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セミル対イエーリ
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「防御魔法が壊れるぞ?準備はいいか?ユリス」
「はい!」
「俺はあのイエーリって野郎をぶっ倒す。ユリスは十四人の魔法使いの保護を頼む、できるか?」
「はい!師匠の魔法を盗みます」
セミルとユリスのかけあいの後ガラスが割れるような鋭い音と共に防御魔法が破壊された。
セミルは片手をあげて火防御魔法を発動した。セミルとユリスの目の前に、炎の壁が出現する。十四人の魔法使いが繰り出す鉄の刃は瞬時に溶かされた。
ユリスは素早く呪文を詠唱し、両手を前に突き出した。目の前の十四人の魔法使いは、三つの防御魔法の球体の中に閉じ込められた。二つには五人、一つには四人。セミルが以前ユリスとフィンとブランを閉じ込めた防御魔法の結界だ。十四人の魔法使いは、ユリスの結界内で魔法が使えなくなり、球体の底に折り重なって倒れた。
ユリスはセミルの魔法を見事再現したのだ。セミルは嬉しくなってユリスに言った。
「よし!ユリス、そのまま下に降りてその場で待機しろ」
「・・・。師匠、それはできません」
「ん?何でだ?」
「この防御魔法と結界魔法を混ぜた魔法、初めてやったんです。このまま維持するのがやっとです。少しでも動かしたら魔法が解除されてしまいます」
「・・・、よし分かった。三分このままでいろ。その間にイエーリを倒す」
ユリスは歯を食いしばりながらうなずいた。セミルはユリスを防御魔法の球体で包むと飛行魔法で高度をあげた。
イエーリは突然操っていた魔法使いたちが動かせなくなった事に驚いて叫んでいた。
「何でコイツらは俺の指示通りに行動しないのだ。ハッ、この防御魔法はただの防御魔法ではないな?!俺の魔法を無効化しているのか?!」
「ご名答!」
セミルは笑って言うと速度をあげ、イエーリの側まで近づくと、力いっぱいイエーリの頬をぶん殴った。イエーリは無防備に空中にとどまっていたため、ポーンと吹っ飛んでしまった。だが地面に落下はせず、すんでの所で体制を立て直して叫んだ。
「おいセミル!何で殴るんだ!魔法使いなら魔法で攻撃してこい!」
「嫌だね!俺はテメェにムカついてんの!ボコボコにぶん殴らなきゃ気がすまねぇの!」
セミルは火魔法で体力を向上させ、イエーリ飛びかかった。こぶしとケリをイエーリに打ち込むと、面白いほど命中した。ユリスとフィンの武闘の練習に、たまにセミルも加わっていたのだ。若い二人には体力がついていかないが、セミルよりも歳がいっていると思われるイエーリをぶん殴るには問題はない。
弱らせてから拘束し、騎士団に突き出してやろうとセミルが考えていると、イエーリが鼻血をたらしながらニヤリと笑って言った。
「おい。お前の弟子そろそろ限界のようだぞ?」
セミルがチラリと下を見ると、ユリスが維持している三つの防御魔法の球体が落ちそうだった。セミルがイエーリに視線を戻すと、強力な攻撃魔法を三つの球体に放っていた。
セミルは瞬間的にイエーリの攻撃魔法を防御魔法で防いだ。その一瞬すきができた。イエーリは空間魔法でその場から姿を消してしまった。
セミルは舌打ちをした。だが今はユリスと魔法使いの保護が最優先だ。セミルは魔法使いが入った三つの防御魔法の球体を一つの防御魔法でくるんだ。そしてヘトヘトになっているユリスに魔法の解除の指示をした。
「はい!」
「俺はあのイエーリって野郎をぶっ倒す。ユリスは十四人の魔法使いの保護を頼む、できるか?」
「はい!師匠の魔法を盗みます」
セミルとユリスのかけあいの後ガラスが割れるような鋭い音と共に防御魔法が破壊された。
セミルは片手をあげて火防御魔法を発動した。セミルとユリスの目の前に、炎の壁が出現する。十四人の魔法使いが繰り出す鉄の刃は瞬時に溶かされた。
ユリスは素早く呪文を詠唱し、両手を前に突き出した。目の前の十四人の魔法使いは、三つの防御魔法の球体の中に閉じ込められた。二つには五人、一つには四人。セミルが以前ユリスとフィンとブランを閉じ込めた防御魔法の結界だ。十四人の魔法使いは、ユリスの結界内で魔法が使えなくなり、球体の底に折り重なって倒れた。
ユリスはセミルの魔法を見事再現したのだ。セミルは嬉しくなってユリスに言った。
「よし!ユリス、そのまま下に降りてその場で待機しろ」
「・・・。師匠、それはできません」
「ん?何でだ?」
「この防御魔法と結界魔法を混ぜた魔法、初めてやったんです。このまま維持するのがやっとです。少しでも動かしたら魔法が解除されてしまいます」
「・・・、よし分かった。三分このままでいろ。その間にイエーリを倒す」
ユリスは歯を食いしばりながらうなずいた。セミルはユリスを防御魔法の球体で包むと飛行魔法で高度をあげた。
イエーリは突然操っていた魔法使いたちが動かせなくなった事に驚いて叫んでいた。
「何でコイツらは俺の指示通りに行動しないのだ。ハッ、この防御魔法はただの防御魔法ではないな?!俺の魔法を無効化しているのか?!」
「ご名答!」
セミルは笑って言うと速度をあげ、イエーリの側まで近づくと、力いっぱいイエーリの頬をぶん殴った。イエーリは無防備に空中にとどまっていたため、ポーンと吹っ飛んでしまった。だが地面に落下はせず、すんでの所で体制を立て直して叫んだ。
「おいセミル!何で殴るんだ!魔法使いなら魔法で攻撃してこい!」
「嫌だね!俺はテメェにムカついてんの!ボコボコにぶん殴らなきゃ気がすまねぇの!」
セミルは火魔法で体力を向上させ、イエーリ飛びかかった。こぶしとケリをイエーリに打ち込むと、面白いほど命中した。ユリスとフィンの武闘の練習に、たまにセミルも加わっていたのだ。若い二人には体力がついていかないが、セミルよりも歳がいっていると思われるイエーリをぶん殴るには問題はない。
弱らせてから拘束し、騎士団に突き出してやろうとセミルが考えていると、イエーリが鼻血をたらしながらニヤリと笑って言った。
「おい。お前の弟子そろそろ限界のようだぞ?」
セミルがチラリと下を見ると、ユリスが維持している三つの防御魔法の球体が落ちそうだった。セミルがイエーリに視線を戻すと、強力な攻撃魔法を三つの球体に放っていた。
セミルは瞬間的にイエーリの攻撃魔法を防御魔法で防いだ。その一瞬すきができた。イエーリは空間魔法でその場から姿を消してしまった。
セミルは舌打ちをした。だが今はユリスと魔法使いの保護が最優先だ。セミルは魔法使いが入った三つの防御魔法の球体を一つの防御魔法でくるんだ。そしてヘトヘトになっているユリスに魔法の解除の指示をした。
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