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world:01 猫耳転生とJ世代
第5話・ロッカーちゃん。
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物凄い轟音を響かせて、地面に激突したプテラノドン。辺り一面に砂煙が舞い上がり、その中心でぐったりしていた。これは流石にダメージ大きいだろう。
「よし、食うか!」
「ちょっとティラノさん、そういうの止めようよ」
「そうゆうのって何だよ。獲物は喰うために獲るんだぜ?」
「野生動物としての主張はわかるけどさ、少なくとも知性を持ったんだから、なんでもすぐに“食う”とかちょっとね……」
「はあ? 意味わかんね」
……ダメだ、上手い言葉が出て来ない。後でゆっくりと説得しよう。
「女神さん、なにか助ける方法ある?」
〔ミルクチョコには、体力回復能力もありますよ〕
「……なんか、チョコが万能アイテム化してないか?」
まあ、ポーションみたいな感じで使えるのはありがたいけど。
ぐったりしているプテラノドンの口にチョコを放り込んでみた。本能なのか生きる意志なのか、チョコを必死で飲みこもうとする翼竜。
――この時代にも生き物にも愛着はないけど、それでも救える命を放っておくのは気が咎める。ウチは昔から“生き物の命”に関してだけは敏感で、それだけが唯一の取り柄と言えるかもしれない。
幼稚園の頃、飼っていた子猫がウチの目の前でトラックに轢かれて死んでしまったことがある。その瞬間の恐怖に見開いた目と、無造作にはねられた姿が、今でも脳裏に焼きついて離れない。多分それ以来なんだろうな、生き物の命に敏感なのは。だからと言って菜食主義者って訳じゃないし、偽善でしかないのはわかっているけど。
チョコを飲み込んだプテラノドンは唸り声とともに小さくなり、煙とともに『ぽんっ』と恐竜人の姿に変身した。
「おー、この娘も美形じゃないか。美人というよりは可愛い系だな」
少し小柄な彼女は、小さい翼としっぽ、そして昭和のロッカーが好んで着る様な鋲付の革ジャンを身に着けていた。 七分丈の革パンツに少し大きめのスポーツシューズがこれまた可愛い。茶髪のショートでちょっと大人し目な感じだ。
そして約束珠の指輪もGET! この娘の珠は少しピンクっぽい輝きがあるな。多分恐竜によって色の違いがあって、それが個性って事なのかもしれない。早速指にはめてみると、ティラノのときと同じようにこの娘の情報が入って来た。
「君はプチちゃんって言うのか~。ピッタリな名前だね」
「あ、あのぅ……」
「おめー気合入った格好してんじゃねえか!」
パンッとプチの背中を叩くティラノ。
「ひいっ……」
中指立てながら舌を出していそうな恰好しているのに、実際はめちゃ内気なプテラノドンの恐竜人。少しおっとりした感じが好感度高い!
恐竜をライズ化する。……これはこれでなんか楽しいぞ。悪くはないというか、この時代も捨てたもんじゃないな、とは思う。
でもなぁ……転生先の選択肢に入るかどうかと聞かれたら『No』だよな。
「なあ、女神さんや」
〔ちりめん問屋のご隠居みたいな呼び方はやめてください〕
「あのさ、ちょっと体がダルいんだけど……」
〔それは約束珠の指輪のせいですね〕
――なんだって?
〔約束珠の指輪をつけている間、恐竜人にはあなたの力が分け与えられます。そして、その間ずっと体力と精神力が削られ続けます〕
「……そんなヤバイ要素は先に言えよ」
〔一度はめて契約が成立したら、外しておくことを推奨します。普段はつけておく必要はありませんよ〕
ったく、ホント肝心なことを言わない女神だ。恐竜人は普段のままでも十分強いけど、指輪をはめると更にパワーアップする。これは強敵と闘う時の切り札になるな。……とりあえずポケットに入れておこう。
〔また、今のあなたでは同時に付けられる指輪は、多分二つが限界でしょう〕
「それって、ウチのレベルが上がれば沢山つけられるってこと?」
〔そうですね、同時に分け与える力も強くなります。まあ、レベルなどという概念はありませんので、純粋にあなたの成長がカギになりますが〕
たった二つでもわずか数分で疲労感を感じるくらいだから、この指輪はウチの力を相当吸い取っているのだろう。これを使うのならかなり体力をつけないと駄目だな、ヒッキーのウチには超絶過酷な話だよ。
……はあ、誰か異世界に連れて行ってくれ。
「よし、食うか!」
「ちょっとティラノさん、そういうの止めようよ」
「そうゆうのって何だよ。獲物は喰うために獲るんだぜ?」
「野生動物としての主張はわかるけどさ、少なくとも知性を持ったんだから、なんでもすぐに“食う”とかちょっとね……」
「はあ? 意味わかんね」
……ダメだ、上手い言葉が出て来ない。後でゆっくりと説得しよう。
「女神さん、なにか助ける方法ある?」
〔ミルクチョコには、体力回復能力もありますよ〕
「……なんか、チョコが万能アイテム化してないか?」
まあ、ポーションみたいな感じで使えるのはありがたいけど。
ぐったりしているプテラノドンの口にチョコを放り込んでみた。本能なのか生きる意志なのか、チョコを必死で飲みこもうとする翼竜。
――この時代にも生き物にも愛着はないけど、それでも救える命を放っておくのは気が咎める。ウチは昔から“生き物の命”に関してだけは敏感で、それだけが唯一の取り柄と言えるかもしれない。
幼稚園の頃、飼っていた子猫がウチの目の前でトラックに轢かれて死んでしまったことがある。その瞬間の恐怖に見開いた目と、無造作にはねられた姿が、今でも脳裏に焼きついて離れない。多分それ以来なんだろうな、生き物の命に敏感なのは。だからと言って菜食主義者って訳じゃないし、偽善でしかないのはわかっているけど。
チョコを飲み込んだプテラノドンは唸り声とともに小さくなり、煙とともに『ぽんっ』と恐竜人の姿に変身した。
「おー、この娘も美形じゃないか。美人というよりは可愛い系だな」
少し小柄な彼女は、小さい翼としっぽ、そして昭和のロッカーが好んで着る様な鋲付の革ジャンを身に着けていた。 七分丈の革パンツに少し大きめのスポーツシューズがこれまた可愛い。茶髪のショートでちょっと大人し目な感じだ。
そして約束珠の指輪もGET! この娘の珠は少しピンクっぽい輝きがあるな。多分恐竜によって色の違いがあって、それが個性って事なのかもしれない。早速指にはめてみると、ティラノのときと同じようにこの娘の情報が入って来た。
「君はプチちゃんって言うのか~。ピッタリな名前だね」
「あ、あのぅ……」
「おめー気合入った格好してんじゃねえか!」
パンッとプチの背中を叩くティラノ。
「ひいっ……」
中指立てながら舌を出していそうな恰好しているのに、実際はめちゃ内気なプテラノドンの恐竜人。少しおっとりした感じが好感度高い!
恐竜をライズ化する。……これはこれでなんか楽しいぞ。悪くはないというか、この時代も捨てたもんじゃないな、とは思う。
でもなぁ……転生先の選択肢に入るかどうかと聞かれたら『No』だよな。
「なあ、女神さんや」
〔ちりめん問屋のご隠居みたいな呼び方はやめてください〕
「あのさ、ちょっと体がダルいんだけど……」
〔それは約束珠の指輪のせいですね〕
――なんだって?
〔約束珠の指輪をつけている間、恐竜人にはあなたの力が分け与えられます。そして、その間ずっと体力と精神力が削られ続けます〕
「……そんなヤバイ要素は先に言えよ」
〔一度はめて契約が成立したら、外しておくことを推奨します。普段はつけておく必要はありませんよ〕
ったく、ホント肝心なことを言わない女神だ。恐竜人は普段のままでも十分強いけど、指輪をはめると更にパワーアップする。これは強敵と闘う時の切り札になるな。……とりあえずポケットに入れておこう。
〔また、今のあなたでは同時に付けられる指輪は、多分二つが限界でしょう〕
「それって、ウチのレベルが上がれば沢山つけられるってこと?」
〔そうですね、同時に分け与える力も強くなります。まあ、レベルなどという概念はありませんので、純粋にあなたの成長がカギになりますが〕
たった二つでもわずか数分で疲労感を感じるくらいだから、この指輪はウチの力を相当吸い取っているのだろう。これを使うのならかなり体力をつけないと駄目だな、ヒッキーのウチには超絶過酷な話だよ。
……はあ、誰か異世界に連れて行ってくれ。
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