あやかし学園

盛平

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クラスの仲間

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 亜子たちは、狐太郎が封印から目覚めた後、自分たちの教室にいた。

 狐太郎と狼牙の母、蘭玉とオルガは、明神家に戻らなくてよくなったので、新たな落ち着き場所を探すためにあやかし学園を後にした。

 きっとこれからは狐太郎と狼牙は、いつでも母たちに会う事ができるようになるだろう。

 当の狐太郎は、明神家との関わりをキッパリと断ちに行くと言って、狼牙と共に出て行ってしまった。

 亜子たちは、狐太郎と狼牙が戻って来たら、お帰りと言ってねぎらってあげたいと思い、皆で待っていたのだ。

 最初は狐太郎との出来事が衝撃的で、皆色々な事を話していたが、それが過ぎると、各自ぼんやりと時間を過ごしていた。

 亜子と音子は窓から外を見つめ、狐太郎たちの帰りを今か今かと待っていた。ふと亜子たちの側にみなもが近寄って言った。

「狐太郎くんたち、遅いね?」
「うん、そうだね」

 亜子は心配そうにあいずちをうった。みなもは何か思うところがあるらしく、緊張した表情で口を開いた。

「ねぇ、皆。狐太郎くんたち、あやかし学園に戻って来ないつもりじゃないかな?」

 みなもの発言に、クラスの皆はギクリとした。帰りの遅い狐太郎と狼牙。よからなぬ想像が頭をよぎる。山彦が顔をしかめて言った。

「まだ狐太郎たちが帰ってこないなんて決まったわけじゃないだろ?!俺は狐太郎に文句を言ってやらなきゃ気がおさまらねぇんだよ!おい、悟。狐太郎の思念を探せ!」

 山彦の言葉に、本を読んでいた悟が目をつむって言った。

「狐太郎くんたちほまだあやかし学園の結界内に戻っていないみたいだ。だけど心配ないよ、狐太郎くんも狼牙くんもちゃんと戻ってくるよ?」

 悟はクラスの皆を安心させるように答えた。だが一度不安な気持ちになってしまった亜子たちは心配そうに口をつぐんだ。

 音子は泣きそうな顔になりながら亜子に言った。

「亜子ぉ、狼牙くんたちに会えなくなっちゃったらどうしよう?」
「そんな事ないよ?音子。狼牙くんも狐太郎くんもきっと帰ってくるよ?」

 そうは言ったものの、亜子も心配でいても立ってもいられなくなってしまった。

 亜子は天狗の扇を取り出し、背中に翼を出現させて、クラスの皆に言った。

「私、狐太郎くんたちを迎えに行ってくる!」

 亜子はそう言いきると、クラスメートの静止を振り切り、窓から飛び出した。
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