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ユーリの気持ちです
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私たちがトーランド国のお城に戻ってからはドタバタと大変だった。騎士団長のリュートが王さまに、ユーリが新たな王に選ばれた事を伝えた。案の定反発する王さまを説き伏せて、ユーリの戴冠式を強引に進めた。この事によりトーランド国の王位はユーリに譲られた。前王さまは私の忠告をちっとも守っていなかったようで、糖尿病の数値が悪化していた。そのため療養という名目で、保養地に引っ込んでもらう事になった。メグリダ王子も勿論ユーリの事を認めないので、城の一室に幽閉という形になった。これからユーリがしようとしている国の改革は、貴族たちの反発を大いに招くと考えられたからだ。貴族たちの間で、メグリダ王子を王にしようとする勢力が起きないためだ。
幽閉と言っても、ユーリは自分を殺そうとしたメグリダ王子にも慈悲深かった。食事もキチンと支給するし、監視付きなら部屋の外に出る事も許していた。ノヴァは長年探していた弟のリュートが見つかって、嬉しくて仕方ないらしい。フォルトゥーナ、兄ちゃんが遊んでやるぞ。と言って忙しいリュートにまとわりついている。リュートは、そんなノヴァを、兄上また後で遊びましょうと言って優しく抱き上げるのだ。まるで仲のいい親子のようだ。私たちは着々と準備をしていた。それはトーランド国民に、新国王ユーリのお披露目をする事だ。そしてついにその日がやって来た。
その日はよく晴れた日だった。トーランド城は開門され、多くのトーランド国民が集まっていた。トーランド国民は皆、ある場所に注目していた。それは城に設けられたバルコニーだった。このバルコニーは、王族のお披露目がある場合に、王自ら前に出て国民に語りかけるのだ。ユーリはバルコニーに出る前、緊張した面持ちだった。無理もないだろう、トーランド国民はほとんどが人間だ。半獣人のユーリが国民に受け入れられるのか心配なのだろう。ここにはユーリを小さな頃から支えてくれていたリュートとダグはいない。リュートは、ユーリのお披露目のため城内の警護に目を光らせている。そしてダグは、ある事のために外に出ているのだ。私はユーリに緊張をほぐしてほしくて声をかけた。
「ユーリ、深呼吸して。今日の貴方はとっても立派で頼もしいわ」
私の言葉にユーリはクスリと笑った。私がお世辞を言ったと思ったのだろう。だけど私はお世辞なんかじゃなく本心からユーリの姿を褒めたのだ。今のユーリの姿は豪華な真紅のマントをはおり、頭には豪奢な王冠をのせている。どこから見ても、ユーリは立派なトーランド国王だ。ユーリは笑いながら、私に行ってきますと言うと、バルコニーに歩き出した。すると待ちかねていた国民たちがごう音のように叫んだ。ユーリ国王陛下バンザイと。私はバルコニーの陰からユーリの後ろ姿を見守る。ユーリはおうように手をあげ、国民の声援に応えた。国民たちの声が大きくなる。ユーリは国民の興奮がおさまるのを待った。そしてゆっくりと話し出した。その声は穏やかで凛としていた。
「親愛なるトーランドの民たちよ、余が聖女に示されてこのトーランド国王になったユーリである。余は半獣人だ。父である前国王と、獣人の間に生まれた子供だ」
国民たちはザワザワと囁き声を立てる。ユーリは、そのざわめきが収まってから、話し出した。
「余は幼い頃母親から離され、狭い部屋で隔離されて育った。暖かい言葉をかけられる事もなく、ただただ人間からの暴力を受けて育った。半獣人の兵士に助け出されなければ、余は生きてここにはいなかっただろう。余は幼い頃、怖くて苦しくて辛かった。誰かに助けてもらいたかった。そして半獣人の兵士に育てられ、言葉や文字を学ぶと、余にはある思いが生まれた。余のように苦しむ小さな子供がいない国にしたいと。悲願の通り、余はこのトーランド国の王になった。余は約束しよう、そなたたちトーランド国民一人一人が幸せに暮らせる国を」
国民たちは口々に、ユーリ国王陛下バンザイと叫んだ。そして人々が静かになると、またユーリは国民に語りかける。
「余はトーランド国民全員と言った。その中には、人間も獣人も半獣人も、そして戦争でこの国に連れてこられた捕虜たちも入っている」
トーランド国民たちはザワザワとどよめきだした。ユーリの言葉に不安になったのだろう。ユーリはゆっくりと言葉を続ける。
「今この国では、獣人と半獣人と捕虜は、奴隷として辛い暮らしをしている。獣人と半獣人は、その能力を使わせないために、拘束魔法具で拘束されている。そなたたちは獣人や半獣人の拘束魔法具を外すのをよく思わないと考える者たちもいるだろう。だが想像してもらいたい、もしそなたたちが獣人や半獣人、捕虜として奴隷にされていたら。自身の運命を、仕方ないと甘んじて受け入れるだろうか。余は違うと思う、奴隷としてしいたげられる事を悲しみ、苦しみ、そして怨む気持ちもあるだろう。勿論そなたたちの気持ちもよく理解している。誰だって自身と違う存在は恐ろしいと感じるだろう。だが自身の胸に手を当てて考えてもらいたい。人間にも、良い人間と悪い人間もいるだろう。獣人や半獣人、捕虜たちも同じではないだろうか」
トーランド国民たちは神妙な面持ちで、ユーリの言葉に聞き入っていた。ユーリは後ろを振り向くと、私の手をギュッと握ってうつむいていたティアナに手まねきする。私は、ティアナに声をかけそっと背中を押した。ティアナはこわばった顔でユーリのとなりに立った。ユーリはティアナの背に手を当て、話し出す。
「この娘は半獣人だ。この娘は人間の奴隷にされ、毎日理不尽な暴力を受けていた。ある時聖女に救われて、拘束魔法具の首輪を外された。だがこの半獣人の娘が半獣人の能力を使ったのは、人間の幼子を助ける時と、余とその仲間を助ける時にしか能力を使わなかった。親愛なるトーランド国民たちよ。いま一度、獣人と半獣人、捕虜たちに歩みよってはくれないだろうか、彼らの中には人間に危害を加えようと考えている者もいるかもしれない。だがそうでない者もいるのではないだろうか」
トーランド国民たちは静かだ。ユーリはティアナに笑顔を向けると、また話し出した。
「余はこの娘から恩を受けた。余が受けた恩は、必ず相手に返したいと思っている。この娘の願いは、生き別れた母と再び会う事だ。この娘の母親も奴隷としてすごしていた。余は娘の母親を探し出した、母親は今この国に向かっている。もう少しでこの城に到着するだろう。親愛なるトーランド国民たちよ、どうかこの健気な娘と母親との再会を、共に祝ってくれぬか」
沈黙していた国民たちから拍手が起こった。その拍手は次第に大きくなった。ユーリはティアナをうながした。後ろに控えていた私はティアナに手を差し出す。ティアナは私の手をつかんだ。その手がわずかに震えている。私はティアナに、大丈夫よ。と言った。ティアナは無言でうなずいた。私とティアナは、バルコニーに続く部屋から出て、階段を降りる。国民たちがいる、城内の広場に行くためだ。広場に出ると、兵士たちが国民を下がらせて道を作っていた。その道の奥から、一台の馬車がやって来た。馬車が止まり、運転していた兵士が座席から飛び降りて、馬車のドアを開け、手を差し出した。運転していた兵士はダグだった。馬車から一人の女性が降りてきた。豊かな赤い髪の美しい女性だった。私の手をつないでいたティアナが小さくつぶやく。ママ、と。私はティアナの背中を優しく押す。ティアナはゆっくりと歩き出し、しばらくしてから一目散に駆け出した。赤い髪の女性もティアナに気づき走ってくる。美しい親子は固く抱き合った。ティアナは泣きながらお母さんに言った。
「ママ、ママ、本当にママなの?もういなくなったりしない?目が覚めたらママがいないのはもう嫌だよう」
「ああ、ティアナ、ティアナ、私の宝物。もう二度と離さないわ」
ティアナのお母さんは、ティアナのおでこに頬に、キスの雨を降らせた。獣人と半獣人の親子の再会を目の当たりにしたトーランド国民たちの中にはすすり泣きをする人たちもいた。ダグの思い描いた、獣人と半獣人が怖い存在ではないという証明の第一歩だった。私は知らず涙があふれてきた。ティアナとお母さんがもう一度会えて本当に良かった。私の手に温かいものが触れた。下を見ると、セネカとヒミカが笑顔で私の手をつないでくれていた。私も二人に微笑みかけた。
幽閉と言っても、ユーリは自分を殺そうとしたメグリダ王子にも慈悲深かった。食事もキチンと支給するし、監視付きなら部屋の外に出る事も許していた。ノヴァは長年探していた弟のリュートが見つかって、嬉しくて仕方ないらしい。フォルトゥーナ、兄ちゃんが遊んでやるぞ。と言って忙しいリュートにまとわりついている。リュートは、そんなノヴァを、兄上また後で遊びましょうと言って優しく抱き上げるのだ。まるで仲のいい親子のようだ。私たちは着々と準備をしていた。それはトーランド国民に、新国王ユーリのお披露目をする事だ。そしてついにその日がやって来た。
その日はよく晴れた日だった。トーランド城は開門され、多くのトーランド国民が集まっていた。トーランド国民は皆、ある場所に注目していた。それは城に設けられたバルコニーだった。このバルコニーは、王族のお披露目がある場合に、王自ら前に出て国民に語りかけるのだ。ユーリはバルコニーに出る前、緊張した面持ちだった。無理もないだろう、トーランド国民はほとんどが人間だ。半獣人のユーリが国民に受け入れられるのか心配なのだろう。ここにはユーリを小さな頃から支えてくれていたリュートとダグはいない。リュートは、ユーリのお披露目のため城内の警護に目を光らせている。そしてダグは、ある事のために外に出ているのだ。私はユーリに緊張をほぐしてほしくて声をかけた。
「ユーリ、深呼吸して。今日の貴方はとっても立派で頼もしいわ」
私の言葉にユーリはクスリと笑った。私がお世辞を言ったと思ったのだろう。だけど私はお世辞なんかじゃなく本心からユーリの姿を褒めたのだ。今のユーリの姿は豪華な真紅のマントをはおり、頭には豪奢な王冠をのせている。どこから見ても、ユーリは立派なトーランド国王だ。ユーリは笑いながら、私に行ってきますと言うと、バルコニーに歩き出した。すると待ちかねていた国民たちがごう音のように叫んだ。ユーリ国王陛下バンザイと。私はバルコニーの陰からユーリの後ろ姿を見守る。ユーリはおうように手をあげ、国民の声援に応えた。国民たちの声が大きくなる。ユーリは国民の興奮がおさまるのを待った。そしてゆっくりと話し出した。その声は穏やかで凛としていた。
「親愛なるトーランドの民たちよ、余が聖女に示されてこのトーランド国王になったユーリである。余は半獣人だ。父である前国王と、獣人の間に生まれた子供だ」
国民たちはザワザワと囁き声を立てる。ユーリは、そのざわめきが収まってから、話し出した。
「余は幼い頃母親から離され、狭い部屋で隔離されて育った。暖かい言葉をかけられる事もなく、ただただ人間からの暴力を受けて育った。半獣人の兵士に助け出されなければ、余は生きてここにはいなかっただろう。余は幼い頃、怖くて苦しくて辛かった。誰かに助けてもらいたかった。そして半獣人の兵士に育てられ、言葉や文字を学ぶと、余にはある思いが生まれた。余のように苦しむ小さな子供がいない国にしたいと。悲願の通り、余はこのトーランド国の王になった。余は約束しよう、そなたたちトーランド国民一人一人が幸せに暮らせる国を」
国民たちは口々に、ユーリ国王陛下バンザイと叫んだ。そして人々が静かになると、またユーリは国民に語りかける。
「余はトーランド国民全員と言った。その中には、人間も獣人も半獣人も、そして戦争でこの国に連れてこられた捕虜たちも入っている」
トーランド国民たちはザワザワとどよめきだした。ユーリの言葉に不安になったのだろう。ユーリはゆっくりと言葉を続ける。
「今この国では、獣人と半獣人と捕虜は、奴隷として辛い暮らしをしている。獣人と半獣人は、その能力を使わせないために、拘束魔法具で拘束されている。そなたたちは獣人や半獣人の拘束魔法具を外すのをよく思わないと考える者たちもいるだろう。だが想像してもらいたい、もしそなたたちが獣人や半獣人、捕虜として奴隷にされていたら。自身の運命を、仕方ないと甘んじて受け入れるだろうか。余は違うと思う、奴隷としてしいたげられる事を悲しみ、苦しみ、そして怨む気持ちもあるだろう。勿論そなたたちの気持ちもよく理解している。誰だって自身と違う存在は恐ろしいと感じるだろう。だが自身の胸に手を当てて考えてもらいたい。人間にも、良い人間と悪い人間もいるだろう。獣人や半獣人、捕虜たちも同じではないだろうか」
トーランド国民たちは神妙な面持ちで、ユーリの言葉に聞き入っていた。ユーリは後ろを振り向くと、私の手をギュッと握ってうつむいていたティアナに手まねきする。私は、ティアナに声をかけそっと背中を押した。ティアナはこわばった顔でユーリのとなりに立った。ユーリはティアナの背に手を当て、話し出す。
「この娘は半獣人だ。この娘は人間の奴隷にされ、毎日理不尽な暴力を受けていた。ある時聖女に救われて、拘束魔法具の首輪を外された。だがこの半獣人の娘が半獣人の能力を使ったのは、人間の幼子を助ける時と、余とその仲間を助ける時にしか能力を使わなかった。親愛なるトーランド国民たちよ。いま一度、獣人と半獣人、捕虜たちに歩みよってはくれないだろうか、彼らの中には人間に危害を加えようと考えている者もいるかもしれない。だがそうでない者もいるのではないだろうか」
トーランド国民たちは静かだ。ユーリはティアナに笑顔を向けると、また話し出した。
「余はこの娘から恩を受けた。余が受けた恩は、必ず相手に返したいと思っている。この娘の願いは、生き別れた母と再び会う事だ。この娘の母親も奴隷としてすごしていた。余は娘の母親を探し出した、母親は今この国に向かっている。もう少しでこの城に到着するだろう。親愛なるトーランド国民たちよ、どうかこの健気な娘と母親との再会を、共に祝ってくれぬか」
沈黙していた国民たちから拍手が起こった。その拍手は次第に大きくなった。ユーリはティアナをうながした。後ろに控えていた私はティアナに手を差し出す。ティアナは私の手をつかんだ。その手がわずかに震えている。私はティアナに、大丈夫よ。と言った。ティアナは無言でうなずいた。私とティアナは、バルコニーに続く部屋から出て、階段を降りる。国民たちがいる、城内の広場に行くためだ。広場に出ると、兵士たちが国民を下がらせて道を作っていた。その道の奥から、一台の馬車がやって来た。馬車が止まり、運転していた兵士が座席から飛び降りて、馬車のドアを開け、手を差し出した。運転していた兵士はダグだった。馬車から一人の女性が降りてきた。豊かな赤い髪の美しい女性だった。私の手をつないでいたティアナが小さくつぶやく。ママ、と。私はティアナの背中を優しく押す。ティアナはゆっくりと歩き出し、しばらくしてから一目散に駆け出した。赤い髪の女性もティアナに気づき走ってくる。美しい親子は固く抱き合った。ティアナは泣きながらお母さんに言った。
「ママ、ママ、本当にママなの?もういなくなったりしない?目が覚めたらママがいないのはもう嫌だよう」
「ああ、ティアナ、ティアナ、私の宝物。もう二度と離さないわ」
ティアナのお母さんは、ティアナのおでこに頬に、キスの雨を降らせた。獣人と半獣人の親子の再会を目の当たりにしたトーランド国民たちの中にはすすり泣きをする人たちもいた。ダグの思い描いた、獣人と半獣人が怖い存在ではないという証明の第一歩だった。私は知らず涙があふれてきた。ティアナとお母さんがもう一度会えて本当に良かった。私の手に温かいものが触れた。下を見ると、セネカとヒミカが笑顔で私の手をつないでくれていた。私も二人に微笑みかけた。
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