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魔法の学園

ファイスヴェードに向かう

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「リーンさん、付き合ってもらって良かったんですか? というか、勝手に出てきても良かったのでしょうか……?」
「あぁ、イソラの友達が行くんだ。それに、テト君がいなくなると色々大変なことが起きるからね」

 イソラと同じ猛禽類みたいな眷属獣だけど、大きさが段違いに大きい。大きな籠に私達をいれて飛んで行く。
 眷属獣もまた使いすぎると、精神がすり減るので連続で使い続けると良くないそうだ。クランは学園まで飛び続けたせいか、シュバルツが出てこれなくなっていた。
 結愛の眷属獣はまだ不安定だろうからと、リーンが全員乗せている。
 私、ヨウ、イソラ、クラン、結愛、リーンの五人。

「学園はカイ君に頑張ってもらうから。目覚めの特製ドリンク十日分置いてきたし、上が動くのは時間がかかるだろうからね」

 細い目で彼女は笑う。

「結愛は置いてきたほうが良かったんじゃねーのか?」

 クランがぶっきらぼうに言う。その言葉に結愛がびくりと震えた。

「私……」
「クラさん!!」

 私はクラブを呼び出し頭の上にセットすると、クランが後ずさった。

「ゆあちゃんが行くって言ったんだから、一緒に行く。私は、――――違うんだから」
「すずちゃん」

 あの時のように、手をぎゅっと繋ぐ。結愛の手は温かい。

「ありがとう、すずちゃん」

 一人になる不安は痛いほどわかる。一人残していく不安も……。

「そうだね。結愛君をあちらに残すと私も動きづらかったからちょうど良かった」

 リーンはそう言って、クランの肩に手を置いていた。

「クラン君、心配なら君が結愛君を守ればいいだろう?」

 リーンがクランの耳元でそう言っていたのが聞こえてきた。

 ◇

「あぁ、学園のと同じだね」

 黒い何かにリーンが触れるか触れないか、手を添えた。

「かなりの術者がいるのかもしれない」

 リーンは表情を変えないけれど、声が少しだけ焦っているように聞こえた。

「ここを通ると相手に伝わる。そっと侵入して連れ帰るだけとはいかないかもしれない。いいかな?」

 私はこくりと頷くと、他の人の反応を見た。皆頷いている。

「では、行きましょう。もし危険だと判断したら、ヨウ君はスズメ君を、クラン君は結愛君をお願いします。私とイソラは自身でなんとかしますから」

 そうして、皆で黒い何かをすり抜ける。ちょうどここは、私がヨウと街の外に出た場所だった。
 また戻ってきたんだと気がついて、腕が少しだけ震えた。

「すず、大丈夫。ボクが守るから、心配しないで」

 ヨウが背中をぽんと押してくれた。
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