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ネモフィラ
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メロディはエマと共に、ドラゴンのウェントゥスの背中に乗って空をかけていた。メロディは花屋の仕事の合間や、クレアに店番をお願いして、できるかぎり青い花探しにほんそうした。
エマの祖母と母親の話しを総合すると、青い花は春に咲いていたとの事。庭一面に青い花が咲き乱れ、とても綺麗だったと。
メロディとエマとウェントゥスの努力もむなしく、成果は得られなかった。間の悪い事に、今の季節は冬にさしかかろうとしていた。
メロディは花が咲いていない緑の葉に触れて土魔法で花を咲かしていった。だが青い花が咲く事はなかった。
メロディは次第に焦りだした。エマの祖母にはあまり時間が残されていない。このままではエマと祖母の大切な時間を奪ってしまうのではないか。
そのような最中、メロディの胸元のローズクォーツのペンダントが輝いた。クロードからもらった通信魔法具だ。クレアから連絡が入ったのだ。すぐに花屋に帰って来いという。
ドラゴンのウェントゥスは風のように空を飛び、花屋に帰ってくれた。花屋にはエマの母親がいた。エマは驚いて母親に駆け寄った。母親はエマに笑顔で言った。
「エマ、お前が一生懸命になって青い花を探している姿を見てね、思い出したんだよ」
母親はポケットから何かを取り出した。それは紙に包まれていた。中には黒い小さな粒が沢山入っていた。エマはこれが何かわからないらしく首をかしげていた。メロディはそれを見て叫んだ。
「種ですね?!」
「ええ、母が青い花の種を集めてとっておいたんです。でもだいぶ古いものだから、」
母親は不安げな顔で答えた。メロディは力強くうなずいて答えた。
「大丈夫です!おばあさんに青いお花を見てもらいましょう!」
メロディたちは花屋に休けいの看板を出し、エマの家へ急いだ。その頃には祖母はベッドから起き上がる事もできなくなっていた。
メロディは、祖母の思い出の種を庭に蒔いた。地面に手をついて優しく声をかける。
「ねぇ、おばあさんがあなたたちに会いたがっているわ。お願い、咲いて」
メロディの手が輝き出す。するとピョコピョコと小さな植物の芽が飛び出してきた。やがて一面に青空のようなブルーの花が咲いた。祖母が大切にしていた青い花は、ネモフィラだった。
エマはベッドに横になっている祖母に飛びついて言った。
「おばあちゃん!お外を見て?!」
祖母は孫娘に助け起されながら起き上がって窓の外に目をやった。祖母の目からポロポロと涙がこぼれた。
「ああ、この景色。もう一度見れるなんて」
祖母はエマの頭を優しく撫でて言った。
「エマ、ありがとう」
エマは祖母の心からの笑顔を見て泣き出した。
メロディは鉢植えにネモフィラの花を咲かせて、そっと祖母のベッドの横のチェストに置いた。本来ならば病人の部屋に鉢植えを置くのはよくない。だが祖母が愛した花ならば、祖母もエマたち家族も理解してくれるだろう。
エマの祖母は、その後家族とおだやかな時間を過ごし、亡くなった。
エマの祖母と母親の話しを総合すると、青い花は春に咲いていたとの事。庭一面に青い花が咲き乱れ、とても綺麗だったと。
メロディとエマとウェントゥスの努力もむなしく、成果は得られなかった。間の悪い事に、今の季節は冬にさしかかろうとしていた。
メロディは花が咲いていない緑の葉に触れて土魔法で花を咲かしていった。だが青い花が咲く事はなかった。
メロディは次第に焦りだした。エマの祖母にはあまり時間が残されていない。このままではエマと祖母の大切な時間を奪ってしまうのではないか。
そのような最中、メロディの胸元のローズクォーツのペンダントが輝いた。クロードからもらった通信魔法具だ。クレアから連絡が入ったのだ。すぐに花屋に帰って来いという。
ドラゴンのウェントゥスは風のように空を飛び、花屋に帰ってくれた。花屋にはエマの母親がいた。エマは驚いて母親に駆け寄った。母親はエマに笑顔で言った。
「エマ、お前が一生懸命になって青い花を探している姿を見てね、思い出したんだよ」
母親はポケットから何かを取り出した。それは紙に包まれていた。中には黒い小さな粒が沢山入っていた。エマはこれが何かわからないらしく首をかしげていた。メロディはそれを見て叫んだ。
「種ですね?!」
「ええ、母が青い花の種を集めてとっておいたんです。でもだいぶ古いものだから、」
母親は不安げな顔で答えた。メロディは力強くうなずいて答えた。
「大丈夫です!おばあさんに青いお花を見てもらいましょう!」
メロディたちは花屋に休けいの看板を出し、エマの家へ急いだ。その頃には祖母はベッドから起き上がる事もできなくなっていた。
メロディは、祖母の思い出の種を庭に蒔いた。地面に手をついて優しく声をかける。
「ねぇ、おばあさんがあなたたちに会いたがっているわ。お願い、咲いて」
メロディの手が輝き出す。するとピョコピョコと小さな植物の芽が飛び出してきた。やがて一面に青空のようなブルーの花が咲いた。祖母が大切にしていた青い花は、ネモフィラだった。
エマはベッドに横になっている祖母に飛びついて言った。
「おばあちゃん!お外を見て?!」
祖母は孫娘に助け起されながら起き上がって窓の外に目をやった。祖母の目からポロポロと涙がこぼれた。
「ああ、この景色。もう一度見れるなんて」
祖母はエマの頭を優しく撫でて言った。
「エマ、ありがとう」
エマは祖母の心からの笑顔を見て泣き出した。
メロディは鉢植えにネモフィラの花を咲かせて、そっと祖母のベッドの横のチェストに置いた。本来ならば病人の部屋に鉢植えを置くのはよくない。だが祖母が愛した花ならば、祖母もエマたち家族も理解してくれるだろう。
エマの祖母は、その後家族とおだやかな時間を過ごし、亡くなった。
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