
「リサちゃん?」
「あっ……」
横にいます。いま、そこにいます。腕を組んでドーンと立っていらっしゃいます。くいっくいっと、指で必死にライトを指差す。
「いるの?」
こくこくと頷く。
アリスは見回すが、ライトのところで視線がとまることはなかった。
「リサちゃんにしか見えないみたいだね。話せるの?」
試してみます。
「ライトさん、この前は送っていただいたのと、さっきはありがとうございます。魔法が使えるようになりました」
「……」
無言です!
「あの、貴方は光の精霊ですか?」
「……」
ふぃっと、むこうを向いて消えてしまいました。
「消えちゃった」
「そっか、ボクには見えないから確かめようがないね。ただ……」
言おうかどうか迷いながらも、アリスは告げてきた。
「聖女は光の精霊から特別な力を借りるのは言ったよね。借りるためには声が聞けないといけない。聖女の条件は精霊と話せることなんだ。聖なる力がないと、声が聞けないんだと、ボクは思ってた。声だけじゃなく姿が見えるっていうのが……わからないけど……。リサちゃんは、聖なる力は10だったんだよね?」
そうです。私の聖なる力は10です。
こくりと頷く。
「聖なる力があるから声が聞こえる可能性はたしかにあるけどね」
ちんぷんかんぷんです。
「もし、リサちゃんが見ているライトが光の精霊だとしたら、リサちゃんも聖女、つまり聖女が二人という可能性がでてくるね。その場合、バレたら帰ることができなくなっちゃうね」
おぅのぅ。まさかのピンチですか。
「普通の魔法なら使っても良かったんだけどね。その魔法の使い方だと、兄上達に色々聞かれたり調べられるかもしれないね。ボク以外の人に聖女の魔法を見せちゃ駄目だよ」
「あ、アリスがライトやウォーターで魔法は使えないの?」
使えるなら、問題なくなるよね! と、思うのだけど。
アリスが、ん? と、手をかざし唱えた。
試してくれるようだ。
「ライト!」
しーん。
「ウォーター!」
しーん。
ソウデスカ。何も起きませんね。やっぱり、聖女が使う特別な魔法、なのかな……?
「ね? だから注意するんだよ。特に父上、兄上、兄上の側近達には気をつけてね」
なんだか、フラグが立ちそうです! やめて、危険なセリフっ!
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました
さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。
私との約束なんかなかったかのように…
それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。
そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね…
分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる