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第二章
Re:観測者ロボットくんと預言者ユキちゃん
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4月11日 火曜日
昨日の林木さんの1件もあり、ぐっすり眠れた朝。
僕は歩いて高校へと向かっていた。
家から電車20分、徒歩15分のところに通っている高校がある。普通の進学校だ。
今日から高校2年生の始まりか。
去年、一応僕も新入生だったわけだが、高校生というブランドに浮かれている連中には呆れていた。
「高校生になって俺、イメチェンしたんだ!カッコイイでしょ?」
「えー、〇〇君どこが変わったのー?」
「教えてあげるから、連絡先教えてよ?」
と会話をしている男女がいれば、
新手の詐欺か?
と心の中で呟いた。
「あの女子可愛くないか? 俺、告白しようかな」
「お前、その顔で告白とかありえないだろ! 俺が行ってくる!」
と豪語している男子たちに対し、
人のこと言える立場か?
と心に思った覚えがある。
僕は高校生活に期待などしていない。
友達は最小限でいい。
高校の時の交友関係は、大人になれば殆ど無くなると聞く。
それなら、数名の濃い関係の友達がいればいい。
要は、量より質を大事にしろということだ。
別に、友達が増えて欲しい何て思ってない。
友達が出来ない言い訳では無い。
などと考えているうちに、もう高校の校門に着いてしまった。
やはり、去年の1年間と代わり映えしない。
また同じような1年になるのか。
あっという間に高校を卒業して、大学生になるんだろうな。
そして、高校生の思い出を話す場でなにもない僕が目に浮かぶ。
何だろうこの胸の感覚は?
これでは、僕も人に何か言える立場じゃないな。
「あいつ、ぶつぶつうるさくなーい?」
「マジじゃん! 念仏唱えてるんじゃね?」
離れた場所から声がする。
まー、僕に対してではないと思うが、念のため確認しようと顔を上げた。
「やばっ、こっち見た!」
「って、雰囲気マジ浄土真宗じゃん」
「早くいこっ!」
しっかりと目をそらされ、逃げられた。
この見た目のせいか、毎度のことながら他人からの評価はいまいちだ。
外見だけで人を判断する人間はロクな人がいない。
と昔は傲慢に考えていたが、最近では考えが変わった。
やはり、第一印象は少なからず大事何だと思う。
だが、見た目、イメージチェンジはなかなかハードルが高い。
とりあえず、この長い髪を切れば印象変わるのか?
いや、しかし、絶対似合わない気がする。
僕は頭の中でぐるぐる回っている行き場のない答えを探していた。
すると、後ろから聞こえてくる声。それより、一瞬で僕の思考が吹き飛んだ。
「ロボット先輩! ちょっと待ってくださーい!」
えっ?
この可愛らしい声は。
自然と足が止まり、その場に静止した。振り向くと、林木さんが僕に向かって走ってきていた。
そういえば昨日、「また明日」と言っていた気がする。
しかし、「林木さん」といきなり言ったら馴れ馴れし過ぎないか?
林木さんは僕の正面で立ち止まり、息を切らせている。
いや、挨拶くらいはしよう。
「お、おはようございます」
「あっ、おはようございます!」
僕はぎこちなく挨拶を返した。
上手くコミュニケーションを取れているだろうか?
って、そうではない。
なぜ林木さんは、僕みたいな眼鏡で根暗に話しかけてくるのか。
昨日の入学式のことについて、聞かなくては。
早々に話せる機会が来るとは思ってなかったから心の準備が出来ていない。
そのせいで、心臓が激しく鼓動している。
「あっ、あの」
「ロボット先輩、今日は牛乳と、あと、カラスに気をつけてください。あっ後、サッカーボールにもです」
あっ、話を遮られた。
ん?
牛乳とカラス?
後、サッカーボール??
なぜ、その3つなのだ。
って、あれ。
林木さんはお辞儀をしたと思ったら、校舎に一直線で走っていった。
いったい何だったんだろう?
よくわからないが、今年は去年と違うような気がする。
ホームルームが終わり、放課後の2年4組の教室。
今日は授業もなく、オリエンテーションだけで学校が終わった。
早く家に帰れる。そうなると、帰ってたまったアニメでも消化するか。
何て都合の良いことはなかった。
「おいおい、ロボットが “帰ってたまったアニメを消化しよう” って顔してますぜー、晴馬さんよー」
「全くだよタク。今日は久しぶりの部活がオフの日なのに、遊ばない何てありえないよな」
「晴馬にそこまで言わせちゃー仕方ねー。今日はロボットの家でゲームのオールコースだっ!」
僕はクラス替えで窓際の席を確保していた。
その席の前には、やはりというべきか腐れ縁の2人がいた。
1人は青丘晴馬だ。
そして、もう1人――梅谷拓朗だ。
顔はイケメンの部類なのだが、それを相殺するくらいの変人である。
「何でわかるんだよタク。僕がアニメ見ようとしたことを」
「そりゃーわかるっしょ! 保育所か一緒何だぜ!」
「ちなみに俺もわかってたぞ、ロボット」
2人にはお見通しか。
まー、顔さえ見れば僕も2人の考えていることはある程度予測できるが。
この関係は小中高とずっと代わり映えしないが、満足はしている。
晴馬が優しいのはもちろんだが、タクは変人とはいえ、根はいい奴だ。
だから、気兼ねなく話すことができる。
「タクが言いだしたら断っても、勝手に家に入ってくるだろうしな。僕の家でゲームをやるのはいいが、オールはしないぞ」
「さっすがロボット! 最高だぜっ!」
「後、姉貴が家にいるからうるさくして怒らせないでくれよ」
「わかってるって!」
タク、お前のそれはわかってないやつだぞ。
まー、それは後で忠告するとしよう。
そうとなれば帰るか。
今は、高校から最寄り駅に向かっている。
僕を含め3人で何気なく会話をしていた。
「そーいえば、渉って今年、小6だっけ?」
「そうだよ」
渉というのは僕の弟の名前だ。
「ロボット、今日何だが」
「秋恵ちゃんも連れてきたいんだろ晴馬? 問題ないよ」
「さすがロボット!」
秋恵ちゃんは、渉と同学年の晴馬の妹だ。例にもれず、渉と同じ小学校に通っている。
晴馬とタクは、僕の家から徒歩5分圏内ということもあって、家族ぐるみで仲が良い。そのため、お互いの兄妹の関係は把握している。
そうこう話していると、なぜだか今朝のことを思い出した。
そういえば、林木さんから「何かに気をつけろ」っていわれたな。
何だっけ?
まー、特に問題ないだろう。
「タク、さっきから何を回してるんだ?」
「あー、バナナ牛乳ー」
気付くと前方で2人が話していた。僕は置いて行かれたみたいだ。
僕はタクの一挙手一投足に、「何してんだ?」と質問することも殆どない。いつものことだからな。
よくわからないが、タクはビニール袋を全力で回している。
「そんなにやったらビニール袋破けるぞ」
「大丈夫っしょ! あっ!」
いわずもがな。
忠告通りビニール袋は、持ち手のところが綺麗にちぎれた。
まー、そうなるのは予想できたが。
って、あれっ?
なぜか、ビニール袋が勢いよく僕目がけて近づいてないか?
そういえば、タクはいったい何を回しているといった?
バシャッ
淡いレモン色だ。僕の視界が一瞬にして奪われた。
この匂い‥‥‥バナナか!
「って、おい! 顔がバナナジュースで濡れたじゃないか!」
「悪い悪い!ちなみにそれ、バナナジュースじゃなくてバナナ牛乳なっ!」
「どちらでも変わらない! 悪いと思うなら飲み物で遊ぶな」
「悪いってー、後でロボットが好きなハーゲンダッシュのアイス持ってくから許してっ!」
「なら許す!」
怒りの感情はあるが、タクと過ごした数十年を考えれば些細な出来事に過ぎない。
まー、本人が学習しないことと、罪悪感が見られないのは腹立たしいが。
僕の顔はバナナ牛乳が顔面にかかったが、目は眼鏡で守られたのが幸い。
眼鏡を外し、ポケットに入っているハンカチで吹く。
あれっ、バナナ牛乳って。
脳裏にちらつく何か。
僕はひとまず、前に進もうとした。
「危ない、ロボット!」
晴馬の焦った声が聞こえた。
何だ?
ひとまず、浮いた足を地面につけようと、
‥‥‥えっ、この感触は何だ?
足裏には地面よりも前に何かが割りこみをしてきた。野球の軟式ボールのような感触だ。
あっ、これはもう、どうにもできない。
ドッシッ
「いたっ!」
僕は足を滑らせ、盛大に地面に尻もちをついてしまった。
コンクリートだから、かなり痛たい。
バナナ牛乳といい、野球ボールといい何だ?
高校始まって早々、不運ばかりじゃ――
ベッチョッ
「「あっ」」
晴馬とタクの何とも間の抜けた声がした。
ん?
頭に少し痛みがあったぞ。
頭上から何か落ちてきたのだろうか?
「ロボット、ハトの糞が頭に落ちたぞ」
「えっ?」
ハトの糞‥‥‥あっ!?
記憶が蘇った。
晴馬の言葉を聞いて思い出した。
林木さんに言われた内容。
――牛乳とカラスとサッカーボールに気をつけろ
そういうことかと納得してしまった。
全てニアピンだが、的を得ているモノばかりだ。
ということは、林木さんは僕の未来を予知したのか?
やはり、林木さんは超能力者だったのか?
いや待て・・・・・・
「タク、ロボットの奴またいつもの妄想タイムしてるよ」
「ロボットも相変わらずだなー」
僕は黙々と林木さんについて考えにふけた。
この後、僕はお風呂に入りながら、
『林木さんは、数年後から来た未来人』
ということで結論を出した。
昨日の林木さんの1件もあり、ぐっすり眠れた朝。
僕は歩いて高校へと向かっていた。
家から電車20分、徒歩15分のところに通っている高校がある。普通の進学校だ。
今日から高校2年生の始まりか。
去年、一応僕も新入生だったわけだが、高校生というブランドに浮かれている連中には呆れていた。
「高校生になって俺、イメチェンしたんだ!カッコイイでしょ?」
「えー、〇〇君どこが変わったのー?」
「教えてあげるから、連絡先教えてよ?」
と会話をしている男女がいれば、
新手の詐欺か?
と心の中で呟いた。
「あの女子可愛くないか? 俺、告白しようかな」
「お前、その顔で告白とかありえないだろ! 俺が行ってくる!」
と豪語している男子たちに対し、
人のこと言える立場か?
と心に思った覚えがある。
僕は高校生活に期待などしていない。
友達は最小限でいい。
高校の時の交友関係は、大人になれば殆ど無くなると聞く。
それなら、数名の濃い関係の友達がいればいい。
要は、量より質を大事にしろということだ。
別に、友達が増えて欲しい何て思ってない。
友達が出来ない言い訳では無い。
などと考えているうちに、もう高校の校門に着いてしまった。
やはり、去年の1年間と代わり映えしない。
また同じような1年になるのか。
あっという間に高校を卒業して、大学生になるんだろうな。
そして、高校生の思い出を話す場でなにもない僕が目に浮かぶ。
何だろうこの胸の感覚は?
これでは、僕も人に何か言える立場じゃないな。
「あいつ、ぶつぶつうるさくなーい?」
「マジじゃん! 念仏唱えてるんじゃね?」
離れた場所から声がする。
まー、僕に対してではないと思うが、念のため確認しようと顔を上げた。
「やばっ、こっち見た!」
「って、雰囲気マジ浄土真宗じゃん」
「早くいこっ!」
しっかりと目をそらされ、逃げられた。
この見た目のせいか、毎度のことながら他人からの評価はいまいちだ。
外見だけで人を判断する人間はロクな人がいない。
と昔は傲慢に考えていたが、最近では考えが変わった。
やはり、第一印象は少なからず大事何だと思う。
だが、見た目、イメージチェンジはなかなかハードルが高い。
とりあえず、この長い髪を切れば印象変わるのか?
いや、しかし、絶対似合わない気がする。
僕は頭の中でぐるぐる回っている行き場のない答えを探していた。
すると、後ろから聞こえてくる声。それより、一瞬で僕の思考が吹き飛んだ。
「ロボット先輩! ちょっと待ってくださーい!」
えっ?
この可愛らしい声は。
自然と足が止まり、その場に静止した。振り向くと、林木さんが僕に向かって走ってきていた。
そういえば昨日、「また明日」と言っていた気がする。
しかし、「林木さん」といきなり言ったら馴れ馴れし過ぎないか?
林木さんは僕の正面で立ち止まり、息を切らせている。
いや、挨拶くらいはしよう。
「お、おはようございます」
「あっ、おはようございます!」
僕はぎこちなく挨拶を返した。
上手くコミュニケーションを取れているだろうか?
って、そうではない。
なぜ林木さんは、僕みたいな眼鏡で根暗に話しかけてくるのか。
昨日の入学式のことについて、聞かなくては。
早々に話せる機会が来るとは思ってなかったから心の準備が出来ていない。
そのせいで、心臓が激しく鼓動している。
「あっ、あの」
「ロボット先輩、今日は牛乳と、あと、カラスに気をつけてください。あっ後、サッカーボールにもです」
あっ、話を遮られた。
ん?
牛乳とカラス?
後、サッカーボール??
なぜ、その3つなのだ。
って、あれ。
林木さんはお辞儀をしたと思ったら、校舎に一直線で走っていった。
いったい何だったんだろう?
よくわからないが、今年は去年と違うような気がする。
ホームルームが終わり、放課後の2年4組の教室。
今日は授業もなく、オリエンテーションだけで学校が終わった。
早く家に帰れる。そうなると、帰ってたまったアニメでも消化するか。
何て都合の良いことはなかった。
「おいおい、ロボットが “帰ってたまったアニメを消化しよう” って顔してますぜー、晴馬さんよー」
「全くだよタク。今日は久しぶりの部活がオフの日なのに、遊ばない何てありえないよな」
「晴馬にそこまで言わせちゃー仕方ねー。今日はロボットの家でゲームのオールコースだっ!」
僕はクラス替えで窓際の席を確保していた。
その席の前には、やはりというべきか腐れ縁の2人がいた。
1人は青丘晴馬だ。
そして、もう1人――梅谷拓朗だ。
顔はイケメンの部類なのだが、それを相殺するくらいの変人である。
「何でわかるんだよタク。僕がアニメ見ようとしたことを」
「そりゃーわかるっしょ! 保育所か一緒何だぜ!」
「ちなみに俺もわかってたぞ、ロボット」
2人にはお見通しか。
まー、顔さえ見れば僕も2人の考えていることはある程度予測できるが。
この関係は小中高とずっと代わり映えしないが、満足はしている。
晴馬が優しいのはもちろんだが、タクは変人とはいえ、根はいい奴だ。
だから、気兼ねなく話すことができる。
「タクが言いだしたら断っても、勝手に家に入ってくるだろうしな。僕の家でゲームをやるのはいいが、オールはしないぞ」
「さっすがロボット! 最高だぜっ!」
「後、姉貴が家にいるからうるさくして怒らせないでくれよ」
「わかってるって!」
タク、お前のそれはわかってないやつだぞ。
まー、それは後で忠告するとしよう。
そうとなれば帰るか。
今は、高校から最寄り駅に向かっている。
僕を含め3人で何気なく会話をしていた。
「そーいえば、渉って今年、小6だっけ?」
「そうだよ」
渉というのは僕の弟の名前だ。
「ロボット、今日何だが」
「秋恵ちゃんも連れてきたいんだろ晴馬? 問題ないよ」
「さすがロボット!」
秋恵ちゃんは、渉と同学年の晴馬の妹だ。例にもれず、渉と同じ小学校に通っている。
晴馬とタクは、僕の家から徒歩5分圏内ということもあって、家族ぐるみで仲が良い。そのため、お互いの兄妹の関係は把握している。
そうこう話していると、なぜだか今朝のことを思い出した。
そういえば、林木さんから「何かに気をつけろ」っていわれたな。
何だっけ?
まー、特に問題ないだろう。
「タク、さっきから何を回してるんだ?」
「あー、バナナ牛乳ー」
気付くと前方で2人が話していた。僕は置いて行かれたみたいだ。
僕はタクの一挙手一投足に、「何してんだ?」と質問することも殆どない。いつものことだからな。
よくわからないが、タクはビニール袋を全力で回している。
「そんなにやったらビニール袋破けるぞ」
「大丈夫っしょ! あっ!」
いわずもがな。
忠告通りビニール袋は、持ち手のところが綺麗にちぎれた。
まー、そうなるのは予想できたが。
って、あれっ?
なぜか、ビニール袋が勢いよく僕目がけて近づいてないか?
そういえば、タクはいったい何を回しているといった?
バシャッ
淡いレモン色だ。僕の視界が一瞬にして奪われた。
この匂い‥‥‥バナナか!
「って、おい! 顔がバナナジュースで濡れたじゃないか!」
「悪い悪い!ちなみにそれ、バナナジュースじゃなくてバナナ牛乳なっ!」
「どちらでも変わらない! 悪いと思うなら飲み物で遊ぶな」
「悪いってー、後でロボットが好きなハーゲンダッシュのアイス持ってくから許してっ!」
「なら許す!」
怒りの感情はあるが、タクと過ごした数十年を考えれば些細な出来事に過ぎない。
まー、本人が学習しないことと、罪悪感が見られないのは腹立たしいが。
僕の顔はバナナ牛乳が顔面にかかったが、目は眼鏡で守られたのが幸い。
眼鏡を外し、ポケットに入っているハンカチで吹く。
あれっ、バナナ牛乳って。
脳裏にちらつく何か。
僕はひとまず、前に進もうとした。
「危ない、ロボット!」
晴馬の焦った声が聞こえた。
何だ?
ひとまず、浮いた足を地面につけようと、
‥‥‥えっ、この感触は何だ?
足裏には地面よりも前に何かが割りこみをしてきた。野球の軟式ボールのような感触だ。
あっ、これはもう、どうにもできない。
ドッシッ
「いたっ!」
僕は足を滑らせ、盛大に地面に尻もちをついてしまった。
コンクリートだから、かなり痛たい。
バナナ牛乳といい、野球ボールといい何だ?
高校始まって早々、不運ばかりじゃ――
ベッチョッ
「「あっ」」
晴馬とタクの何とも間の抜けた声がした。
ん?
頭に少し痛みがあったぞ。
頭上から何か落ちてきたのだろうか?
「ロボット、ハトの糞が頭に落ちたぞ」
「えっ?」
ハトの糞‥‥‥あっ!?
記憶が蘇った。
晴馬の言葉を聞いて思い出した。
林木さんに言われた内容。
――牛乳とカラスとサッカーボールに気をつけろ
そういうことかと納得してしまった。
全てニアピンだが、的を得ているモノばかりだ。
ということは、林木さんは僕の未来を予知したのか?
やはり、林木さんは超能力者だったのか?
いや待て・・・・・・
「タク、ロボットの奴またいつもの妄想タイムしてるよ」
「ロボットも相変わらずだなー」
僕は黙々と林木さんについて考えにふけた。
この後、僕はお風呂に入りながら、
『林木さんは、数年後から来た未来人』
ということで結論を出した。
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