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魔法修行1

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 ユリスは師であるセミルに聞いた。

「師匠、具体的に僕は何をすればいいのですか?」
「そうだな!まずはフィンと武闘の訓練だ」
「えっ?!またフィンと戦うんですか?僕は体力が無いから、フィンが相手じゃ話しになりません」
「まぁ待て。フィン」

 セミルはフィンに声をかけた。フィンがセミルの側に近寄る。セミルはフィンに向き直って言った。

「おい、フィン。俺と武闘で対決しろ」
「ええっ!?セミル弱いから僕嫌だよ。また肋骨折りたくないもの」
「最初から失礼だな、フィン。あの時はありがとよ、よくも俺の肋骨折ってくれたな」
「あはは。セミルは執念深いね!」
「あたぼうよ!俺はフィンに武闘で負けてすごく悔しかったの!だからバンダの国の田舎の武闘道場に通ったんだ」
「へぇ?セミル強くなったの?」
「いいや、訓練がキツくて三日で辞めた」
「セミル根性ないねぇ」
「俺は効率の悪い事はしたくねぇの!武闘道場に三日通えば大体の事は理解できる。武闘の基礎は物理なんだ」

 セミルはフィンにかかって来いという。フィンは仕方なくセミルに向かって走り出した。セミルが魔法を使った、風魔法と火魔法を身体にまとったのだ。フィンのするどい右手のこぶしがセミルに襲いかかる。セミルは素早い動作で、フィンのこぶしをよけると、フィンの右手をつかんで、フィンの左肩を押し、フィンの右足を、セミルが左足で軽くけった。

 フィンはセミルを殴ろうとした勢いそのままに、セミルに投げ飛ばされてしまったのだ。フィンは前転受身をして立ち上がり、驚いた顔で言った。

「セミルすごい。今の何?」
「だはは!どうだまいったかフィン!」

 セミルはフィンとユリスを見ながら言った。

「武闘の練習している奴らを見ていて気づいたんだ。強い力が向かってきたら、その力の方向を変えてしまえばいい。だが俺にはその技術を習得するセンスも体力もない。だから火魔法と風魔法を混合させて力と素早さを身体に付与したんだ。どうだユリス、これならお前にもできるたろ?」

 ユリスはセミルの魔法と体術の融合に感動して叫んだ。

「師匠すごい!とてもズル賢いです!」
「ユリスくん。ズルは余計だよ」

 フィンも感心したようにセミルに言った。

「すごいよセミル!今セミルにどんな攻撃してもいいって事だね?」

 フィンの言葉にセミルはえっ?という顔をした。フィンはセミルの返事も聞かずに、突然身体を屈めて、セミルの両足を自分の両足ではさみこんだ。セミルは仰向けに転倒した。フィンはすかさずセミルの右足を持ち、自分の左膝をからめ、あっという間にセミルの足を固めてしまった。まるで数字の4の形のようだ。セミルはギャアッと大声をあげて、地面をタップした。

 フィンはセミルにかけた技をといて、言った。

「関節技の上手なドミニクって人に教わったんだよ!セミル痛かった?」
「痛てぇよ!バカ!魔法使いはなぁ、身体も心も繊細なんだよ!もっとていねいに扱え!」

 
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