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リベリオ対最恐魔女

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 プリシラの姉の攻撃魔法は、確実にリベリオの防御ドームの一点を狙い続けていた。次第に防御ドームに亀裂が入り始めてきた。この次に攻撃魔法を受ければ、防御ドームは破壊されてしまうだろう。

 リベリオは小さな空間の出入り口を作り出すと、その中に飛び込んだ。空間が閉じようとした時、ガラスが割れるような、激しい音を耳にした。

 リベリオはエスメラルダから十分離れた、彼女の背後に空間の出入り口を作り、ゆっくりと空中に出た。エスメラルダは、リベリオのドームが破壊されて、リベリオがいない事に気づいたようだ。

 女性に攻撃魔法をしかけるのは気が引けるが、このままではリベリオは殺されてしまう。リベリオは小さく呪文を唱え、手の中に風のかたまりを作り出した。リベリオは風のかたまりをエスメラルダの背後に投げつけた。

 万一エスメラルダに風魔法が当たっても、リベリオはすぐさま空中で彼女を助ける事ができると考えたからだ。だがその心配は無用だった。リベリオの風攻撃魔法がエスメラルダの背中に当たる直前、見えない何かに当たり、リベリオの魔法は無効化されてしまった。

 どうやらエスメラルダは、リベリオが空間魔法で自身の背後に移動した事に気づいていたようだ。エスメラルダは艶然と微笑んでリベリオに言った。

「なぁに?今の攻撃。ひょっとして私にケガさせないようにと、手加減したの?ずいぶん余裕ね?貴方はこれから私に消滅させられるというのに」

 エスメラルダは右手を少しあげた。何らかの攻撃魔法を発動させたようだ。リベリオは素早く風防御魔法の呪文を唱えた。

 エスメラルダの周りに、たくさんの鉄の刃が出現した。土鉱物魔法だ。

 リベリオは土魔法は、植物を生成したり、物質を作り出す時に使う。だがエスメラルダは攻撃に転用しているのだ。

 エスメラルダが指揮者のように手を振ると、鋭い刃は一斉にリベリオの風防御ドームに突き刺さった。リベリオの張った防御ドーム一面にヒビが入った。

 リベリオは防御ドームが完全に破壊される前に、ドームから抜け出し、自身が飛べる最速の速さで空を飛んだ。逃げるためではない。エスメラルダから一旦距離を取るためだ。

 エスメラルダは、リベリオがプリシラに二度と会わないと宣言するまで攻撃をやめないだろう。ならばリベリオの最大の魔法で、エスメラルダに一矢報いたい。

 リベリオは空中にとどまると、意識を集中した。
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