狸と猫と子犬と子猫

猫のデートはツアコン風

お互い初対面ですから、道行く人に「狸さんですか？」「猫さんですか？」と聞きまくるのも大変だろう、ということで、事前に自分の服装は伝えていました。

はいそこ、前日からファッション決めてるとか張り切りすぎだろ、とか言わない！そうです、事実だからね！自分の一番のお気に入り、母から譲り受けたロングスカートですがなにか？母は私にとって微妙な人ですが、彼女からもらったスカートは大のお気に入りなのだ。小学生の頃から着たかった。デニムのハイウエストタイプで、真ん中に小さく刺繍があって、クールでありながら甘さもある逸品なのです。

そのおかげもありまして、お相手に気づいてもらえました。

「猫さんですか？」

丁寧な口調でとうてきたのは、スポーツ刈りで、分厚そうなメガネをかけた、眼光は若干鋭いのですが、個人的に体型にシンパシーを感じる男性でした。

自分、元々痩せではない(ええ、そうですとも！)のですが、長らくの闘病生活や薬の副作用、拒食寸前にいったり過食しまくったりで体重が20キロくらいぶれまくったせいで、リバウンド常習になり、すっかり安産体型になりましたよ！えぇ。

この度はわざわざどうも、いえいえ、と軽く挨拶し、県外からお越しだという彼に、ついお世話したい感情が頭をもたげました。

「暑いですし、少しアイスでも食べませんか？」

今思えばこのチョイスが不味かったな～。彼はあまり甘いものが好きではないんですよね…最初からガッツリ、あずきバー勧めちゃった自分を少々はたきたい。

「いや、美味しかったよ？…ちょっと甘かったけど」

そのちょっとが何となく許せないんだよ。個人的にはね。