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もう一人の仲間

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 これからすぐにでもドウマ国に乗り込みたいが、プリシラは心配するであろうマージとトビーに断ってから出発したかった。

 タップはゾウよりも大きくなり、プリシラ、チコとプッチ、サラとティア、エレナとガイオを乗せてマージ運送会社まで飛んでくれた。リベリオは自分で飛んでもらっている。

 マージ運送会社に到着して、事情を話すと、マージは不安な表情をしながらもプリシラたちを送り出してくれた。

「プリシラ、タップ、皆気をつけて行ってらっしゃい」

 プリシラは膝をまげてトビーの目線になって言った。

「トビー、私たちはこれからお姉ちゃんを助けに行ってくるから、マージさんの事お願いね?」

 トビーはふてくされたような顔をしてから叫んだ。

「プリシラ!俺もドウマ国に行く!」
「ダメよ!ドウマ国はとっても危険なの!」
「何だよ!エレナだって子供じゃねぇか!プリシラの姉ちゃんは俺の姉ちゃんでもあるんだよ!」

 プリシラは困ったようにトビーを見た。トビーの決意はかたかった。マージはトビーの肩に手を置いて言った。

「トビー、行ってきなさい。お前の力は人を助けるためのもの。皆を手伝ってあげるのよ?」

 叔母の言葉にトビーはしっかりうなずいた。プリシラはなおもトビーの同行に難色をしめしていたが、ガイオがトビーを見て言った。

「トビー。俺は近距離戦型だから、ずっとエレナの側にはいてやれない。エレナの事、守ってくれるか?」
「おう!任せとけ、ガイオのおっちゃん!エレナ、俺から離れるなよ?」
「うん。お願いね?トビー」

 プリシラの心配をよそに、トビーが仲間に加わった。

 エスメラルダ救出作戦のメンバーはそろった。メンバーの面々を見たリベリオがつぶやくように言った。

「女子供ばっかり。大人の男が二人しかいない」

 確かに一見すると、女性に子供ばかりだ。だが皆強い魔力を持った者たちだ。プリシラはタップにお願いして大きくなってもらい、メンバー全員を乗せてもらった。

 ドウマ国の場所は、リベリオが大体の場所を把握しているので、空間魔法を繰り返しながら、目的地付近まで連れて行ってくれた。

 空間魔法を出て、広大な森の上にプリシラたちが出ると、リベリオが真剣な表情で言った。

「これからはドウマ国のテリトリーだ。気づかれないように国を探そう」

 飛行魔法のできない者はタップの背中からドウマ国を探し、飛行魔法のできるプリシラ、リベリオ、トビーは手分けしてドウマ国を探した。

 プリシラたちはしばらく空から地上を調べていると、トビーが大きく手を振った。トビーの側に集まり、彼が指差す先を見ると、そこには集落といってもいい町があった。

 
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