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十五話 国王、予想もしない再会に驚く

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「えええ、本当にメテオ?嘘だろ~」

何だよ!この怒濤の展開!
俺はまだ信じることが出来ずブルブルと首を横に振る。

「本当だよ。俺はウェンドリックス・ジャンチェストだ」

ラルフも俺の前に片足をおり右手を胸に添える姿勢になった。

「本当か?ウェン…お、お前…国王になっただろ?国はどうなってんだよ!えっお前もすぐ死んだのか?」

「サラの最期看取ってからちゃんと国王やってやったぜ!15年以上かかったが、王族君主制を廃止していきなり貴族まで失くせなかったから貴族議会制にしたのを見届けてから国王やめて隠居生活してその後死んだ」

「はあ?今俺が死んでそんなに経ってないのに何でだよ!」

「それはわからん!メテオは俺より長生きしたはずだが、そう俺と年齢変わらんと今ここにいる」

訳がわからない!時間軸はどうなってるんだ?

「何でだ?」

「それはこっちの台詞!何でサラが公爵令嬢になってる?」

俺の何でにラルフが何でを返してきやがった。

「俺は死んですぐこの世界の神だというウルヴァランの所に行ってリリアナ・ハーベントとして生きていくことになったんだよ」

「ウルヴァランって確かにこの世界の神だな。会ったのか?」

「ああ…」

俺はラルフとロランにどうしてリリアナ・ハーベントとして生きることになったか話した。

「何だそれ!げぇむの世界?」

ラルフが首を傾げる。

「信じられない話だろうが、リリアナと同時に死んだ中から俺が選ばれたんだ。俺はリリアナとリリアを敵を取ると決めた」

「何だよ~せっかく貴族令嬢になったのに女として生きてるのにこの国の王太子と婚約してるって…」

ラルフは眉間に皺を寄せる。

「俺がリリアナになった時にはもう婚約が決まった後だった。そこから始まったのだから仕方ないだろう!でもあのクソ王太子とヒロインとやらにちゃんと罪を償わせるつもりだし、王太子とは結婚しない」

「今まで五回もその強制力とやらで無理だったんだろ?サラそんなことやめて一緒に冒険者やろうぜ」

ラルフが俺の両手を握るけど

「全部終わったらそれもいいな」
 
俺はフッと笑う。

「今からでもいいじゃねえか!サラが冒険者になっちまえばげぇむもへったくれもないだろ!」

ラルフはそう言うけど、俺はリリアナの人生ちゃんとケリつけたいんだ。

「いや、ちゃんと貴族学院に入学して正面突破してリリアナが無実だとアイツらに認めさせてやる!」

「何だよ~俺はさ、戦争終わったらサラと結婚するつもりだったのにとっとと死ぬし、今度会ったら婚約者いるって最悪~」

「へっ?結婚?!」

ラルフの言葉に目を見開く。

「おうよ!戦終わらせて国王になったらサラを女に戻して結婚するつもりで俺は国王を引き受けたんだからな」

「…」

ラルフのいきなりの告白に言葉が出てこない。

「気付いてないのはサラ様だけでしたよ」

メテオだと言うロランに言われて

「そうだったのかよ?!」

俺は顔を赤くして恥ずかしくなって叫ぶように言った。

「あぁ、でもまたここで会えたんだ。
ずっとずっと何年も待ったんだから、これからもそれまで待つか!
サラ、俺を護衛にしろ」

「はっ?いきなり何言ってんだ?」

俺がラルフの顔を見上げてポカンとする。

「私もまた専属従者として雇って下さい」

「メテオまで何言いだすんだ?」

「俺はS級、メテオはA級だしメテオはお前の影もやってた。もってこいじゃないか?」

確かにそうだ。ウェルとメテオがいてくれたら心強い。でも…

「2人とも優秀な冒険者だ。
まだまだ魔物も出現してるからお前たちの力が必要だろ?」

「冒険者登録はそのままにする。Aランク以上が出たらちゃっちゃと討伐して戻ればいいんじゃねえか?」

「冒険者登録したまま護衛や従者になれるのか俺は知らないぞ」

「そこは何とかしろよ!お前公爵令嬢なんだから。俺はもう決めたからな」

ラルフに軽く言われてうぅ~と俺は唸る。

「あぁ、俺が登録してるとこのギルドマスターは大丈夫だと思うぜ。古くからの知り合いだから、サラもよく知ってるやつ」

「へっ?ギルドマスター誰よ?」

「聞いて驚け!マンデランだ」

マンデランは前の世で俺の護衛隊長だった騎士だった。
幼い頃から俺の面倒を見てくれた歳の離れた兄のような存在の人だった。

「マンデランまで?いったいどうなってんだよ!」

「俺に聞かれてもわからん…でももしかしたらサラ、お前を助ける為なのかもな。
サラをマンデランに会わせたら大騒ぎだな」

ラルフはニヤッと口角を上げて笑う。

「マンデラン様大泣きしますよきっと」

ロランもニヤニヤしている。

何?この状況?

「とにかく話をつけてくれ!護衛が駄目でも俺たちはお前の側から離れないからな」

ラルフの言葉にロランもうんうんと頷いている。
彼らの中ではもう決定事項のようだ。
でもこれからのことを考えればラルフとロランに側にいてもらった方がいいかもしれない。
メテオは影でもあった、いろいろと探るのにいいかもしれない。
俺は切り替えの早い達だ。

「そうだな!お前たちがいてくれるとこれからいろいろと助かる。護衛と従者の話してみる」

「楽しみだな~早く王太子との婚約なんか破棄しちまえ!」

ラルフが言い放つ。

「それはまだ先だな。でもよし決めた!」

俺もニヤッと笑う。

「なら、一度マンデランのところにも連れて行ってやるよ」

「マンデランに会いたいな。
でもその前にまず北方の土地を浄化しないと領民たちがまた暮らせるように戻していかないといけない」

「そっかぁ~お前はまた人の上に立つ人間なんだよな」

ラルフが微笑んで言う。

「今度は平和な世界でのんびり気楽に生きたかったけどな。引き受けたからな、ちゃんと終わらせるまでは今の立場で頑張る」

「そうか。俺たちはどこまでもお前について行くぜ」

ラルフがニヤッとして言うとロランもうんうんと頷いた。

ラルフから俺と結婚するつもりだったと聞かされて驚いたが、思わぬ再会に俺の胸は躍った。





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