召喚魔法で幼児が現れました僕がなりたい職業は保父さんではなく冒険者なのですが

友達との再会

　レオンはアルスと共に、冒険者の依頼をこなしていたある日、冒険者協会の受付のバンスから手紙を受け取った。差出人は、幼なじみのルーカスからだった。

　ルーカスの手紙には、近いうちに会わないかという内容だった。ルーカスとシルフィは、冒険者の依頼が終わった後、冒険者協会で偶然ラウラとフレアに会ったのだという。

　それならばレオンとアルスに声をかけようという事になったのだ。レオンはこの提案に喜んで返事を書いた。追伸に、冒険者の友達を連れて行きたいと書き添えて。

　ついにその日がやってきた。アルスはシルフィとフレアに会える事が嬉しいのか、ウキウキしていた。レオンも楽しみだった。冒険者になった幼なじみと、どんな会話ができるだろうか。それに、幼なじみに友達を紹介できる事も嬉しかった。

　レオンとアルスが、指定された店に入ると、おおいと声をかけられた。レオンが声のした先に視線を向けると、ルーカスが大きく手を振っていた。

　席にはルーカスとラウラとフレアが座っていた。ルーカスの肩にはいつものようにシルフィが乗っている。ルーカスは少し見ない間に身長が伸びて、たくましくなったように思えた。ラウラもさらに美しくなったように見える。

　レオンとアルスが席に着くと、ルーカスとラウラは、しきりにレオンの話しを聞きたがった。レオンはルーカスとラウラの話しが聞きたかった。アルスとシルフィとフレアも、楽しそうにしゃべっている。しばらく談笑していると、レオンの肩を叩く者がいた。振り返ると、そこにはガブリエラが立っていた。

　レオンは久しぶりに会ったガブリエラに息を飲んだ。ガブリエラは以前会った時より、さらに綺麗になっていたからだ。短髪だった髪は肩まで伸び、以前はガブリエラの胸を押しつぶしていた胸当てが、女性用になっていた。ガブリエラは、どこから見ても美しい女性剣士だった。

　可愛い女の子が大好きなルーカスがレオンに叫ぶ。

「おい、レオン！誰だよ、この美人は！」
「手紙に書いただろ？友達のガブだよ」

　ガブリエラは微笑んで自己紹介した。

「私はガブリエラだ。レオンとは冒険者研修で一緒になった友人だ。幼なじみの再会に、私のような部外者が参加してもうしわけない」
「そんな事全然ないですよ！ささ、ガブリエラさんお座りください！」

　ルーカスはしまりのない顔で、自分が座っていた席を立ち、ガブリエラに座らせた。レオンは、あれ？と思った。当初ガブリエラの席は、アルスとフレアのとなりのはずだった。だがルーカスが席をゆずった事により、レオンとアルスが席をずれた。並び順がレオン、ルーカス、ガブリエラ、ラウラ、フレア、アルスの順番になった。

　どうやらルーカスは、美しいガブリエラのとなりになりたかったようだ。レオンは仕方ないなと思ったが、ガブリエラに冒険者のルーカスとラウラと仲良くなってもらうのが今回の目的だ。アルスは自分のとなりにガブリエラが来てくれると思っていたので、少し不機嫌だ。レオンはアルスの形の良い頭を撫でながら、ようやく全員揃ったので、食事にしようと声をかけた。