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マテウス

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 ユリスは自分に新たな魔法を見せてくれたマテウスに感謝した。そして自分も彼に誠意をしめさなければいけないと思った。

 ユリスは自身が編み出した最大の魔法をマテウスに披露しなければと思った。ユリスは炎の鳥を出現させた。

 炎の鳥はゆうぜんと空中を旋回してマテウスに炎魔法攻撃をした。マテウスは氷防御魔法で炎攻撃魔法を防いだ。だが炎の鳥の攻撃が強力すぎて、氷防御魔法が割れ出した。

 マテウスは自身の敗北を知ったようで負けを宣言した。

 ユリスは地面に着地して炎の鳥を解除した。ユリスは防御魔法を解除して肩で息をしているマテウスに手を差し出した。マテウスはユリスの手を握って言った。

「すごいな君の魔法。完敗だよ」
「いや、マテウスの魔法もすごかったよ」
「おい、僕の渾身の火魔法をすぐに再現してしまう君に言われてもねぇ」

 マテウスは笑顔で言った。マテウスはとても気持ちのいい少年のようだ。

 実技の授業はフィンとユリスが生徒たちと対戦したのみで終わってしまった。だがユリスには大きな収穫があった。マテウスは間違いなく魔力の強い上級生、セミルのいっていた生徒だ。

 ユリスはマテウスと親しくならなければならなかった。さてどうやって彼に近づこうかと考えていると、意外にも彼の方から近づいて来た。

 ユリスとフィンが魔法薬の授業を終えて教室を出ようとした時声をかけられた。ユリスが振り向くとマテウスだった。

「ユーリ、グリフィン。ちょっといいか?」

 マテウスの後ろには女生徒がいた。マテウスは彼女を同級生のマリンだと紹介した。二人は幼馴染なのだそうだ。

 マテウスはユリスたちを食堂に案内してくれた。昼食を一緒にしようというのだ。これはチャンスだと思ったが、同時にピンチでもあった。マテウスと一緒に食事をして仲良くなれるのは良いが、そうなると学校で出される食事を食べなければいけない。ユリスが悩んでいると、フィンが言った。

「僕もマテウスたちとご飯一緒に食べたいよ。セミルに言ってランチボックス作ってもらおうよ」

 フィンの言葉にユリスはハッとしてマテウスに言った。

「いいね!だけど僕たち兄弟はすごいアレルギー持ちなんだ。だから食事はすべてメイドが作った料理しか食べられないんだ」
「えっ!ユーリたちは学校外に食事を食べに行くの?」

 マテウスは首をかしげて質問した。ユリスはうんうんとうなずいて答えた。

「ああ。僕が空間魔法で自分の屋敷とつなげて、食事の時だけ屋敷に帰るんだ」
「え?!ユーリは空間魔法も使えるのか?!」

 ユリスの言葉にマテウスが叫んだ。横にいたフィンは不思議そうに言った。

「?。空間魔法は魔法使いなら皆使えるんじゃないの?」
「そんなわけないだろ?とても高等な魔法だ!空間の固定に失敗したら人間が空間の出入り口を通ろうとした時真っ二つにされちまうよ!」

 マテウスの言葉にフィンは顔を青ざめて言った。

「知らなかった。ユリスもセミルも簡単そうに使っているから」

 ユリスはコホンとせきをした。フィンはユリスの名前もセミルの名前も言ってしまっている。ユリスはフィンの手を引っ張って、食堂に行く事をマテウスたちに約束して教室を出た。
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