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戦い再び
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プリシラはチコとサラの話しを注意深く聞いていた。魔法使いたちの目的は、あくまでも魔力の強い娘を探す事のようだ。プリシラたちのようなエレメント使いではだめらしい。
プリシラはぐったりしているチコとサラから、視線をリベリオに移した。リベリオは先ほどから、しきりに小声で何かの呪文を唱えていた。
腰につけている小さな袋から、手のひらに乗るくらいのクリスタルの原石を五個取り出し、一つ一つ手に取って呪文を唱えているのだ。
小さな袋は、クリスタル一つ入るのがやっとだろう。リベリオは小さな袋にも何らかの魔法をかけて、物がたくさん入るようにしているようだ。
プリシラはリベリオの呪文がひと段落してから声をかけた。
「ねぇ、リベリオ。あの魔法使いたちの目的は何なのかしら?」
「目的はわからない。だが奴らが何者なのかはわかるぜ」
「えっ?!リベリオはあの魔法使いたちが誰だかわかるの?!」
「ああ。奴らのひたいに、十字の刺青が入っていただろ?奴らはドウマ国の魔法使いだ」
「ドウマ国?」
「聞いた事ないか?」
プリシラとチコとサラは顔を見合わせてから、首を振った。リベリオはうなずいてから答えた。
「ドウマ国といっても、近隣諸国から認められている国家というわけじゃないんだ。自治区というのかな。魔力の強い魔法使いたちが寄り集まって、国と言い張っているんだ」
「何だ、そんな奴らたいした事ないじゃない」
楽観的なチコが口を挟んだ。リベリオは小さくため息をついてから答えた。
「そういうわけにはいかない国なんだ。ドウマ国の奴らは、高い魔力を武器として、近隣諸国に圧力をかけているんだ。自分たちに逆らえば攻撃するぞ、と。だからドウマ国に近い国々は、奴らを敬遠している。ウィード国にしても、面倒を起こしたくないから、不可侵条約を結んでいる。結構な代金を払ってな」
「それって当たり屋のゆすりたかりね」
サラが顔をしかめて言った。リベリオもうなずく。
「ああ。ウィード国はドウマ国と条約を結んでいるんだ。その国で堂々と娘さんを誘拐しようだなんて、条約違反だ」
プリシラはふんふんとうなずいてから、気になっていた事を聞いた。
「ねぇ、リベリオ。どうしてここにいるの?」
「それはねぇ、これからの戦いに備えるためだよ」
「戦い?!」
「そう。さっき空間魔法を使った時、わざとらしくならないように足跡をつけておいたんだ。奴らはいずれここに来るよ」
「ちょっと!せっかく逃げられたのに!何でそんな事するのよ!」
疲れてイライラしているチコが怒鳴る。リベリオはため息をつきながら答えた。
「チコとサラか言っちゃったんだろ?プリシラのお姉さんは高い魔力を持った魔女だって。奴らは血まなこになってプリシラを探すだろう。だったら今ここで迎え撃って、捕まえてしまったほうがいい。奴ら六人全員捕まえて騎士団に突き出してやる」
「で、でも、さっきみたいに、また結界に閉じ込められたらどうしましょう」
サラが心配そうに質問した。リベリオは笑って答える。
「手は打ってある。奴らは俺が間抜けな魔法使いだと思って急いで追いかけてくるだろう。そこをつくのさ」
「リベリオ、どうやるの?」
プリシラが心配しながら聞くと、リベリオがクリスタルの一つを持ち上げて言った。
「奴らの魔法を模倣するのさ。奴らが現れたら、俺の結界に閉じ込める。だが急ごしらえの結界魔法だから、奴らの魔力を低下させるが、プリシラたちも魔法が使えなくなる」
「ちょっと!私たちがまた危険にさらされるじゃない!」
いきどおるチコに、リベリオは人差し指を振りながら、チッチと舌を鳴らした。
「俺も結界魔法にかかりきりになるから、魔法使いたちに応戦できない。だがな、俺たちには強い味方がいるじゃないか。精霊と霊獣がさ」
『へへん。わかってんじゃねぇか青二才!』
『そうよ!私たちだってやられっぱなしじゃないんだから』
『サラを危険にさらした報いは受けさせてやるんだからね!』
リベリオの言葉に、タップとプッチとティアが同調した。その直後、プリシラたちの上空にローブを着た魔法使いたちが現れた。
プリシラはぐったりしているチコとサラから、視線をリベリオに移した。リベリオは先ほどから、しきりに小声で何かの呪文を唱えていた。
腰につけている小さな袋から、手のひらに乗るくらいのクリスタルの原石を五個取り出し、一つ一つ手に取って呪文を唱えているのだ。
小さな袋は、クリスタル一つ入るのがやっとだろう。リベリオは小さな袋にも何らかの魔法をかけて、物がたくさん入るようにしているようだ。
プリシラはリベリオの呪文がひと段落してから声をかけた。
「ねぇ、リベリオ。あの魔法使いたちの目的は何なのかしら?」
「目的はわからない。だが奴らが何者なのかはわかるぜ」
「えっ?!リベリオはあの魔法使いたちが誰だかわかるの?!」
「ああ。奴らのひたいに、十字の刺青が入っていただろ?奴らはドウマ国の魔法使いだ」
「ドウマ国?」
「聞いた事ないか?」
プリシラとチコとサラは顔を見合わせてから、首を振った。リベリオはうなずいてから答えた。
「ドウマ国といっても、近隣諸国から認められている国家というわけじゃないんだ。自治区というのかな。魔力の強い魔法使いたちが寄り集まって、国と言い張っているんだ」
「何だ、そんな奴らたいした事ないじゃない」
楽観的なチコが口を挟んだ。リベリオは小さくため息をついてから答えた。
「そういうわけにはいかない国なんだ。ドウマ国の奴らは、高い魔力を武器として、近隣諸国に圧力をかけているんだ。自分たちに逆らえば攻撃するぞ、と。だからドウマ国に近い国々は、奴らを敬遠している。ウィード国にしても、面倒を起こしたくないから、不可侵条約を結んでいる。結構な代金を払ってな」
「それって当たり屋のゆすりたかりね」
サラが顔をしかめて言った。リベリオもうなずく。
「ああ。ウィード国はドウマ国と条約を結んでいるんだ。その国で堂々と娘さんを誘拐しようだなんて、条約違反だ」
プリシラはふんふんとうなずいてから、気になっていた事を聞いた。
「ねぇ、リベリオ。どうしてここにいるの?」
「それはねぇ、これからの戦いに備えるためだよ」
「戦い?!」
「そう。さっき空間魔法を使った時、わざとらしくならないように足跡をつけておいたんだ。奴らはいずれここに来るよ」
「ちょっと!せっかく逃げられたのに!何でそんな事するのよ!」
疲れてイライラしているチコが怒鳴る。リベリオはため息をつきながら答えた。
「チコとサラか言っちゃったんだろ?プリシラのお姉さんは高い魔力を持った魔女だって。奴らは血まなこになってプリシラを探すだろう。だったら今ここで迎え撃って、捕まえてしまったほうがいい。奴ら六人全員捕まえて騎士団に突き出してやる」
「で、でも、さっきみたいに、また結界に閉じ込められたらどうしましょう」
サラが心配そうに質問した。リベリオは笑って答える。
「手は打ってある。奴らは俺が間抜けな魔法使いだと思って急いで追いかけてくるだろう。そこをつくのさ」
「リベリオ、どうやるの?」
プリシラが心配しながら聞くと、リベリオがクリスタルの一つを持ち上げて言った。
「奴らの魔法を模倣するのさ。奴らが現れたら、俺の結界に閉じ込める。だが急ごしらえの結界魔法だから、奴らの魔力を低下させるが、プリシラたちも魔法が使えなくなる」
「ちょっと!私たちがまた危険にさらされるじゃない!」
いきどおるチコに、リベリオは人差し指を振りながら、チッチと舌を鳴らした。
「俺も結界魔法にかかりきりになるから、魔法使いたちに応戦できない。だがな、俺たちには強い味方がいるじゃないか。精霊と霊獣がさ」
『へへん。わかってんじゃねぇか青二才!』
『そうよ!私たちだってやられっぱなしじゃないんだから』
『サラを危険にさらした報いは受けさせてやるんだからね!』
リベリオの言葉に、タップとプッチとティアが同調した。その直後、プリシラたちの上空にローブを着た魔法使いたちが現れた。
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