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第二章 アメリカ・本土

第13話 グランドティートン国立公園

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 宿に落ち着き就寝直前に部屋に置いてある電話帳を捲ってみました。グランドティートン国立公園の南側の玄関口にJACKSON という町がありその町や周辺にモーテルがあるのが分かりました。グランドティートンのベッドタウンの役割を果たしているようです。日本から持参のガイドブックは役に立ちません。JACKSONに宿が取れればそこをベースに公園の中心地JACKSON LAKE LODGE までバスが利用できる。よし、明日はJACKSON まで行ってみよう。

 翌日。
 宿は何とかなりそうなので今日のJACKSON までのと明日の JACKSON から公園内にあるJACKSON LAKE LODGE までの往復のバスツアーの予約をする。
 ここのバスデポの老婦人も親切であったが圧巻はバスドライバーの女性で、JACKSON のバスデポに到着した後、少し先にある格安のモーテルまで連れて行ってくれた。しかも明朝はここで乗せてくれるという。
 ところが世の中、そうはうまく事が運ばないから面白い。いや、面白くない。殆どのモーテルが VACANCY(空室あり)だったのに、ここだけ NO VACANCY だった。良心的な宿だとみんな知っているようだ。

 町に戻り少し安い(それでも38ドルと高い)モーテルに今日一泊分の宿をとる。一日しか空室はなかったので。運良く近くにコインランドリーがあったので使う事にしたが、これが良かった。すぐ向かいに良いロッジが見えた。洗濯が終わったタイミングで訪れてみる。
 責任者の方といろいろと話をした結果、前払いで明日、明後日の部屋の確保、それに今夜から荷物を預かって頂く事で話がまとまった。これによりグランドティートン探索の為の宿は全て確保できた。
(今のようにスマホが使えれば、イェローストーンから直接 JACKSON に行く事は容易である。しかしスマホが無くても それぐらいは考えつかなきゃ。この時はグランドティートン国立公園内に宿泊する事しか頭になかったようだ)

 翌日、7月4日。
 今日はアメリカ独立記念日である。
 ツアーバスで JACKSON LAKE LODGE まで行ってみた。ロッジのテラスからは大草原を前面にグランドティートン山と周辺の山々が見事に連なっている。素晴らしい景観だ。
 大草原とこの山脈こそあの有名な『シェーン』のラストシーン、『Shane, Come Back!』の舞台である。

 日本のガイドブックによれば、インディアンの諺に『グランドティートンを見てから死ね!』と言うのがあるようだ。『ナポリを見てから死ね!』ほど有名ではないようだが。

 公園内循環のバスに乗りそこなったので Colter Bay Village までトレイルコースを往復、歩いてみた。途中でムース、ペリカンが見られた。Colter Bay Village でもトレイルコースを歩いてみたが JACKSON LAKE LODGE のテラスからの景観に勝るものはなかった。イェローストーンと言い、グランドティートンと言い、景観の良い場所にロッジやバスデポを建てているようである。

 JACKSONに戻り、夕食後、外をぶらついていると打ち上げ花火が始まった。独立記念日だからだろう、きっと。

 グランドティートン2日目はレンタバイク(自転車)を利用する事にした。24時間で10ドルと割合安い。 Jenny Lake までのサイクリングである。ハイウェイは殆どフラットなので楽である。途中のグランドティートン景観道入口でハイウェイから西へ分かれる。やはり観光バスよりこの方がずっと良い。

 Jenny Lake では駐車場近くからの景観が一番良かった。湖を一周するトレイルコースを歩いてみたが、 Hidden Fallsと Inspiration Point がまあまあ程度であとはただ歩くだけだった。

 トレイル中に4~5人の同じグループと何度か顔を合せた。最後に会った時、車に乗せてくれると言う。親切である。当然辞退したがアメリカ人には親切な人が多い。
 南ダコタからとミネソタからの旅行者が混在していた。母娘に見えるミネソタからの女性2人は、 Banff に行く予定だそうだ。


 イェローストーン国立公園、グランドティートン国立公園を通じて強く感じた事は観光バスデポの窓口、観光バスのドライヴァーがみんな親切だった事。公園近辺の町にも親切な人が経営しているモーテルやロッジが見られた事。

 この事が自然美溢れるこの2つの国立公園の旅を、より爽やかなものにしてくれた。
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