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第七十二章『EEEその十』

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   ユニーバのレッスン室でEEEのメンバーと裕子と希美が来ていた。
彰「今日は新曲の会議だって」
咲羅「ふーん」
奏太「それで歌詞は出来たのかって……」
礼朗「二人ともどうしたんだよ」
大補「目が赤いぞ」
希美「こうゆ!   イハ!   大丈夫なの!?」
   裕子と康平の目が赤くなっていた。
裕子「大丈夫」
康平「大したことはねぇから」
奏太「絶対何かあったな」
礼朗「そうだね」
彰「せっかくだから新曲の会議まで時間があるし俺の昔話をしまーす」
礼朗「またかよ……」
   彰の昔話を礼朗は呆れてるようだ。
裕子「でも知りたい」
希美「私もなの~」
彰「ねぇ?   ねぇ?   礼朗いいでしょう?」
咲羅「やりとりがウザッ」
   礼朗は彰に付きまとわれるが。
礼朗「分かった、特別だぞ」
彰「やった!   ありがとう!」
   ここから彰の昔話を始まった。
彰「俺ね、なんの普通の家庭で育てました、三人兄弟の長男でした」
裕子「一番のお兄さん?」
彰「そうそう、お父さんがさあ、勝手にユニーバのオーディションに応募したんだよ」
希美「結局行ったの?」
彰「行ったよ、ユニーバのオーディションに行って一発で合格したよ」
希美「すごいの~ラッキーボーイなの~」
彰「たまたま、ソロでやっても売れなかったからさ」
裕子「ソロ?」
彰「EEEとしてやっているわけさ」
   彰がウインクしながらおちゃらけた。
彰「時間が余ったから礼朗もなんか話してよ」
礼朗「嫌だよ」
   礼朗は昔話をしたくないらしい。
彰「なんでだよ、昔話をしてないのは俺以外全員だよ!」
咲羅「私は嫌よ」
大補「俺も」
奏太「俺も」
康平「俺も」
彰「なんでだよおおおおお!」
   彰はそれでもみんなの昔話を知りたいらしい。
裕子「せっかくだから山の手線ゲームをやりませんか?   テーマは色で」
希美「こうゆナイスアイディアなの~」
彰「よし!   負けないぞ!」
咲羅「私は勝負で負けたことがないわ」
康平「マジでやるのかよ」
奏太「いいだろう、乗った!」
大補「時間あるしね」
礼朗「やろうか」
   EEEのメンバーと色彩学園の山の手線ゲームが始まった。
裕子「山の手線ゲーム!」
    イェーイ!
裕子「テーマは色をやりましょう!」
   ちょっと違うがいいか、パンパン
裕子「黄丹」
彰「ストップ!   ストップ!   黄丹色ってあるの!?」
裕子「昔にあった色だよ~」
奏太「……」
   奏太は酷い目にあったかのように引いている。
彰「じゃあ、OK!」
   パンパン
希美「白」
   パンパン
彰「黄色」
   パンパン
咲羅「赤」
   パンパン
康平「オレンジ」
   パンパン
奏太「青」
   パンパン
大補「黒」
   パンパン
礼朗「緑」
   山の手線ゲーム二週目、パンパン
裕子「鶯色」
彰「ストップ!   ストップ!   鶯色ってあるの?」
裕子「あるよ~」
咲羅「鶯色の財布があるわよ」
彰「じゃあOK!」
奏太「それでいいんかい」
   パンパン
希美「水色」
   パンパン
彰「山吹色」
   パンパン
咲羅「菫色」
   パンパン
康平「黄緑」
   パンパン
奏太「紺色」
   パンパン
大補「灰色」
   パンパン
礼朗「朱が」
   礼朗が舌を噛んでしまい、罰ゲームを受けることになった。
彰「はい、罰ゲームとして昔話をしてください」
礼朗「分かったよ」
   礼朗は嫌そうに昔話をしてくれた。
礼朗「俺は昔、母子家庭で育ったんだ」
裕子「そうなんですか?」
礼朗「お金には困らなかった、俺の母は世界一のガーデニングだったからすごかった、しかし、一人っ子だった俺は寂しかった」
希美「そうなの~?」
礼朗「だから、俺の母に相談してユニーバのオーディションを合格したんだ」
裕子「それでお花は好きなんですか?」
礼朗「花は好きだよ、ガーデニングを目指してたけど俺にはお金がなかったかし、寂しがり屋だから無理だと確信した、そして今に至る」
裕子「そうなんだ」
希美「寂しがり屋は大変なの~」
   以上、礼朗の話は終わった。
彰「お花が好きなんだ」
咲羅「意外といいじゃない」
康平「俺も花は好きだぜ」
奏太「悪くないじゃない?」
大補「個性って大切なんだぜ」
礼朗「ありがとう」
   EEEのメンバーに褒められるのが嬉しかったのか礼朗の顔が赤く染まった。
裕子「もうすぐ時間ですね」
希美「ワクワクするの~」
彰「どんな曲になるのかな?」
咲羅「さぁ?」
奏太「俺たちの時代は始まったばかりだ」
康平「さて、やってみせるか」
大補「待ってろよ?」
礼朗「必ず笑顔にしてみせる」
   EEEのメンバーと裕子と希美は新曲でみんなを救う為に誓ったのだった。
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