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75、鍛冶勝負
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俺の問いにナナは答えた。
「鋼の心、鍛冶の求道者のマスタースキルね。まるで鋼や素材の心を感じ取るほど繊細な鍛冶仕事が出来るスキルよ。でも、凄く強い集中力が必要だわ。いくら裕樹でも長時間は使えないはずよ。ここぞという時に使うといいかもね!」
「鋼や素材の心を感じ取るような……か。う~ん、なんだか凄そうだけど分かったような分からないような感じだなぁ」
そんな俺にナナは肩をすくめる。
「実際に使ってみればきっと分かるわよ」
「はは、まあ、そうだよな」
今までのスキルも使ってみて初めて分かったものも多い。
せっかく覚えたんだ、使ってみるに限るよな!
炉の前で俺とナナがそんな話をしていると、ジュリアが言う。
「さっきから何の話をしてるんだい? さっさと始めな。あたしは気が短いんだ」
ジュリアのその言葉にレイラが噛みつく。
「ちょっと! 何よ偉そうに。ユウキは凄いんだから! きっと凄い剣を作るわ。それより、あんたの方こそ大丈夫なの? ユウキに鍛冶を教えるなんて偉そうなこと言って。鍛冶をやるのは200年ぶり何でしょう? すっかり腕が錆びついてるんじゃないの?」
腰に手を当ててそう言い放つレイラ。
俺とのバトルのこともあって、レイラはすっかりジュリアに喧嘩腰である。
まあ、レイラらしいけどな。
「言うじゃないか。ふふ、いいさ、あたしの腕が錆びついてないか見せてやるよ」
ジュリアはそう言うと、鍛冶工房の壁にかけられている大きなハンマーを手にした。
とても普通に人間には扱えそうもないものだが、彼女はそれを軽々と片手で持っている。
そして、鍛冶職人たちに言う。
「あたしの炉を使うよ。一本剣を作る、200年ぶりにね」
それを聞いて職人たちが声を上げた。
「ジュリア様の炉を!」
「お、おい。200年ぶりだぞ、ジュリア様が鍛冶をされるのは!」
鍛冶巫女たちもざわついている。
「まあ、ジュリア様が……」
「カレン様!」
ざわめく巫女たちの声を聞きながら、カレンさんは優雅に微笑む。
「ほほ、これはほんに楽しみじゃこと。ジュリアも剣を打つとな? ユウキ、ジュリア、期待しておるぞ。双方どのような剣を作るのか今から楽しみじゃ!」
久しぶりに剣を打つと言うジュリアの言葉にカレンさんはとても嬉しそうだ。
そんなカレンさんを見てククルも楽しそうに笑う。
「ほんに楽しみなのです!」
レイラは腰に手を当てたまま、胸をぐっと突き出すとジュリアに言う。
「面白いじゃない。ユウキとあんたがどっちがいい剣を作るか勝負よ!!」
「お、おい、レイラ。勝手に勝負にするなって!」
まったく、売り言葉に買い言葉とはいえレイラにも困ったものだ。
ジュリアはそれを聞いて笑う。
「勝負ね、面白い。いいよ、受けてやるよ。でも、あたしと鍛冶で勝負だなんて100年早いって、直ぐに思い知ることになるさ」
ジュリアはそう言うと、彼女の専用らしき立派な作りの炉の前に座る。
それは一際大きく頑丈な作りだ。
その周囲もの設備も、他の炉とは違い特製のものに見える。
「一体、どんな鍛冶をするんだ?」
俺は、思わず呟いた。
これから自分も剣を作るってこともつい忘れて、ジュリアの方へと気を取られる。
何しろ目の前で伝説級の武器を作った人の鍛冶仕事が見られるんだ。
ジュリアは炉を眺めると、言った。
「さてと、始めるとするか。200年ぶりにこの炉にあたしの火を灯すよ」
そう言うと、ジュリアの二本の角が強い紅の輝きを放った。
「鋼の心、鍛冶の求道者のマスタースキルね。まるで鋼や素材の心を感じ取るほど繊細な鍛冶仕事が出来るスキルよ。でも、凄く強い集中力が必要だわ。いくら裕樹でも長時間は使えないはずよ。ここぞという時に使うといいかもね!」
「鋼や素材の心を感じ取るような……か。う~ん、なんだか凄そうだけど分かったような分からないような感じだなぁ」
そんな俺にナナは肩をすくめる。
「実際に使ってみればきっと分かるわよ」
「はは、まあ、そうだよな」
今までのスキルも使ってみて初めて分かったものも多い。
せっかく覚えたんだ、使ってみるに限るよな!
炉の前で俺とナナがそんな話をしていると、ジュリアが言う。
「さっきから何の話をしてるんだい? さっさと始めな。あたしは気が短いんだ」
ジュリアのその言葉にレイラが噛みつく。
「ちょっと! 何よ偉そうに。ユウキは凄いんだから! きっと凄い剣を作るわ。それより、あんたの方こそ大丈夫なの? ユウキに鍛冶を教えるなんて偉そうなこと言って。鍛冶をやるのは200年ぶり何でしょう? すっかり腕が錆びついてるんじゃないの?」
腰に手を当ててそう言い放つレイラ。
俺とのバトルのこともあって、レイラはすっかりジュリアに喧嘩腰である。
まあ、レイラらしいけどな。
「言うじゃないか。ふふ、いいさ、あたしの腕が錆びついてないか見せてやるよ」
ジュリアはそう言うと、鍛冶工房の壁にかけられている大きなハンマーを手にした。
とても普通に人間には扱えそうもないものだが、彼女はそれを軽々と片手で持っている。
そして、鍛冶職人たちに言う。
「あたしの炉を使うよ。一本剣を作る、200年ぶりにね」
それを聞いて職人たちが声を上げた。
「ジュリア様の炉を!」
「お、おい。200年ぶりだぞ、ジュリア様が鍛冶をされるのは!」
鍛冶巫女たちもざわついている。
「まあ、ジュリア様が……」
「カレン様!」
ざわめく巫女たちの声を聞きながら、カレンさんは優雅に微笑む。
「ほほ、これはほんに楽しみじゃこと。ジュリアも剣を打つとな? ユウキ、ジュリア、期待しておるぞ。双方どのような剣を作るのか今から楽しみじゃ!」
久しぶりに剣を打つと言うジュリアの言葉にカレンさんはとても嬉しそうだ。
そんなカレンさんを見てククルも楽しそうに笑う。
「ほんに楽しみなのです!」
レイラは腰に手を当てたまま、胸をぐっと突き出すとジュリアに言う。
「面白いじゃない。ユウキとあんたがどっちがいい剣を作るか勝負よ!!」
「お、おい、レイラ。勝手に勝負にするなって!」
まったく、売り言葉に買い言葉とはいえレイラにも困ったものだ。
ジュリアはそれを聞いて笑う。
「勝負ね、面白い。いいよ、受けてやるよ。でも、あたしと鍛冶で勝負だなんて100年早いって、直ぐに思い知ることになるさ」
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それは一際大きく頑丈な作りだ。
その周囲もの設備も、他の炉とは違い特製のものに見える。
「一体、どんな鍛冶をするんだ?」
俺は、思わず呟いた。
これから自分も剣を作るってこともつい忘れて、ジュリアの方へと気を取られる。
何しろ目の前で伝説級の武器を作った人の鍛冶仕事が見られるんだ。
ジュリアは炉を眺めると、言った。
「さてと、始めるとするか。200年ぶりにこの炉にあたしの火を灯すよ」
そう言うと、ジュリアの二本の角が強い紅の輝きを放った。
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