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火魔法の先生モニカ

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 メロディはうぅん、と考えこんでいるようだった。そして手をポンと叩いて言った。

「モニカさん!」

 メロディはいい事を思いついたという顔をしたが、クレアは顔をくもらせて言った。

「確かにモニカさんは優秀な魔法使いだから適任だと思うけど、今忙しいかもしれないじゃない。急に呼んだら迷惑よ?」
「そんなの聞いてみればいいじゃん」

 メロディはそう言って、胸元のローズクォーツのペンダントをつまんで声をかけた。セシルは驚いてしまった。メロディは通信魔法具を持っているのだ。

 魔法具とはとても高価な品物だ。花屋とはそんなにもうかる仕事なのだろうか。

「モニカさん!今大丈夫ですか?」
「あら、メロディ。何か困った事が起きたの?」
「いいえ。そうじゃないんですけど、モニカさんに相談したい事があって」
「ちょっと待ってね?」

 通信魔法具からは女性の優しげな声が聞こえた。その直後、メロディの目の前に黒くて大きな空間の出入り口が出現した。空間魔法だ。

 空間魔法の出入り口から美しい赤毛の女性が現れた。メロディは彼女に抱きついて言った。

「モニカさん!会いたいかった!」
「ええ、私もよ」

 モニカと呼ばれた女性は、メロディを優しく抱きしめて答えた。クレアとウェントゥスもモニカに駆け寄って言った。

「モニカさん!急に呼んでごめんなさい」
「ピィー!」

 モニカはクレアたちに振り向くと、駆け寄ったクレアとウェントゥスを優しく抱きしめて言った。クレアは顔を真っ赤にしていたが、嬉しそうだった。

「私は大丈夫よ?どうかしたの?」

 クレアはセシルが魔法学校の生徒で、魔法が上手く使えない事を説明した。モニカはうなずいてセシルに振り向いた。セシルはギクリと身体をこわばらせた。

 セシルは内向的な性格なので、初対面の人間が苦手だった。モニカは優しげな笑顔でセシルに声をかけた。

「こんにちは、セシル。私はモニカ、よろしくね」
「こ、こんにちわ。よろしくお願いします」

 モニカはセシルに断ってから、目を閉じてセシルの手を優しく握った。モニカの魔力がセシルに流れ込んできた。モニカはゆっくり目を開くと、セシルの目をジッと見て言った。

「セシル、貴女はとても大きな潜在魔力を持っている。だけどそのために、自分自身で大きなストッパーをかけているわ」
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