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プリシラの決意
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「ドリス王女さま!お話があります!」
プリシラはタップの背中に乗ったまま大きなガラス窓をバンバンと叩いた。ちょうどドリスは部屋にいたとみえて、すぐに窓を開けてくれた。
プリシラは自分に浮遊魔法をかけて室内に入りこむと、ドリスへのあいさつもしないで言った。
「ドリス王女!姉にドウマ国の制圧を命じたのは本当ですか?!」
「おい、プリシラ。いくらお前でも、王女の部屋に窓から入るなど無礼であろう。まったく姉妹そろって礼儀がなっておらん。わたくしがエスメラルダに命じたのは、ドウマ国の偵察だ。制圧ではない」
ドリスは面倒くさそうにプリシラを見て答えた。プリシラはこわばった顔をくずさないまま言った。
「聡明なドリス王女なら、姉の性格を熟知してらっしゃるではありませんか。姉はきっとドウマ国を一人で制圧するはずです」
プリシラの言葉にドリス王女はニヤリと笑った。やはりエスメラルダが暴走するとふんでの計画だったのだろう。
プリシラは片膝をついてドリスの前で低頭して言った。
「ドリス王女、お願いがございます。わたくしにドウマ国制圧の許可をください」
「何だ、プリシラ。争い事を好まないお前がドウマ国を潰すだと?」
「はい。ドウマ国の魔法使いは、わたくしもあいまみえましたが、一筋縄ではいかない者たちにございます。姉にもしもの事があってはいけません」
「うむ。だが心配はいらないのではないか?あのエスメラルダだぞ?」
「いえ、今回は姉を一人にしてはいけない気がするのです!」
プリシラはたまらず立ち上がると、ドリスの目を見つめながら言うと、ドリスは驚いた顔になった。
「申し訳ありません、ドリス王女。プリシラはお姉さんの事になると少し暴走してしまうんです」
プリシラの肩に誰かが手を置いた。振り向くとサラが困り顔をしてドリスに謝った。どうやらタップがサラとチコを部屋に連れて来たようだ。プリシラのとなりに小柄なチコか立ち、ニヤニヤ笑いながら言った。
「そうなんですよ、ドリス王女。プリシラはお姉ちゃん大好きっ子なんでぇ、止めても一人でドウマ国に行っちゃうから許可を出しておいた方がいいですよ?」
「うむ。エスメラルダの方がシスコンの権化だと思っていたら、プリシラもずいぶんと痛い子だったのだな」
「そうそう。お姉さんのインパクトが強すぎてあまり目立たないけど、重度のシスコンなんですぅ」
チコとドリスは苦笑まじりに話している。ひょっとしてプリシラは侮辱されているのだろうか。ドリスはため息をつきながら言った。
「まったく。エスメラルダもバカだのぉ。妹にこんなに慕われているというのに」
「ドリス王女!いくら貴女さまでも姉を愚弄する事は許しませんよ!」
「大声を出すな、プリシラ。そういう意味ではない。エスメラルダがわたくしの元を去る時、様子がおかしくてな。そんな事ではプリシラに嫌われるぞ、と冗談を言ったら、がらにもなく顔を真っ青にさせていたのだ」
やはりドリスから見てもエスメラルダの様子はおかしかったのだ。プリシラは早く姉のところに行きたかった。
プリシラはタップの背中に乗ったまま大きなガラス窓をバンバンと叩いた。ちょうどドリスは部屋にいたとみえて、すぐに窓を開けてくれた。
プリシラは自分に浮遊魔法をかけて室内に入りこむと、ドリスへのあいさつもしないで言った。
「ドリス王女!姉にドウマ国の制圧を命じたのは本当ですか?!」
「おい、プリシラ。いくらお前でも、王女の部屋に窓から入るなど無礼であろう。まったく姉妹そろって礼儀がなっておらん。わたくしがエスメラルダに命じたのは、ドウマ国の偵察だ。制圧ではない」
ドリスは面倒くさそうにプリシラを見て答えた。プリシラはこわばった顔をくずさないまま言った。
「聡明なドリス王女なら、姉の性格を熟知してらっしゃるではありませんか。姉はきっとドウマ国を一人で制圧するはずです」
プリシラの言葉にドリス王女はニヤリと笑った。やはりエスメラルダが暴走するとふんでの計画だったのだろう。
プリシラは片膝をついてドリスの前で低頭して言った。
「ドリス王女、お願いがございます。わたくしにドウマ国制圧の許可をください」
「何だ、プリシラ。争い事を好まないお前がドウマ国を潰すだと?」
「はい。ドウマ国の魔法使いは、わたくしもあいまみえましたが、一筋縄ではいかない者たちにございます。姉にもしもの事があってはいけません」
「うむ。だが心配はいらないのではないか?あのエスメラルダだぞ?」
「いえ、今回は姉を一人にしてはいけない気がするのです!」
プリシラはたまらず立ち上がると、ドリスの目を見つめながら言うと、ドリスは驚いた顔になった。
「申し訳ありません、ドリス王女。プリシラはお姉さんの事になると少し暴走してしまうんです」
プリシラの肩に誰かが手を置いた。振り向くとサラが困り顔をしてドリスに謝った。どうやらタップがサラとチコを部屋に連れて来たようだ。プリシラのとなりに小柄なチコか立ち、ニヤニヤ笑いながら言った。
「そうなんですよ、ドリス王女。プリシラはお姉ちゃん大好きっ子なんでぇ、止めても一人でドウマ国に行っちゃうから許可を出しておいた方がいいですよ?」
「うむ。エスメラルダの方がシスコンの権化だと思っていたら、プリシラもずいぶんと痛い子だったのだな」
「そうそう。お姉さんのインパクトが強すぎてあまり目立たないけど、重度のシスコンなんですぅ」
チコとドリスは苦笑まじりに話している。ひょっとしてプリシラは侮辱されているのだろうか。ドリスはため息をつきながら言った。
「まったく。エスメラルダもバカだのぉ。妹にこんなに慕われているというのに」
「ドリス王女!いくら貴女さまでも姉を愚弄する事は許しませんよ!」
「大声を出すな、プリシラ。そういう意味ではない。エスメラルダがわたくしの元を去る時、様子がおかしくてな。そんな事ではプリシラに嫌われるぞ、と冗談を言ったら、がらにもなく顔を真っ青にさせていたのだ」
やはりドリスから見てもエスメラルダの様子はおかしかったのだ。プリシラは早く姉のところに行きたかった。
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