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第6章
6-07衝突
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ルイーナの特訓は多岐に及んだ。
“特訓なんてバチコイッ!”などと軽く見ていたいずみも、徐々に疲労が見え始めてきた。
体力強化は普段から修行しているので、問題がない事が判明したために割愛。
しかし…、
「もっと強くイメージしてくださいっ!」
ルイーナの檄が飛び、いずみは頭の中がグルグル回転して目を回し始めていた。
「な、なんで…、これが特訓なのよっ!」
いずみとって、特訓と言えば肉体的な強化練習と決まっていた。
だから頭の中で様々な処理を行わなくてはならない、イメージトレーニングは苦手だった。
未だに粘土での造形を思い通りにこなせないために、いずみ一人だけ既に5時間も粘土を睨み続けていたのだ。
「時、光、重力を扱うには、明確なイメージと強力な思念が必要なのです」
「だからってぇ~、こんなに難しい事簡単にできないよぉ!」
いずみらしからぬ泣き言を言うのは、飽きている証拠だ。
だが、ここでやめてしまうと強力なイメージ力を養う事は不可能だろう。
「さっきいずみは初心者ではありえないほど難しい“うに”を作れたんですよ? コツさえ掴めばできるようになりますから…」
だからルイーナは敢えて厳しく接していた。
「ハウ~」
いずみが手こずっている間に、初美はルイーナの課題をほぼ完了していた。
「さっすが委員長! なんでもソツなくこなせるねぇ」
いずみが本当に感心した様子で称賛する。
「そんなことないよ。これだってお兄ちゃんが力を貸してくれたから出来るようになったんだし」
「お兄ちゃん?」
「あ” !」
途端にいずみは下世話な笑みを浮かべ、初美に耳打ちする。
「お兄ちゃんってぇ?」
「あ、あ、ちが…、さ、坂戸先輩です。坂戸先輩っ!」
慌てて言い直すが、かえって墓穴を掘ってしまう。
「初美って坂戸さんのことが好きなんだ…」
「だからっ! 違うって言ってるでしょっ!」
「…言ってないよ? まだ一度も…」
いずみがニコニコと笑いながら突っ込む。
「うう…、ち、小さい頃から一緒にいたから…、いずみだって曳舟先輩と幼馴染じゃない」
初美は小さな抵抗を試みる。
「でも“お兄ちゃん”って呼んでたのは、幼稚園ぐらいまでだよ? そのあとはもっぱら“大ちゃん”…かな?」
「似たようなものじゃないっ!」
「でも大ちゃんはいとこだし、兄というのとは違うかな? いつも大ちゃんとさくらと私の3人だったから…」
「え? いとこ? 曳舟先輩っていずみの親戚だったの?」
「うん。そだよ。と言っても、お務めできるメンバーは皆親戚筋なんだけどね」
「あ、そうか。私もいずみとはかなり離れてるけど血縁だったもんね」
今でこそ、その根拠がアルファブラッドだと判明したが、それまでは赤の他人だと思ってた人が多かった。
「委員長はあの伝説の武闘家“大山氏”の親戚筋でもあるんだよね?」
「よく知ってるわね。でも韓国から日本に帰化した先生本人とは血のつながりはないのよね」
「あ、そうなんだ。じゃあ日本で住み込んでいた大山家の方?」
「うん」
「そういえば大山先生って、築地川高校の隣にある是碓総合病院で亡くなったんだよね?」
「らしいわね。その時はあの辺りがすごい騒ぎになったらしいわよ」
「あの~いずみ? おしゃべりはそのくらいにしてもらえませんかぁ~」
全てひらがなで一語一語はっきりと発音するルイーナ。
「ピャ! ご、ごめんごめん」
「委員長はコツを掴み始めているので、邪魔しないであげてね。委員長、もう少し続けたら次の課題を始めますね」
「はい。ルイーナ手間取らせてごめんね」
「全然。いずみと比べたら殆ど手間なんてかかってないです」
「ひっど~~~~いっ!」
ぶーたれるものの、確かにまだ結果を出せてないいずみは返す言葉がなかった。
「でもさぁ~、6次元の人たちはこれを簡単にこなせてるの?」
「え? ? ? あ! いずみっ、大きな勘違いしてますよ!」
ルイーナは慌てて叫んでしまった。
「6次元の人の殆どは、肉体を持たないいわゆる思念体なのです」
「へ? 思念体? って、え~と、…ぁ、フレンズみたいな存在?」
いずみがドヤ顏で返答した。
「近いですけど…、それ逆です」
「逆?」
「フレンズは肉体からいわゆる“霊体”と“幽体”が分離した状態ですが、“幽体”がある間は時間的空間的な制約を受けます。それは“幽体”が分離した肉体の記憶を保持しているからです」
「う~、ルイーナよく分からない…、さくらみたいな状態じゃないの?」
「さくらさんはフレンズになった後、幽体が消滅したために、今では6次元の住民と同じような“霊体(思念体)”に昇華しました」
「え? さくらの幽体が消滅した? いつ?」
「普通は亡くなると、肉体が火葬された後に徐々に幽体が消えてゆくのですが、さくらさんの場合は身体がクリーチャーに消滅させられる直前に、いずみのフレンズになったと聞きました。そのため霊体との繋がりが強固だったようです。私や有紀さんと出会ってから時空を超越するために幽体を分離、消滅させたのです」
「そんな話聞いてないよぉ」
いずみは泣き出しそうな表情でルイーナに詰め寄る。
「いずみが小菅に殺された後のことです。コクーンの中で身体を新生させる力が足りなかったために、さくらさんがいずみを救うために高次元からのエネルギーを得ようとして…」
「そんな…、さくら何も言わなかったよ」
「そりゃそうですよ。さくらさんはいずみを助けられなかったって悲観して、何とか救う方法がないのかと…。私が高次元のエネルギーを得られれば、何とか救えるかもしれないって言ったら、何でもするというから方法を教えました」
「ルイーナっ! ひどいじゃない。だって、フレンズってエネルギー体なんでしょ? エネルギーが切れたら…さくら消滅しちゃうんじゃないのっ?」
いずみは本気で怒り、ルイーナに掴みかかった。
「え? ち、ちょっと、ちょっと。いずみっ! 私の話を聞いてなかったんですか?」
ルイーナも険しい顔でいずみを掴み返した。
本気で睨み合い、殴り合いに発展しそうな険悪な状態だ。
<ひょい>
そんな擬音が空間に浮かび上がりそうな見事な軽々しさで、いずみは湧につまみ上げられた。
「いずみ、落ち着けよ。俺もその場にいたからよく分かるんだけど…」
「一番いずみに近いところにいましたもんね」
ルイーナが意味深な表情で湧に耳打ちするような仕草で呟いた。
「まあまあルイーナ、ムカつくのは分かるけど、俺に説明させてくれ」
「何よ二人して…」
いずみは唇を尖らせて、そっぽを向く。
「さっきルイーナが話してたように、6次元の住人は空間や時間の移動で制約の多い肉体はあまり保有しないんだそうだ。それは完全な思念体(=霊体)であれば、イメージするだけでどこにでも行かれるからだそうだ」
「あ、そか」
「何か目的があって、物質的な身体が必要になったら用意するんだけど、身体を用意するまではかなりのエネルギーと手間がかかるそうだよ」
「へえ」
「さくらさんはいずみのフレンズになった時、“幽体”も保持していたから“霊体”でありながら時間的空間的制約があった。逆に言えばそのためにさくらさんはずっといずみと一緒にいられたんだけどね」
「? あれ? だったら私が気づいてなかったのはどうして?」
「いずみの心がショックのあまり、さくらさんの気配をシャットアウトしてたんだと思う」
「シャットアウト? 私が? そんなことするワケないじゃん!」
「ま、今はそのことは置いといて、高次元のエネルギーだ」
「う~」
「高次元からエネルギーを得るためには、引き寄せるために媒体が必要になるんだ。さくらさんは高次元と3次元を何度も往復して、エネルギーをいずみに与え続けた…らしい」
<ガタンっ!>
いずみがずっこけた。
「な、何よ最後の“…らしい”ってぇ!」
「YOUはいずみのために膨大な血液を輸血し続けてたんですよ。そのためずっと意識不明の状態だったのです。感謝こそすれYOUに対してその態度はひどすぎますっ!」
ルイーナが涙目で抗議した。
「まあまあ、ルイーナ抑えて抑えて」
湧は困惑顔でルイーナを宥めた。
「… ご、ごめん。みんな。確かに私ってひどいね」
シュンといずみは俯いた。
部屋が静寂に包まれた。
「ま、まあ済んだことはこのくらいにして、特訓に戻ろう」
湧が取りなすように自らも粘土を変形させて、宙を舞わせた。
「とにかく、いずみ。あなたがキーマンなのですから自覚して、しっかりマスターしてください」
ルイーナはそう言って、大介の陰に隠れるようにいずみから離れて行った。
気まずい空気の中、5人は再び特訓に戻った。
<続く>
“特訓なんてバチコイッ!”などと軽く見ていたいずみも、徐々に疲労が見え始めてきた。
体力強化は普段から修行しているので、問題がない事が判明したために割愛。
しかし…、
「もっと強くイメージしてくださいっ!」
ルイーナの檄が飛び、いずみは頭の中がグルグル回転して目を回し始めていた。
「な、なんで…、これが特訓なのよっ!」
いずみとって、特訓と言えば肉体的な強化練習と決まっていた。
だから頭の中で様々な処理を行わなくてはならない、イメージトレーニングは苦手だった。
未だに粘土での造形を思い通りにこなせないために、いずみ一人だけ既に5時間も粘土を睨み続けていたのだ。
「時、光、重力を扱うには、明確なイメージと強力な思念が必要なのです」
「だからってぇ~、こんなに難しい事簡単にできないよぉ!」
いずみらしからぬ泣き言を言うのは、飽きている証拠だ。
だが、ここでやめてしまうと強力なイメージ力を養う事は不可能だろう。
「さっきいずみは初心者ではありえないほど難しい“うに”を作れたんですよ? コツさえ掴めばできるようになりますから…」
だからルイーナは敢えて厳しく接していた。
「ハウ~」
いずみが手こずっている間に、初美はルイーナの課題をほぼ完了していた。
「さっすが委員長! なんでもソツなくこなせるねぇ」
いずみが本当に感心した様子で称賛する。
「そんなことないよ。これだってお兄ちゃんが力を貸してくれたから出来るようになったんだし」
「お兄ちゃん?」
「あ” !」
途端にいずみは下世話な笑みを浮かべ、初美に耳打ちする。
「お兄ちゃんってぇ?」
「あ、あ、ちが…、さ、坂戸先輩です。坂戸先輩っ!」
慌てて言い直すが、かえって墓穴を掘ってしまう。
「初美って坂戸さんのことが好きなんだ…」
「だからっ! 違うって言ってるでしょっ!」
「…言ってないよ? まだ一度も…」
いずみがニコニコと笑いながら突っ込む。
「うう…、ち、小さい頃から一緒にいたから…、いずみだって曳舟先輩と幼馴染じゃない」
初美は小さな抵抗を試みる。
「でも“お兄ちゃん”って呼んでたのは、幼稚園ぐらいまでだよ? そのあとはもっぱら“大ちゃん”…かな?」
「似たようなものじゃないっ!」
「でも大ちゃんはいとこだし、兄というのとは違うかな? いつも大ちゃんとさくらと私の3人だったから…」
「え? いとこ? 曳舟先輩っていずみの親戚だったの?」
「うん。そだよ。と言っても、お務めできるメンバーは皆親戚筋なんだけどね」
「あ、そうか。私もいずみとはかなり離れてるけど血縁だったもんね」
今でこそ、その根拠がアルファブラッドだと判明したが、それまでは赤の他人だと思ってた人が多かった。
「委員長はあの伝説の武闘家“大山氏”の親戚筋でもあるんだよね?」
「よく知ってるわね。でも韓国から日本に帰化した先生本人とは血のつながりはないのよね」
「あ、そうなんだ。じゃあ日本で住み込んでいた大山家の方?」
「うん」
「そういえば大山先生って、築地川高校の隣にある是碓総合病院で亡くなったんだよね?」
「らしいわね。その時はあの辺りがすごい騒ぎになったらしいわよ」
「あの~いずみ? おしゃべりはそのくらいにしてもらえませんかぁ~」
全てひらがなで一語一語はっきりと発音するルイーナ。
「ピャ! ご、ごめんごめん」
「委員長はコツを掴み始めているので、邪魔しないであげてね。委員長、もう少し続けたら次の課題を始めますね」
「はい。ルイーナ手間取らせてごめんね」
「全然。いずみと比べたら殆ど手間なんてかかってないです」
「ひっど~~~~いっ!」
ぶーたれるものの、確かにまだ結果を出せてないいずみは返す言葉がなかった。
「でもさぁ~、6次元の人たちはこれを簡単にこなせてるの?」
「え? ? ? あ! いずみっ、大きな勘違いしてますよ!」
ルイーナは慌てて叫んでしまった。
「6次元の人の殆どは、肉体を持たないいわゆる思念体なのです」
「へ? 思念体? って、え~と、…ぁ、フレンズみたいな存在?」
いずみがドヤ顏で返答した。
「近いですけど…、それ逆です」
「逆?」
「フレンズは肉体からいわゆる“霊体”と“幽体”が分離した状態ですが、“幽体”がある間は時間的空間的な制約を受けます。それは“幽体”が分離した肉体の記憶を保持しているからです」
「う~、ルイーナよく分からない…、さくらみたいな状態じゃないの?」
「さくらさんはフレンズになった後、幽体が消滅したために、今では6次元の住民と同じような“霊体(思念体)”に昇華しました」
「え? さくらの幽体が消滅した? いつ?」
「普通は亡くなると、肉体が火葬された後に徐々に幽体が消えてゆくのですが、さくらさんの場合は身体がクリーチャーに消滅させられる直前に、いずみのフレンズになったと聞きました。そのため霊体との繋がりが強固だったようです。私や有紀さんと出会ってから時空を超越するために幽体を分離、消滅させたのです」
「そんな話聞いてないよぉ」
いずみは泣き出しそうな表情でルイーナに詰め寄る。
「いずみが小菅に殺された後のことです。コクーンの中で身体を新生させる力が足りなかったために、さくらさんがいずみを救うために高次元からのエネルギーを得ようとして…」
「そんな…、さくら何も言わなかったよ」
「そりゃそうですよ。さくらさんはいずみを助けられなかったって悲観して、何とか救う方法がないのかと…。私が高次元のエネルギーを得られれば、何とか救えるかもしれないって言ったら、何でもするというから方法を教えました」
「ルイーナっ! ひどいじゃない。だって、フレンズってエネルギー体なんでしょ? エネルギーが切れたら…さくら消滅しちゃうんじゃないのっ?」
いずみは本気で怒り、ルイーナに掴みかかった。
「え? ち、ちょっと、ちょっと。いずみっ! 私の話を聞いてなかったんですか?」
ルイーナも険しい顔でいずみを掴み返した。
本気で睨み合い、殴り合いに発展しそうな険悪な状態だ。
<ひょい>
そんな擬音が空間に浮かび上がりそうな見事な軽々しさで、いずみは湧につまみ上げられた。
「いずみ、落ち着けよ。俺もその場にいたからよく分かるんだけど…」
「一番いずみに近いところにいましたもんね」
ルイーナが意味深な表情で湧に耳打ちするような仕草で呟いた。
「まあまあルイーナ、ムカつくのは分かるけど、俺に説明させてくれ」
「何よ二人して…」
いずみは唇を尖らせて、そっぽを向く。
「さっきルイーナが話してたように、6次元の住人は空間や時間の移動で制約の多い肉体はあまり保有しないんだそうだ。それは完全な思念体(=霊体)であれば、イメージするだけでどこにでも行かれるからだそうだ」
「あ、そか」
「何か目的があって、物質的な身体が必要になったら用意するんだけど、身体を用意するまではかなりのエネルギーと手間がかかるそうだよ」
「へえ」
「さくらさんはいずみのフレンズになった時、“幽体”も保持していたから“霊体”でありながら時間的空間的制約があった。逆に言えばそのためにさくらさんはずっといずみと一緒にいられたんだけどね」
「? あれ? だったら私が気づいてなかったのはどうして?」
「いずみの心がショックのあまり、さくらさんの気配をシャットアウトしてたんだと思う」
「シャットアウト? 私が? そんなことするワケないじゃん!」
「ま、今はそのことは置いといて、高次元のエネルギーだ」
「う~」
「高次元からエネルギーを得るためには、引き寄せるために媒体が必要になるんだ。さくらさんは高次元と3次元を何度も往復して、エネルギーをいずみに与え続けた…らしい」
<ガタンっ!>
いずみがずっこけた。
「な、何よ最後の“…らしい”ってぇ!」
「YOUはいずみのために膨大な血液を輸血し続けてたんですよ。そのためずっと意識不明の状態だったのです。感謝こそすれYOUに対してその態度はひどすぎますっ!」
ルイーナが涙目で抗議した。
「まあまあ、ルイーナ抑えて抑えて」
湧は困惑顔でルイーナを宥めた。
「… ご、ごめん。みんな。確かに私ってひどいね」
シュンといずみは俯いた。
部屋が静寂に包まれた。
「ま、まあ済んだことはこのくらいにして、特訓に戻ろう」
湧が取りなすように自らも粘土を変形させて、宙を舞わせた。
「とにかく、いずみ。あなたがキーマンなのですから自覚して、しっかりマスターしてください」
ルイーナはそう言って、大介の陰に隠れるようにいずみから離れて行った。
気まずい空気の中、5人は再び特訓に戻った。
<続く>
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