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登校初日

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 翌日ユリスはセミルの声で目を覚ました。ここは一体どこだろう。今では慣れ親しんでしまったセミルの魔法のテントにある部屋ではない。

 ユリスは豪華なベッドで寝ていた。横のベッドではフィンが寝ていて中々起きない。セミルが顔をしかめて言った。

「ほら起きろお前たち。今日から学校だろう」

 ユリスは眠い目をこすりながら、セミルの作った空間魔法を通りいつもの場所で身支度をし、セミルの作った朝食を食べた。

 本来ならメディーナ魔法学校内での学食で朝食を食べるのだが、食事に魔法薬をしこまれているかもしれないので用心のためだ。

 学生寮に戻ると、フィンの服を土魔法で制服に変えた。メディーナ魔法学校の制服は、黒をきちょうとしたスーツだった。ネクタイの色で学年がわかる。ユリスとフィンは最高学年の濃いグリーンだった。

 ユリスとフィンは制服を着込み、授業を受けるため教室に向かった。教室にはユリスとフィンと同い年くらいの生徒が沢山着席していた。ユリスとフィンは後ろの席に座り、授業を受けた。

 高学年の魔法学は難しかった。ユリスは理解できたが、魔法学の初級しか学んでいないフィンにはチンプンカンプンらしく首をひねっていた。ユリスは小声でフィンに追加の説明をした。

 ユリスとフィンは授業のカリキュラムを見て、学んでみたい授業を受けていった。ユリスは基本的に魔法学と魔法の実技しか習わなかったので、魔法薬学は目新しく楽しかった。

 その日ユリスは充実した学生生活を過ごした。が、師匠であるセミルから言われた事を何一つできていなかった。授業がすべて終わり、ユリスたちが自室に戻るとセミルがやって来て夕飯だとつげた。

 フィンは今日の授業の事を、しきりにセミルとブランに説明していた。ユリスはひかえめにセミルにまだ何も調べられていない事をつげた。セミルはそれでいいと答えた。

「お前たちは学校に突然やってきた異分子だ。いずれ学生たちが接触してくるだろう。それまでお前たちは学生らしくしっかり勉強しろ」

 ユリスとフィンはうなずいて学生寮に戻った。
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