1 / 2
魔王が勇者と一緒に転生したら
しおりを挟む
「くくく、お前が勇者でなければ――。愛していた」
「あぁ、そうだな」
黒い髪、赤い瞳の見目麗しい魔王と銀髪、青い瞳の美しい女勇者が今まさに決着をつけようとしているところだ。
二人は、何も知らず出会い、愛し合っていた。
あの日、世界が二つにわかれるまで。
「だが、オレはただでは死なないよ」
「――?」
勇者が戸惑う。魔王は大きく笑い宣言した。
「お前に愛という呪いをかける。未来永劫、ついて回ってやる」
「…………あはははは、いいな。それは――」
二人は魔法で巻き起こった灼熱の炎の中に手を繋ぎ飛び込んだ。
◇ ◆ ◇
「ていうドラマチックなことが前世であったんだぜ?」
「知らん」
オレは魔王を止めて、今世ではただの男子高校生。
彼女は勇者を止めて、ツンツンツンドラな氷の魔王になってしまった。訂正しよう、デレのないツンデレ女子高校生だ。言ってておかしいのは重々承知だが。
前世では、炎のように熱く、炎熱の勇者と呼ばれた女だったのに、何でだ?
「なぁ、思い出してくれよ、マユ」
「中二病も大概にしてくれ、タクヤ」
今日もオレは彼女について回る。
いつか、思い出してくれるその日まで!!
ーーー
愛していた。
貴方を愛していた。けれど、民衆はそれを許さない。
私が勇者で、彼が魔王である限り。
「お前に愛という呪いをかける。未来永劫、ついて回ってやる」
◇ ◆ ◇
貴方が私にかけた呪いは、成功した。
まさか、隣に住む同い年の幼馴染に生まれ変わるなんて。
「マユ、前世からお前を愛しているーーーー」
お互いを認識してからというもの、毎日これだ。
「知らん」
私は彼にそう返す。確かに貴方はあの人かもしれない。けれど――。
私は、マユだ。女勇者じゃない。
私を愛してほしいんだ。だから――。
貴方が私を見るまでは、絶対に口にしてやるつもりはない。
「あぁ、そうだな」
黒い髪、赤い瞳の見目麗しい魔王と銀髪、青い瞳の美しい女勇者が今まさに決着をつけようとしているところだ。
二人は、何も知らず出会い、愛し合っていた。
あの日、世界が二つにわかれるまで。
「だが、オレはただでは死なないよ」
「――?」
勇者が戸惑う。魔王は大きく笑い宣言した。
「お前に愛という呪いをかける。未来永劫、ついて回ってやる」
「…………あはははは、いいな。それは――」
二人は魔法で巻き起こった灼熱の炎の中に手を繋ぎ飛び込んだ。
◇ ◆ ◇
「ていうドラマチックなことが前世であったんだぜ?」
「知らん」
オレは魔王を止めて、今世ではただの男子高校生。
彼女は勇者を止めて、ツンツンツンドラな氷の魔王になってしまった。訂正しよう、デレのないツンデレ女子高校生だ。言ってておかしいのは重々承知だが。
前世では、炎のように熱く、炎熱の勇者と呼ばれた女だったのに、何でだ?
「なぁ、思い出してくれよ、マユ」
「中二病も大概にしてくれ、タクヤ」
今日もオレは彼女について回る。
いつか、思い出してくれるその日まで!!
ーーー
愛していた。
貴方を愛していた。けれど、民衆はそれを許さない。
私が勇者で、彼が魔王である限り。
「お前に愛という呪いをかける。未来永劫、ついて回ってやる」
◇ ◆ ◇
貴方が私にかけた呪いは、成功した。
まさか、隣に住む同い年の幼馴染に生まれ変わるなんて。
「マユ、前世からお前を愛しているーーーー」
お互いを認識してからというもの、毎日これだ。
「知らん」
私は彼にそう返す。確かに貴方はあの人かもしれない。けれど――。
私は、マユだ。女勇者じゃない。
私を愛してほしいんだ。だから――。
貴方が私を見るまでは、絶対に口にしてやるつもりはない。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
【実話】高1の夏休み、海の家のアルバイトはイケメンパラダイスでした☆
Rua*°
恋愛
高校1年の夏休みに、友達の彼氏の紹介で、海の家でアルバイトをすることになった筆者の実話体験談を、当時の日記を見返しながら事細かに綴っています。
高校生活では、『特別進学コースの選抜クラス』で、毎日勉強の日々で、クラスにイケメンもひとりもいない状態。ハイスペックイケメン好きの私は、これではモチベーションを保てなかった。
つまらなすぎる毎日から脱却を図り、部活動ではバスケ部マネージャーになってみたが、意地悪な先輩と反りが合わず、夏休み前に退部することに。
夏休みこそは、楽しく、イケメンに囲まれた、充実した高校生ライフを送ろう!そう誓った筆者は、海の家でバイトをする事に。
そこには女子は私1人。逆ハーレム状態。高校のミスターコンテスト優勝者のイケメンくんや、サーフ雑誌に載ってるイケメンくん、中学時代の憧れの男子と過ごしたひと夏の思い出を綴ります…。
バスケ部時代のお話はコチラ⬇
◇【実話】高1バスケ部マネ時代、個性的イケメンキャプテンにストーキングされたり集団で囲まれたり色々あったけどやっぱり退部を選択しました◇
お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!
奏音 美都
恋愛
まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。
「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」
国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?
国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。
「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」
え……私、貴方の妹になるんですけど?
どこから突っ込んでいいのか分かんない。
辺境伯令息の婚約者に任命されました
風見ゆうみ
恋愛
家が貧乏だからという理由で、男爵令嬢である私、クレア・レッドバーンズは婚約者であるムートー子爵の家に、子供の頃から居候させてもらっていた。私の婚約者であるガレッド様は、ある晩、一人の女性を連れ帰り、私との婚約を破棄し、自分は彼女と結婚するなどとふざけた事を言い出した。遊び呆けている彼の仕事を全てかわりにやっていたのは私なのにだ。
婚約破棄され、家を追い出されてしまった私の前に現れたのは、ジュード辺境伯家の次男のイーサンだった。
ガレッド様が連れ帰ってきた女性は彼の元婚約者だという事がわかり、私を気の毒に思ってくれた彼は、私を彼の家に招き入れてくれることになって……。
※筆者が考えた異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。クズがいますので、ご注意下さい。
外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます
刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。
年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!
ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。
狂戦士は可憐な花嫁を溺愛する
yu-kie
恋愛
獣の国ディスカは、格闘気質の細マッチョな兎の獣人が治める国。
ディスカに戦いを挑んだ人間の国バリージャ。バリージャは戦いに破れ、最愛の娘が嫁ぐことに…小さく可憐な姫は紹介される。可愛いもの好きな息子狂戦士と呼ばれる天下無双の王子に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる