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1巻

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 1、プロローグ


「だから謝ってるじゃない。ほんと往生際おうじょうぎわの悪い男ね、そんなことだから無職むしょくなのよ!」

 目の前で偉そうに足を組んで座っている少女は、俺を冷たい目で見つめながらそう言った。
 見た目は十六歳ぐらいで、白いドレスに身を包んでいる。

「くっ! それが謝ってる奴の態度かよ!?」

 白く広大な空間には今、俺とこの少女しかいない。
 美しいブロンドヘアの少女。
 俺がこんなところにいるのは、全てこいつのせいだ。
 それなのに、あろうことかその美少女は、面倒くさそうに舌打ちをした。

「で、私にどうしろっていうの?」

 完全に開き直ったその態度。これが女神めがみだというのだから世も末である。
 俺は佐倉川一哉さくらがわかずや、二十八歳。
 三か月前までは、とある企業でサラリーマンをしていたのだが、会社が倒産し職を失った。
 それからは失業保険を貰いながら新しい職を探すものの、中々これといったものが見つからない。
 流石さすがにアラサーにもなって、いつまでも無職というわけにもいかず、俺は毎日頑張って再就職先を探した。
 そして、ようやくこれだと思える会社の最終面接も終わり、採用が決まりかけていた矢先……
 俺はあっけなく死んだ。
 つい先程の話である。面接が終わり、これでようやく無職ともお別れかと、帰りがけに居酒屋で軽く一杯やって店を出た瞬間、俺は倒れた。
 そして気が付いたらこの場所にいたのだ。そう、女神と名乗る金髪の少女がいる、この白い光に満ちた空間に。
 俺は怒りをこらえながら、なるべく冷静な態度で少女に望みを伝える。

「だから、俺を元いた世界に戻してくれよ。俺が死んだのは、そっちの手違いだったんだろ?」
「しつこいわね。それはもう無理だって言ったでしょう? こっちにだって色々ルールがあるのよ。何度も説明したじゃない。もしかして馬鹿なの?」

 一言多い女神にキレそうになる。どうやら俺は、女神の手違いで死んだらしい。
 まだ寿命じゅみょうくさる程余っている俺を、誤って昇天しょうてんさせてしまったそうだ。
 怒り心頭しんとうはっする俺を一瞥いちべつし、美少女女神はまだぶつぶつと言う。

「どうせ大した人生でもなかったんでしょう? いい歳して無職だったんだから」
「ぐっ!!」

 言わせておけば……この女。
 もう少しで再就職先が決まりそうだったのに、お前のせいで死んだんだろうが。
 第一、間違いで殺されたんじゃあ、たまったものではない。
 女神は面倒くさそうに俺に言う。

「そのわり、違う世界で生きられるようにしてあげるって言ったでしょう? 丁度ちょうど一年前、別の神がミスをして死なせちゃった人間がいる世界があるのよ。向こうの世界にもイレギュラーな席が一ついてるってわけ。グッドタイミングね」

 何がグッドタイミングだ、他人ひとの人生だと思いやがって!
 アニメや漫画の中での話ならまだしも、この歳で見たこともない世界に放り込まれるなんて御免ごめんだ。
 声には出さなかったが、俺の考えていることは女神に筒抜つつぬけのようで、勝手に答えてくれる。

「だから、力を二つあげるって言ってるじゃない。あんたがこれから行く世界の、全ての言葉を理解出来る能力。そして、あらゆるものを鑑定かんてい出来る眼。これなら向こうに行っても言葉が通じるし、何か分からないことがあっても、鑑定すれば困らないでしょう?」
「そりゃあ、平和な世界に行くならそうだけど。そうじゃないだろ?」

 この女神の話では、俺がこれから行く世界は、今までの世界とは全く違う。
 剣や魔法はもちろんだが、魔物や魔王までいるという、アニメ顔負けの世界である。

「何よ、喜びなさいよ。あんたが好きなゲームと同じ、剣や魔法の世界なのよ? 実際に行けるなんて良かったじゃない。エルフやケモ耳だっているんだから」
「エルフにケモ耳……だと?」

 俺がどんな趣味嗜好しゅみしこうを持っているかまで、完全にお見通しだ。
 確かにエルフやケモ耳美女は男のロマンではある。
 ……いやいや、冷静になれ。
 俺はゲームの主人公じゃない、そんなものにホイホイと乗せられて異世界とやらにいったところで、生き抜く自信がない。無職のまま野垂のたにしそうだ。そのあたりを必死に女神に説明する。

「それはゲームだから好きなんであって、実際に魔物や魔王までいる世界にいきなり飛ばされるのを、喜ぶ奴がいるかよ! だったらせめて、もっと役に立つ能力をくれよ。強い魔物も一撃で倒せるようなチート能力とかさ」

 これがアニメかラノベなら、それぐらいのチート能力を貰えるはずだ。
 魔法どころか剣すら使ったこともないのに、いきなりそんな物騒ぶっそうな世界に飛ばされる身にもなってほしい。
 平凡なサラリーマン……いや今は無職だが……とにかくそんな俺がモンスターになんか出会ったら、どう考えても勝ち目はない。
 はい喜んでと受け入れて、異世界の化け物に生きたままマルカジリされるとか、絶対に嫌だ。

「調子に乗らないで! 神界しんかいの規約でもこういう時は【全言語理解ぜんげんごりかい】と【鑑定眼かんていがん】を与えてさっさと追い払う……こほん、異世界で第二の人生を与えるって決まっているのよ」

 女神は『神界トラブルマニュアルQ&A ~クレーム対策とらの巻~』と書かれた分厚ぶあつい本を取り出して、ペラペラとめくりながらそう言った。
 ついに本音ほんねが出やがった。完全にクレーマー扱いである。
 この押し問答もんどうも何度目だろう。俺は脱力してめ息をついた。

「……分かったよ。もう好きにしてくれよ」

 人生、あきらめが肝心かんじんだ。
 何しろ相手はこれでも一応女神だ。これ以上口答えして、地獄じごくにでも突き落とされてはかなわない。
 それなら異世界のほうがまだましだ。
 どうせ、今までの世界にはもう戻れないらしいからな。
 くそ! こんなことなら貯金ちょきんを全部使って、遊びほうけてやればよかった。
 俺が心の中でそう愚痴ぐちっていると、女神は満足そうに笑って指を軽く振る。

「分かればいいのよ、分かれば」

 同時に、俺の体は白い光に包まれていく。

「これ以上ごちゃごちゃ言われると面倒だから、一気にいくわよ!」
「お、おい。何するつもりだよ!」

『一気にいく』ってどういうことだ?
 女神は俺を見るとニッコリと笑った。

「心配ないわよ。向こうに着くまでは一応私の加護かごがあるから、安心しなさい」
「うぉ!?」

 その瞬間!
 俺は、自分がまるでロケットにでも乗せられたかのように、勢いよく飛ばされるのを感じた。
 今までいた白い空間を突き破り、気が付くと宇宙空間を物凄い速さで飛んでいる。
 それが異世界の宇宙かどうかも、俺には分からない。
 あまりのスピードに、またたく星の光は次々と視界のすみへ消えていく。

「おい……うそだろ」

 ふと、俺は自分の体が一つの星に向かっていることに気付いた。
 このままの速度で行ったら、あっという間にあの星に激突だ。

「うぁああああ!! あのくそ女神! 覚えてやがれ!!」

 まるで弾丸だんがんのように、凄まじい勢いで地表ちひょうに突き進んでいく。
 その時、俺は早くも二度目の死を覚悟かくごしていた。


  ◇ ◇ ◇


 一哉が、女神の力で異世界に飛ばされる少し前のこと。
 彼が飛ばされることになる異世界の星、ローファルにある獣人たちの王国アルーティアは、国の存亡そんぼうの機におちいっていた。
 その原因は、王宮おうきゅうの上空を覆うように現れた、黒い影。
 空を見上げ、それが、ある生き物の漆黒しっこくつばさだと知った者は皆、絶望した。
 百メートルはゆうえるであろう巨体と、禍々まがまがしいあご。見る者を恐怖におとしいれるドラゴンだ。
 アルーティア城下のたみは、それを見上げて口々にささやいた。

「あれが邪竜じゃりゅうメルドーザ……ああ、もう終わりだ」
「いくら王国の飛竜騎士団ひりゅうきしだんでも、とてもあんなものには……」
「帝国は、あんな化け物まで操ることが出来るのか?」

 帝国というのは、バルドギア帝国と呼ばれる大陸一の強国のことである。
 うわさでは魔族と手を結び、領土りょうどを拡大しているという。
 その魔手ましゅが、いよいよこのアルーティア王国にもおよんだことを、巨大な邪竜の姿が告げていた。
 王宮の中庭では一人の少女が、その邪竜を目にして思わずよろめいていた。

「ああ、もうあかん……私ら、死ぬんや」

 赤毛で活発かっぱつそうなその少女の顔には、絶望の色が浮かんでいた。
 少女の生まれ故郷こきょうである、アルーティア王国の西に位置する町、オーサカのなまりが独特である。
 彼女の名はリンダ、この国の王女パトリシアの侍女じじょだ。メイドのような服装は、王宮の侍女の証である。
 頭に大きな猫耳が付いているのは、獣人族じゅうじんぞく特徴とくちょうだ。

「くっ! 帝国の連中め! あのような化け物で、このアルーティアを蹂躙じゅうりんするつもりか!!」

 リンダの前に立ち、空を見上げて怒りをあらわにしている別の少女。
 彼女の美しさは、際立きわだっている。
 天空から舞い降りた戦女神いくさめがみのような、りんとした美貌びぼう銀狼族ぎんろうぞくに特有の、月光げっこう色の髪と大きなおおかみ耳。
 見事な細工さいくが施された、銀色の鎧に身を包んだ女騎士。
 彼女こそ、リンダが仕える主人、第一王女パトリシアだ。
 その凛々りりしくも美しい姿から、『アルーティアのひめ騎士』と呼ばれている。
 武勇ぶゆうすぐれ、十六歳にして王国の飛竜騎士団を率いていた。

「リンダ! 私が飛竜で出る!!」
「姫様、あきませんて。いくら姫様でも、そりゃ無茶むちゃですわ!」

 リンダは思わずそう叫んだ。
 いくら飛竜に乗って戦ったとしても、勝ち目があるとは思えない。
 その時──
 上空から何者かの声が聞こえた。

「これはこれは。流石はアルーティアの姫騎士と呼ばれるお方、いさましいことですな。邪竜メルドーザに、飛竜ごときで立ち向かおうとなさるとは」

 その男の背には黒い翼が生えていた。
 まるで鳥のように空を舞い、パトリシアたちがいる王宮の中庭に下りてくる。

「き、貴様きさまは魔族!? 帝国が魔族と組んだというのはやはり本当だったのか!」

 パトリシアの言葉に、地面に下り立った男はわざとらしくうやうやしい礼をする。
 男の持つ赤い瞳と黒い翼は、高位こういの魔族の証だ。

(あかん……邪竜だけでもどうにもならへんのに、高位の魔族まで現れるなんて。帝国はいったいどれ程の力を持ってんねん。この国はほんまに終わりなんか?)

 リンダはそう思いながら、目の前の男を呆然ぼうぜんと眺めていた。
 男は機嫌良きげんよく自己紹介を始める。

「我が名は、魔将軍ましょうぐんロダード。強大な力で大陸を支配なさろうという、バルドギア帝国皇帝こうてい陛下へいかのお気持ちに、このロダード、いたく感銘かんめいを受けましてね。どうです? 大人しく降伏こうふくすれば、邪竜を引いて差し上げても良いのですよ?」

 それを聞いてパトリシアは叫んだ。

「誰が帝国などに! 帝国の非道ひどうは知っている。その上貴様らのような邪悪な魔族の力まで借りるとは! アルーティアのほこりにかけて、死んでもくっするものか!!」
服従ふくじゅうよりは死を選ぶ。ほう、姫君はそれで良くても民はあわれですなぁ」

 ロダードは右手に黒い宝玉ほうぎょくかかげる。

「皇帝陛下の魔力が込められたこの宝玉があれば、邪竜メルドーザさえ思いのまま。あのお方の魔力には、魔族のこの私でさえ舌をく。人というよりは、魔王の名が相応ふさわしい。そのお方に逆らうとは、獣人の姫もおろかなものよ」
「黙れ! ならば貴様を倒して、その宝玉をくだいてくれる!」

 ロダードは、亡国ぼうこく寸前の王女を嘲笑あざわらうかのように挑発する。

「この私相手に、そのような真似まねが出来ますかな?」

 辺りに緊張が走ったその時──!
 宮殿きゅうでんの方から、何者かの声が響いた。

「パトリシア、おやめなさい!」

 宮殿から中庭に一団が現れた。
 パトリシアとよく似た銀狼族の美女と、彼女を守るように立つ多くの騎士や侍女たち。
 その美女の姿を見て、パトリシアは叫んだ。

「母上!」

 現れたのはパトリシアの母親で、この国の女王であるセレスリーナだ。
 聖なる力を持つ聖女せいじょでもある。清楚せいそなその美しさは、まるで地上に舞い降りた女神のようだ。
 唇をめながらセレスリーナは言った。

「……降伏しましょう。民を救うにはもうそれしかありません」
「母上、何を言うのです! 私は最後まで戦います!」
「なりませんパトリシア! この国の女王として命じます、降伏して民の命を救うのです!」

 黒い翼を広げた魔族は、それを見て高らかに笑う。

「どうやら決まったようですな。くく、女王の決断であれば、誰も文句は言えまい。だが、生意気なまいき小娘こむすめが二度と反抗はんこうせぬように、我らの力を思い知らせてやろう。やれ、邪竜メルドーザよ!」

 ロダードが持つ黒い宝玉がにぶい光を放つ。
 セレスリーナは目を大きく見開いた。

「そんな! 何をするつもりです!?」

 王宮の上空にいる巨大な竜の首が、城下町の方を向いた。
 その喉元のどもとが光を放ち始める。強力なブレスが放たれる前兆ぜんちょうだ。
 リンダは思わず後ずさった。

「あかん、城下町にブレスを吐くつもりや! みんな死んでまう!!」

 いきなり現れた邪竜に対して、城下の避難はまだ終わってはいないだろう。
 パトリシアは、こしの剣を抜くとロダードに斬りかかった。

「やめろ! 城下の者は武人ぶじんではない! この悪魔め、やめろぉおおおお!!」

 残忍ざんにんな高位魔族の目が赤く輝く。

「くくく、姫騎士などと呼ばれておっても所詮しょせんは小娘! 高位魔族たるこの私には触れることすら出来んわ! そこでお前の民が黒い炎に焼かれて死んでいくのを見ておれ!!」
「くっ! うぁああああ!!」

 パトリシアの体はロダードの強大な魔力でしばり上げられた。【拘束バインド】の魔法である。
 王女ばかりか、周囲の騎士たちも身動き一つとれない。戦う力のある武人は、全て拘束こうそくされてしまった。
 その一方で、巨大な竜が今にも城下へブレスを放とうとしている。
 女王セレスリーナは、両手を胸の前で合わせて神に祈った。

(ああ、神よ……どうかそのご慈悲じひで、城下の民をお救いくださいませ!)

 絶体絶命の状況下で、女王の美しい瞳は確かに見た。
 王宮のはるか上空からこちらに向かって一直線に落下してくる、白く輝く光を。


  ◇ ◇ ◇


「うぉおおおおおおおお!!」

 凄まじい勢いで飛びながら、俺は叫んでいた。
 宇宙空間から大気圏たいきけんに突入し、一直線に地面に向かって落下したら、誰だって泣き叫ぶだろう。
 しかも俺の視線の先には、何かがいる。

「おい……嘘だろ?」

 超スピードで飛んでいる俺には、すぐにその姿がハッキリと分かった。
 漆黒の竜だ。しかも馬鹿デカい!

「うぉおおお! 死ぬぅうう!! 覚えてやがれあの女神! 化けて出てやるからな!!」

 あんなものに直撃したら、間違いなく即死そくしだ。
 いや、どうせ地面に叩きつけられたら死ぬんだから、同じではあるんだが。
 その時!
 巨大な竜は俺の存在に気が付く。
 それと同時に、漆黒のブレスを俺に向かって吐いた。

「ひぃいいいい!」

 完全に終わった。あんなもんを喰らえば、こんがり焼けるどころか一瞬で灰になるだろう。
 そう観念かんねんした瞬間、俺の体はその黒いブレスを突き破って進んでいた。
 俺の周辺の白い光が、瘴気しょうきのような黒い炎を浄化じょうかしている。
 こちらを敵と認識したのか、落下する俺を巨大な顎で呑み込もうとするドラゴン。

「うぁああああ!!」

 今度こそマジで終わった。
 異世界に来て、いきなりドラゴンに丸かじりされるとかあり得ねえ。
 俺の体は漆黒のドラゴンの巨大な口に呑み込まれ、その体内に落ちていく。
 ただし……ドラゴンの体をぶち破りながら。

「うぉおおおおお! どうなってんだこれ!?」

 俺の体を包む白い光が、ドラゴンの体を突き破っていく。
 何が何だか分からないが、とにかく俺はまだ生きているようだ。
 宇宙から放たれた人間砲弾ほうだんのごとく、俺はその巨大なドラゴンをつらぬいた。
 視界の隅で、白い炎が巨大な竜を焼き尽くす。
 安心したのも束の間、すぐに地面に激突する!

「ひぃいいいいいい!!」

 情けない声を上げた俺は、意外なことに地面には激突せずにふわりと着地した。

「……生きてる? 俺生きてるのか?」

 その時、俺の頭の中で声が響いた。

『邪竜メルドーザを倒しました。経験値けいけんちを二おく三千五百二十三ポイント手に入れました。レベルが上がります、無職のレベル1からレベル999になりました。もうレベルは上がりません。【遊び人】と【邪竜殺し】の称号しょうごうを手にしました。ユニークスキル【趣味しゅみ】を覚えました』

 まるで、ゲームでレベルが上がった時のようなアナウンスだ。
 経験値二憶とか、ふざけているのかと思えるような内容である。
 それに……
 遊び人? ユニークスキル? 一体何のことだ。
 全く状況がつかめない中、俺は辺りを見渡した。
 白く巨大な建造物が見える。まるで中世ちゅうせいヨーロッパの城だ。ここはその中庭らしい。
 そして離れた所に立つ二人の女性を見て、俺の背筋は自然とシャンとした。
 何だ、この美女と美少女は……
 見たこともない程の美女と、気が強そうな美少女がこちらを呆然と眺めている。
 美女の方は、清楚な白いドレスが似合う女性だ。
 頭には女王様がするような、美しいティアラを着けている。
 美少女の方は十五、六歳だろうか。女騎士風の格好かっこうで手に剣を持っていた。
 問題は彼女たちの頭についている大きな耳だ。
 髪と同じ銀色の大きな耳、いわゆるケモ耳である。
 二人の美しさとも相まって、思わず目が釘付くぎづけになる。
 ……いやいや、今の問題はそこじゃないだろ!
 俺は思わず自分に突っ込んだ。
 呑気のんきにケモ耳美女たちに見とれている場合じゃない。
 周りには、西洋の騎士に似た格好をした兵士たちの姿が見えた。

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