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戦い再び2
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「おいでなすった!」
リベリオは素早く五個のクリスタルの上に手をかざし、呪文を唱えた。クリスタルは五つの方向に飛んで行ったかと思うと、プリシラたちの周りが、突然透明なドームによって包まれた。
リベリオの作った結界だ。ローブの魔法使いたちは、浮遊魔法を維持できなくなったとみえて、地上に着地した。
タップとプッチとティアは、プリシラたちを守るように前に出た。
『おうおう、よくも俺たちの大事な契約者をいたぶってくれたなぁ』
『このお礼はたっぷりしてあげる!』
『覚悟しなさい?!』
タップは風攻撃魔法を、プッチは鉱物攻撃魔法でたくさんの刃を作り出し、ティアは火のかたまりを無数に作り出した。
タップたちは一斉に魔法使いたちに攻撃を放った。魔法使いたちは、魔力を低下された状態で、必死に防御魔法を張った。だが精霊と霊獣の魔力には勝てなかったようで、魔法使いたちが張った防御魔法の壁には、メキメキと亀裂が入り出した。
『よし!もういっちょ!』
タップの号令により、精霊と霊獣は攻撃魔法を続けた。ついに魔法使いたちの防御魔法は完全に破壊された。チコがすかさずプッチに指示した。
「プッチ!植物ツタ魔法で魔法使いたちを拘束して!」
『オッケー!』
プッチの足元から、無数の植物のツタが伸び出し、目の前の魔法使いたちに巻きついた。
プリシラたちは魔法使いたちに勝利したのだ。チコは歓声をあげて、プッチを肩に乗せて、魔法使いたちに駆け寄った。タップを抱き上げたプリシラと、ティアを抱いたサラも続く。
プリシラは魔法使いたちを見て、あっと声をあげた。魔法使いたちは、石のように固まって動かなくなっていたのだ。
プリシラは呪文を唱え続けているリベリオに、魔法使いたちの様子を話した。リベリオは呪文を唱えるのをやめると、結界のドームは消え失せた。
魔法使いたちの状態を見たリベリオは、小さく舌打ちして言った。
「石化魔法だ。こいつらはどんな事をしても元に戻らない。こいつらがかけた魔法が解除されないかぎり」
「じゃあこの魔法使いたちは、ずっとこのままなの?」
「ああ、魔法使いたちが自分にかけた石化魔法が十年なのか百年なのかわからないが、その年月が経過するまでこのままだ。騎士団に連れて行って、誘拐の件を白状させたかったのになぁ。こんな奴ら騎士団に連れて行ったら、気味の悪いオブジェになっちまう」
リベリオはくたびれたようにぼやいてから、厳しい表情になった。
「やられた」
「?。何がらやられたの?」
「プリシラ、見てみろ。魔法使いの数。石化しているのは五人しかいない。一人逃げたんだ」
石化した魔法使いを見てプリシラもハッとした。一人逃げたという事は、姉のエスメラルダの危険はこれからも続くという事だ。
プリシラはもう一人魔力の強い娘の事を思い出した。パルヴィス公爵家でメイドをしているエレナの事を。彼女は歌った歌が現実になるという、たぐいまれなる強い魔力の持ち主だ。
これから姉のエスメラルダとエレナに危機がおとずれるかもしれない。プリシラは二人を守らなければと強く思った。
リベリオは素早く五個のクリスタルの上に手をかざし、呪文を唱えた。クリスタルは五つの方向に飛んで行ったかと思うと、プリシラたちの周りが、突然透明なドームによって包まれた。
リベリオの作った結界だ。ローブの魔法使いたちは、浮遊魔法を維持できなくなったとみえて、地上に着地した。
タップとプッチとティアは、プリシラたちを守るように前に出た。
『おうおう、よくも俺たちの大事な契約者をいたぶってくれたなぁ』
『このお礼はたっぷりしてあげる!』
『覚悟しなさい?!』
タップは風攻撃魔法を、プッチは鉱物攻撃魔法でたくさんの刃を作り出し、ティアは火のかたまりを無数に作り出した。
タップたちは一斉に魔法使いたちに攻撃を放った。魔法使いたちは、魔力を低下された状態で、必死に防御魔法を張った。だが精霊と霊獣の魔力には勝てなかったようで、魔法使いたちが張った防御魔法の壁には、メキメキと亀裂が入り出した。
『よし!もういっちょ!』
タップの号令により、精霊と霊獣は攻撃魔法を続けた。ついに魔法使いたちの防御魔法は完全に破壊された。チコがすかさずプッチに指示した。
「プッチ!植物ツタ魔法で魔法使いたちを拘束して!」
『オッケー!』
プッチの足元から、無数の植物のツタが伸び出し、目の前の魔法使いたちに巻きついた。
プリシラたちは魔法使いたちに勝利したのだ。チコは歓声をあげて、プッチを肩に乗せて、魔法使いたちに駆け寄った。タップを抱き上げたプリシラと、ティアを抱いたサラも続く。
プリシラは魔法使いたちを見て、あっと声をあげた。魔法使いたちは、石のように固まって動かなくなっていたのだ。
プリシラは呪文を唱え続けているリベリオに、魔法使いたちの様子を話した。リベリオは呪文を唱えるのをやめると、結界のドームは消え失せた。
魔法使いたちの状態を見たリベリオは、小さく舌打ちして言った。
「石化魔法だ。こいつらはどんな事をしても元に戻らない。こいつらがかけた魔法が解除されないかぎり」
「じゃあこの魔法使いたちは、ずっとこのままなの?」
「ああ、魔法使いたちが自分にかけた石化魔法が十年なのか百年なのかわからないが、その年月が経過するまでこのままだ。騎士団に連れて行って、誘拐の件を白状させたかったのになぁ。こんな奴ら騎士団に連れて行ったら、気味の悪いオブジェになっちまう」
リベリオはくたびれたようにぼやいてから、厳しい表情になった。
「やられた」
「?。何がらやられたの?」
「プリシラ、見てみろ。魔法使いの数。石化しているのは五人しかいない。一人逃げたんだ」
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プリシラはもう一人魔力の強い娘の事を思い出した。パルヴィス公爵家でメイドをしているエレナの事を。彼女は歌った歌が現実になるという、たぐいまれなる強い魔力の持ち主だ。
これから姉のエスメラルダとエレナに危機がおとずれるかもしれない。プリシラは二人を守らなければと強く思った。
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