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10話
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カーテンを開けて朝日を取り込む。ぼんやりと開かれた瞼が、今日もシゼルが生きていたことをリネットに知らせてくれる。
「お母さま、おはよう。今日はエイベル様のところで夜会が開かれると言ったのを覚えてる? だから帰りは遅くなると思うけど、心配しないでね」
この家の人は誰もシゼルの世話をしようとしない。だから家を出る前に寝支度を整えておかないと、シゼルはリネットが家を出たときのまま、ぼんやりとベッドに上体を起こした状態で座り続けることになる。
「夕食は少し早めにいただかないといけないわね。用意してくれるといいけど……あ、でも大丈夫よ。お母さまが心配するようなことは何もないから。頼んでおけばお母さまのために用意してくれるはずよ」
餓死させようというつもりはないようで、残飯ではあってもリネットとシゼルの食事は毎日三食用意されていた。だから少し早くても、昼食の残りぐらいは残っているだろう。
それに夜会に招待されていることは、メイヴィス伯も理解している。リネットの頼みをむげに断りはしないだろう。
「それじゃあお母さま、朝食を持ってくるから待っていてね」
くるりと踵を返し、笑って部屋を出る。だがその笑顔は扉が閉まると同時に消えた。
意味もなく笑っていればアメリアの不興を買う。リネットが笑っていいのは、彼らの言葉にうなずき、彼らにふさわしいふるまいを求められたときだけだ。
用意された朝食を受け取り、面倒くさそうにしている料理長に頭を下げ、空になった食器をこれまた面倒くさそうにしている使用人に渡す。いつもと同じ、代わり映えのしない生活。
違うのは、早めの夕食を終えてからだった。夜会に向かうからと、メイヴィス伯に命じられたのだろう嫌々そうに着付けを手伝うからと侍女がリネットを呼びに来た。
「それじゃあお母さま。支度が整ったらまたもう一度来るわね」
ベッドの上に座る母にひらりと手を振って、部屋を出た。
普段はひとりで脱ぎ着できる服ばかり着ているリネットだが、パーティーに出席するのならそれにふさわしいドレスを着る必要があり、格調高いドレスというものはひとりで着るのも脱ぐのも難しい作りになっている。
「なんで私たちがこんなことをしないといけないのかしら」
「旦那様の命令じゃなければあんたの世話なんて」
リネットがパーティーに参加するたび、同じような愚痴が吐き出される。それでも手を抜こうとは思わないのだろう。ドレスも髪も、飾る宝石も手際よく整えられていく。
「こんな上等なもの、あんたなんかにふさわしくないのに」
ぶつぶつと呟いてはいるが、リネットに手を上げようとしたりはしない。リネットは一応はメイヴィス伯の娘で、この家の令嬢だ。リネットに手を上げる権利を持っているのは主であるメイヴィス伯と、その娘であるアメリアだけ。
呪詛のように吐き出される愚痴はいつものことで、そこに痛みが伴わないのなら、いくらでも聞き流すことができる。
だからリネットは着付けが終わると微笑んで、彼女たちに「ありがとう」とお礼を言った。いつもはそんなことは言わないが、今日だけは機嫌がよかったからだ。
母が昨日微笑んでくれて、エイベルには嫌われているがもうすぐここから抜け出すことができて、母も妻としてふさわしい扱いをしてくれると約束されている。
上機嫌にならない理由がない。
「私は一度お母さまのところに戻るわね。お父さまにもそう伝えておいて」
頷きもしない侍女たちには見向きもせず、リネットはそのままシゼルの待つ部屋に戻った。
実際に伝えてくれるかどうかはわからないが、まあどちらでもいい。
窓から見える空には赤みが差しはじめ、もうすぐエイベルが迎えにくる時間だと知らせている。だいぶ着付けに時間がかかってしまったが、シゼルに毛布をかけ、行ってきますと挨拶するだけだからそれほど時間はかからないはず。
だから手早くすませようと、にっこりと笑いながら部屋に入る。
「お母さま、戻りました。あれ? もう寝ちゃったのかな」
いつもならぼんやりと開かれている瞼が閉じられていて、リネットは首を傾げながらもシゼルに近づいた。寝ていても、座ったままは辛いだろうからとその体を倒そうとして――
「お、かあ、さま?」
いつもとは違う強張りと、ほのかな温もりを感じるだけで普段よりも冷たい体。思わず引っ込めてしまった手を、また恐る恐るシゼルに向ける。
かつてはきめ細かく張りがあったであろう頬は、長期間の寝たきり生活がたたったのかこけ落ち、かさかさとした感触を伝えてくる。
力なく投げ出された腕は、かつて抱きしめてくれたときのような柔らかさはなく、骨と皮だけの細さだ。
だがそれは、いつもと変わらない。もうずっと、シゼルは満足な栄養を与えられず、やせ衰えていく一方だった。
だから一刻も早くなんとかしないとと思って、嫌われていると知りながらエイベルに微笑みかけ、侯爵夫人になろうと思っていて。
「お母さま、起きてください。お母さま」
いつもと変わらない姿のはずなのに、返事がないのもいつものことなのに。いつもとは違う何かがあって、それを確かめるのが恐ろしくて、結局触れられないまま何度も呼びかけた。
だがそれも、長くは続かなかった。
「お嬢様、早くしてください。まったく、ほんとうとろいんだから」
ノックもなく開かれた扉の向こうから、呆れたような不機嫌な声が聞こえてきた。
エイベルが迎えにきて、侍女が呼びに来たのだということはすぐにわかった。だがそんなことは、今のリネットにはどうでもよかった。リネットに大切なのは母だけで、それ以外のことはどうでもいいことだった。
「ね、ねえ、ちょっと待って。お母さまが……」
「ああ、はいはい。今日も変わりがないようで何よりです。ほら、あまり手間取らせないでください。せっかく整えたのに台無しになるでしょう。まったく、無駄なことばかりさせるんですから」
「だから、本当に、今だけは……お願いだから、お母さまが、返事をしてくれないの」
「そんなのいつものことでしょう。それとも普段は何か言うとでも? 幻聴が聞こえるだなんて話ほかではしないでくださいね。旦那様とアメリア様の名に傷がつきますから。早くしないと騎士を連れてきますよ。ああそれとも、下男のほうがいいですか? 私なんかより男性に触れられるほうが嬉しいでしょうからね、お嬢様は」
蔑むような言葉に、リネットは顔をこわばらせた。無理やり連れだしていいと許可が下りれば、どさくさにまぎれてあらぬところに触れてくるだろう。そう予想できるぐらい――シゼルのこれまでの扱いを知っている者は――下卑た目をリネットに向けていた。
「わ、わかったわ。おとなしくついていくから、だからお父さまに、お母さまのことを伝えてちょうだい」
「はいはい、わかりました」
ぞんざいな口振りではあったが、こればかりはちゃんと伝えてくれると祈るしかない。
たとえどんな扱いを受けていようと、シゼルはメイヴィス伯の妻だ。妻の座に籍を置いているのだから、一刻を争う事態となれば、彼もそれほどぞんざいには扱わず、医師を呼んでなんとかしてくれるはず。
それにもしかしたら、リネットが今抱いている不安はただの杞憂で、ただの気のせいかもしれない。
だから期待をこめて、祈るように夜会に参加した。与えられた役目をこなすことしか、リネットにはできなかったから。
そこでエイベルがアメリアをかばい、婚約を破棄すると宣言してきたが、そんな茶番に心を傾ける余裕はリネットにはなかった。それよりも本当に母は無事なのか、ただの気のせいだったのではないかと、気が気ではなかった。
だから退場してすぐ、家に戻ろうとしていたのだが、アンローズ邸を出てすぐに、彼女の足は止まった。
「お、父さま……?」
そこにいるはずのない人物が馬車から降りてくるのが見えたからだ。どうしてこんなところにいるのか。頭のどこかで理解できたが受け入れたくなくて、ほうけたように首を傾げた。
「まったく。何を考えている」
「……あ、私、は」
「母が亡くなったというのにのんきに夜会に参加しているとはな。アメリアは私が連れて帰るからお前は先に屋敷に戻っていろ」
はあ、と呆れたようなため息を咎めるような視線を受け、そして放たれた言葉にリネットの希望が完全に断たれたことを受け入れざるを得なかった。
胸が絞めつけられ、泣き出しそうなリネットに優しい言葉をかけることなく、メイヴィス伯はリネットの横を通り過ぎようとして――ぴたりと足を止めた。
「私の言ったことが聞こえなかったのか。屋敷に戻り、帰りを待て」
おそらくは動こうとしないリネットに業を煮やしたのだろう。メイヴィス伯はまたため息を落とすと、自分の後ろに控えていた従者に視線を投げかけた。
「連れて帰っておけ」
その身近な指示に従者は頷き、微動だにしていなかったリネットの手を引いて、歩きはじめた。
――そしてこの日、シゼル・メイヴィスは亡くなり、その娘リネット・メイヴィスは社交界から姿を消した。
「お母さま、おはよう。今日はエイベル様のところで夜会が開かれると言ったのを覚えてる? だから帰りは遅くなると思うけど、心配しないでね」
この家の人は誰もシゼルの世話をしようとしない。だから家を出る前に寝支度を整えておかないと、シゼルはリネットが家を出たときのまま、ぼんやりとベッドに上体を起こした状態で座り続けることになる。
「夕食は少し早めにいただかないといけないわね。用意してくれるといいけど……あ、でも大丈夫よ。お母さまが心配するようなことは何もないから。頼んでおけばお母さまのために用意してくれるはずよ」
餓死させようというつもりはないようで、残飯ではあってもリネットとシゼルの食事は毎日三食用意されていた。だから少し早くても、昼食の残りぐらいは残っているだろう。
それに夜会に招待されていることは、メイヴィス伯も理解している。リネットの頼みをむげに断りはしないだろう。
「それじゃあお母さま、朝食を持ってくるから待っていてね」
くるりと踵を返し、笑って部屋を出る。だがその笑顔は扉が閉まると同時に消えた。
意味もなく笑っていればアメリアの不興を買う。リネットが笑っていいのは、彼らの言葉にうなずき、彼らにふさわしいふるまいを求められたときだけだ。
用意された朝食を受け取り、面倒くさそうにしている料理長に頭を下げ、空になった食器をこれまた面倒くさそうにしている使用人に渡す。いつもと同じ、代わり映えのしない生活。
違うのは、早めの夕食を終えてからだった。夜会に向かうからと、メイヴィス伯に命じられたのだろう嫌々そうに着付けを手伝うからと侍女がリネットを呼びに来た。
「それじゃあお母さま。支度が整ったらまたもう一度来るわね」
ベッドの上に座る母にひらりと手を振って、部屋を出た。
普段はひとりで脱ぎ着できる服ばかり着ているリネットだが、パーティーに出席するのならそれにふさわしいドレスを着る必要があり、格調高いドレスというものはひとりで着るのも脱ぐのも難しい作りになっている。
「なんで私たちがこんなことをしないといけないのかしら」
「旦那様の命令じゃなければあんたの世話なんて」
リネットがパーティーに参加するたび、同じような愚痴が吐き出される。それでも手を抜こうとは思わないのだろう。ドレスも髪も、飾る宝石も手際よく整えられていく。
「こんな上等なもの、あんたなんかにふさわしくないのに」
ぶつぶつと呟いてはいるが、リネットに手を上げようとしたりはしない。リネットは一応はメイヴィス伯の娘で、この家の令嬢だ。リネットに手を上げる権利を持っているのは主であるメイヴィス伯と、その娘であるアメリアだけ。
呪詛のように吐き出される愚痴はいつものことで、そこに痛みが伴わないのなら、いくらでも聞き流すことができる。
だからリネットは着付けが終わると微笑んで、彼女たちに「ありがとう」とお礼を言った。いつもはそんなことは言わないが、今日だけは機嫌がよかったからだ。
母が昨日微笑んでくれて、エイベルには嫌われているがもうすぐここから抜け出すことができて、母も妻としてふさわしい扱いをしてくれると約束されている。
上機嫌にならない理由がない。
「私は一度お母さまのところに戻るわね。お父さまにもそう伝えておいて」
頷きもしない侍女たちには見向きもせず、リネットはそのままシゼルの待つ部屋に戻った。
実際に伝えてくれるかどうかはわからないが、まあどちらでもいい。
窓から見える空には赤みが差しはじめ、もうすぐエイベルが迎えにくる時間だと知らせている。だいぶ着付けに時間がかかってしまったが、シゼルに毛布をかけ、行ってきますと挨拶するだけだからそれほど時間はかからないはず。
だから手早くすませようと、にっこりと笑いながら部屋に入る。
「お母さま、戻りました。あれ? もう寝ちゃったのかな」
いつもならぼんやりと開かれている瞼が閉じられていて、リネットは首を傾げながらもシゼルに近づいた。寝ていても、座ったままは辛いだろうからとその体を倒そうとして――
「お、かあ、さま?」
いつもとは違う強張りと、ほのかな温もりを感じるだけで普段よりも冷たい体。思わず引っ込めてしまった手を、また恐る恐るシゼルに向ける。
かつてはきめ細かく張りがあったであろう頬は、長期間の寝たきり生活がたたったのかこけ落ち、かさかさとした感触を伝えてくる。
力なく投げ出された腕は、かつて抱きしめてくれたときのような柔らかさはなく、骨と皮だけの細さだ。
だがそれは、いつもと変わらない。もうずっと、シゼルは満足な栄養を与えられず、やせ衰えていく一方だった。
だから一刻も早くなんとかしないとと思って、嫌われていると知りながらエイベルに微笑みかけ、侯爵夫人になろうと思っていて。
「お母さま、起きてください。お母さま」
いつもと変わらない姿のはずなのに、返事がないのもいつものことなのに。いつもとは違う何かがあって、それを確かめるのが恐ろしくて、結局触れられないまま何度も呼びかけた。
だがそれも、長くは続かなかった。
「お嬢様、早くしてください。まったく、ほんとうとろいんだから」
ノックもなく開かれた扉の向こうから、呆れたような不機嫌な声が聞こえてきた。
エイベルが迎えにきて、侍女が呼びに来たのだということはすぐにわかった。だがそんなことは、今のリネットにはどうでもよかった。リネットに大切なのは母だけで、それ以外のことはどうでもいいことだった。
「ね、ねえ、ちょっと待って。お母さまが……」
「ああ、はいはい。今日も変わりがないようで何よりです。ほら、あまり手間取らせないでください。せっかく整えたのに台無しになるでしょう。まったく、無駄なことばかりさせるんですから」
「だから、本当に、今だけは……お願いだから、お母さまが、返事をしてくれないの」
「そんなのいつものことでしょう。それとも普段は何か言うとでも? 幻聴が聞こえるだなんて話ほかではしないでくださいね。旦那様とアメリア様の名に傷がつきますから。早くしないと騎士を連れてきますよ。ああそれとも、下男のほうがいいですか? 私なんかより男性に触れられるほうが嬉しいでしょうからね、お嬢様は」
蔑むような言葉に、リネットは顔をこわばらせた。無理やり連れだしていいと許可が下りれば、どさくさにまぎれてあらぬところに触れてくるだろう。そう予想できるぐらい――シゼルのこれまでの扱いを知っている者は――下卑た目をリネットに向けていた。
「わ、わかったわ。おとなしくついていくから、だからお父さまに、お母さまのことを伝えてちょうだい」
「はいはい、わかりました」
ぞんざいな口振りではあったが、こればかりはちゃんと伝えてくれると祈るしかない。
たとえどんな扱いを受けていようと、シゼルはメイヴィス伯の妻だ。妻の座に籍を置いているのだから、一刻を争う事態となれば、彼もそれほどぞんざいには扱わず、医師を呼んでなんとかしてくれるはず。
それにもしかしたら、リネットが今抱いている不安はただの杞憂で、ただの気のせいかもしれない。
だから期待をこめて、祈るように夜会に参加した。与えられた役目をこなすことしか、リネットにはできなかったから。
そこでエイベルがアメリアをかばい、婚約を破棄すると宣言してきたが、そんな茶番に心を傾ける余裕はリネットにはなかった。それよりも本当に母は無事なのか、ただの気のせいだったのではないかと、気が気ではなかった。
だから退場してすぐ、家に戻ろうとしていたのだが、アンローズ邸を出てすぐに、彼女の足は止まった。
「お、父さま……?」
そこにいるはずのない人物が馬車から降りてくるのが見えたからだ。どうしてこんなところにいるのか。頭のどこかで理解できたが受け入れたくなくて、ほうけたように首を傾げた。
「まったく。何を考えている」
「……あ、私、は」
「母が亡くなったというのにのんきに夜会に参加しているとはな。アメリアは私が連れて帰るからお前は先に屋敷に戻っていろ」
はあ、と呆れたようなため息を咎めるような視線を受け、そして放たれた言葉にリネットの希望が完全に断たれたことを受け入れざるを得なかった。
胸が絞めつけられ、泣き出しそうなリネットに優しい言葉をかけることなく、メイヴィス伯はリネットの横を通り過ぎようとして――ぴたりと足を止めた。
「私の言ったことが聞こえなかったのか。屋敷に戻り、帰りを待て」
おそらくは動こうとしないリネットに業を煮やしたのだろう。メイヴィス伯はまたため息を落とすと、自分の後ろに控えていた従者に視線を投げかけた。
「連れて帰っておけ」
その身近な指示に従者は頷き、微動だにしていなかったリネットの手を引いて、歩きはじめた。
――そしてこの日、シゼル・メイヴィスは亡くなり、その娘リネット・メイヴィスは社交界から姿を消した。
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