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ロレーナのひとり言3
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兄のエラルドは無意識のうちにパティに好意を寄せている。鈍感な男なので、自覚はしていないだろうが。
問題はパティの方だ。パティはエラルドの事をどう思っているのだろう。
エラルドはパティの師匠だ。嫌ってはいないと思う。だがロレーナとエラルドでは、パティの態度に差があるのだ。
パティがロレーナを見る目はとても愛情深いものだった。この視線は知っている、亡き両親がロレーナを見る瞳だ。パティはロレーナの事を、妹を見るようなあたたかい目で見てくれるのだ。
エラルドの事は師としての尊敬、信頼、そして。状況を冷静に把握しないのはよくない。
ロレーナの目から見ても、パティはエラルドを怖がっているふしがある。
最初は遠慮か何かだと思っていたが、どうやらパティは身体の大きな男に恐怖心を抱いているようだ。
だがエラルドを怖がっている事は、パティ自身も気づいてはいないようだった。
エラルドはロレーナとパティを同じように扱う。ロレーナの病気が回復してからは、エラルドのロレーナへの扱いはとても雑だ。
指導でうまくいかないと、ロレーナの手を引っ張ったりする。パティに対しても同じだ。
パティはエラルドに突然触れられたりすると、一瞬身体をこわばらせる。それはとても短い時間なので、エラルドもパティも気づいていない。だが二人をよく観察しているロレーナは何度か目撃していた。
ある日の夕食どき、ロレーナは多分に含みを持たせて発言した。
「私、パティの事大好き。パティみたいなお姉ちゃんが欲しいなぁ!」
ロレーナのとなりでスープを飲んでいたパティの頬がほんのりピンク色になる。
「私も、私もロレーナみたいな妹が欲しい!ロレーナ、私の妹になってくれる?!」
ロレーナはパティの反応に、心の中でニンマリ微笑んでから兄の反応をうかがう。
エラルドはロレーナとパティを見て微笑んだ。
「そうか。それならパティは俺のもう一人の妹だな」
そうじゃないだろう。ロレーナはテーブルを叩いて立ち上がりたい衝動にかられた。ロレーナが言葉に出せない衝動と戦っているうちに、パティとエラルドの会話は続く。
「嬉しいわ。私に妹とお兄ちゃんができるなんて。私にはね、おじいちゃんとおばあちゃんとお父さんとお兄ちゃんが二人にお姉ちゃんが二人いるのよ?」
「・・・。そうか、それは大家族だな」
「皆、血はつながってないけどね、」
パティの言葉にロレーナはどきりとした。ロレーナはパティが捨て子で、肉親がいない事を知っていたのに。パティの気持ちを考えないような発言をしてしまった。
ロレーナはパティを見つめる。エラルドもどう答えてよいかわからないようで、困ったようにパティを見た。
パティはロレーナとエラルドを見つめて微笑んだ。
「私ね、とっても幸せなの。大好きな家族がたくさんできたし。それに、いつも側にいてくれるお友達もいるし」
パティの言葉に、食事を終えて床に寝そべっていたマックスとチャーミーがパティの足にすり寄った。マックスの背中にとまっていたピンキーがパティの肩にとまり、チャーミーの背中に乗っていたアクアがプクプクと言った。
パティは笑顔でアクアを抱き上げると、アクアの甲羅を優しくなでた。
問題はパティの方だ。パティはエラルドの事をどう思っているのだろう。
エラルドはパティの師匠だ。嫌ってはいないと思う。だがロレーナとエラルドでは、パティの態度に差があるのだ。
パティがロレーナを見る目はとても愛情深いものだった。この視線は知っている、亡き両親がロレーナを見る瞳だ。パティはロレーナの事を、妹を見るようなあたたかい目で見てくれるのだ。
エラルドの事は師としての尊敬、信頼、そして。状況を冷静に把握しないのはよくない。
ロレーナの目から見ても、パティはエラルドを怖がっているふしがある。
最初は遠慮か何かだと思っていたが、どうやらパティは身体の大きな男に恐怖心を抱いているようだ。
だがエラルドを怖がっている事は、パティ自身も気づいてはいないようだった。
エラルドはロレーナとパティを同じように扱う。ロレーナの病気が回復してからは、エラルドのロレーナへの扱いはとても雑だ。
指導でうまくいかないと、ロレーナの手を引っ張ったりする。パティに対しても同じだ。
パティはエラルドに突然触れられたりすると、一瞬身体をこわばらせる。それはとても短い時間なので、エラルドもパティも気づいていない。だが二人をよく観察しているロレーナは何度か目撃していた。
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「私、パティの事大好き。パティみたいなお姉ちゃんが欲しいなぁ!」
ロレーナのとなりでスープを飲んでいたパティの頬がほんのりピンク色になる。
「私も、私もロレーナみたいな妹が欲しい!ロレーナ、私の妹になってくれる?!」
ロレーナはパティの反応に、心の中でニンマリ微笑んでから兄の反応をうかがう。
エラルドはロレーナとパティを見て微笑んだ。
「そうか。それならパティは俺のもう一人の妹だな」
そうじゃないだろう。ロレーナはテーブルを叩いて立ち上がりたい衝動にかられた。ロレーナが言葉に出せない衝動と戦っているうちに、パティとエラルドの会話は続く。
「嬉しいわ。私に妹とお兄ちゃんができるなんて。私にはね、おじいちゃんとおばあちゃんとお父さんとお兄ちゃんが二人にお姉ちゃんが二人いるのよ?」
「・・・。そうか、それは大家族だな」
「皆、血はつながってないけどね、」
パティの言葉にロレーナはどきりとした。ロレーナはパティが捨て子で、肉親がいない事を知っていたのに。パティの気持ちを考えないような発言をしてしまった。
ロレーナはパティを見つめる。エラルドもどう答えてよいかわからないようで、困ったようにパティを見た。
パティはロレーナとエラルドを見つめて微笑んだ。
「私ね、とっても幸せなの。大好きな家族がたくさんできたし。それに、いつも側にいてくれるお友達もいるし」
パティの言葉に、食事を終えて床に寝そべっていたマックスとチャーミーがパティの足にすり寄った。マックスの背中にとまっていたピンキーがパティの肩にとまり、チャーミーの背中に乗っていたアクアがプクプクと言った。
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