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狐太郎対雅樹
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狐太郎はゆっくりと息をはいて、頭にのぼった血を下げて兄に言った。
「兄さんは俺の事をよくバケモノと言っているね?それは兄さんが俺を恐れているからに他ならない。だ弱な人間が神を恐れるようにね?」
「神だと?!お前が?!狐太郎、お前は邪悪な存在だ。お前は滅ぼさなければいけない!」
「やってみろよ、三下が!」
雅樹の顔は真っ赤になった。雅樹は胸元から札を取り出し狐太郎に投げつけた。札は炎となり、狐太郎に襲いかかった。妖狐の半妖である狐太郎に炎の攻撃とは。狐太郎はクスリと笑って軽く手を振った。
狐太郎の前に透明な壁が出現し、見えない壁が炎から狐太郎を守った。狐太郎は妖術を使い、大火力の炎を雅樹にぶつけた。雅樹は札で防御壁を作り、何とか自身を守った。
狐太郎の力は以前よりも格段に強くなっていた。さわらび童子に頼まれて、仕方なく始めたクラスメートの陰陽道指導は、思わぬ相乗効果を表した。
狐太郎はそれまで別々に使っていた、妖術と陰陽師の術を、混ぜ合わせて使えるようになったのだ。これにより、より強力な攻撃も防御の可能になった。
狐太郎は、所々火傷を負った兄に言った。
「兄さん、もう終わりかい?」
「ふざけるな!」
雅樹は胸元から、人型の紙を取り出すと、狐太郎に向かって投げた。人型の紙は、人間ほどの大きさになり、手には刀を持ち、狐太郎に襲いかかった。狐太郎は冷笑を浮かべて言った。
「そんな人型人形で俺を倒そうだなんて、こっけいを通りこして屈辱だよ?」
狐太郎は胸元から人型の紙を取り出し、術をかけた。紙はニメートールほどの武者になった。武者は腰にさした刀を抜き、雅樹の作ったヨロヨロした人型人形を一刀両断した。
人型の武者は、その雅樹に駆け寄り、刀を振り上げた。雅樹は恐怖のあまりしゃがみこんでしまった。さわらび童子が叫ぶ。
「狐太郎!そこまでじゃ!」
狐太郎は武者に刀を振り下ろすように命じた。武者は雅樹の脳天をかち割る直前、狐太郎は武者を止めた。雅樹は恐怖のあまり身体をブルブル震わせ、失禁していた。狐太郎は無様な兄を見下しながら、あざけるように言った。
「兄さん。命だけは助けてやるよ?兄さんは俺に有益な情報をくれたからね」
それきり狐太郎はきびすを返し、兄を振り返る事はなかった。狐太郎の目のはしに、ため息をつくさわらび童子の姿が見えた。
さわらび童子は右手を軽く振ると、異空間の結界を解除した。辺りは一瞬にして元の公園に戻った。
狐太郎の所に狼牙が駆け寄る。狐太郎は狼牙を抱き上げた。狼牙が嬉しそうに狐太郎に頬をすりよせた。
「兄さんは俺の事をよくバケモノと言っているね?それは兄さんが俺を恐れているからに他ならない。だ弱な人間が神を恐れるようにね?」
「神だと?!お前が?!狐太郎、お前は邪悪な存在だ。お前は滅ぼさなければいけない!」
「やってみろよ、三下が!」
雅樹の顔は真っ赤になった。雅樹は胸元から札を取り出し狐太郎に投げつけた。札は炎となり、狐太郎に襲いかかった。妖狐の半妖である狐太郎に炎の攻撃とは。狐太郎はクスリと笑って軽く手を振った。
狐太郎の前に透明な壁が出現し、見えない壁が炎から狐太郎を守った。狐太郎は妖術を使い、大火力の炎を雅樹にぶつけた。雅樹は札で防御壁を作り、何とか自身を守った。
狐太郎の力は以前よりも格段に強くなっていた。さわらび童子に頼まれて、仕方なく始めたクラスメートの陰陽道指導は、思わぬ相乗効果を表した。
狐太郎はそれまで別々に使っていた、妖術と陰陽師の術を、混ぜ合わせて使えるようになったのだ。これにより、より強力な攻撃も防御の可能になった。
狐太郎は、所々火傷を負った兄に言った。
「兄さん、もう終わりかい?」
「ふざけるな!」
雅樹は胸元から、人型の紙を取り出すと、狐太郎に向かって投げた。人型の紙は、人間ほどの大きさになり、手には刀を持ち、狐太郎に襲いかかった。狐太郎は冷笑を浮かべて言った。
「そんな人型人形で俺を倒そうだなんて、こっけいを通りこして屈辱だよ?」
狐太郎は胸元から人型の紙を取り出し、術をかけた。紙はニメートールほどの武者になった。武者は腰にさした刀を抜き、雅樹の作ったヨロヨロした人型人形を一刀両断した。
人型の武者は、その雅樹に駆け寄り、刀を振り上げた。雅樹は恐怖のあまりしゃがみこんでしまった。さわらび童子が叫ぶ。
「狐太郎!そこまでじゃ!」
狐太郎は武者に刀を振り下ろすように命じた。武者は雅樹の脳天をかち割る直前、狐太郎は武者を止めた。雅樹は恐怖のあまり身体をブルブル震わせ、失禁していた。狐太郎は無様な兄を見下しながら、あざけるように言った。
「兄さん。命だけは助けてやるよ?兄さんは俺に有益な情報をくれたからね」
それきり狐太郎はきびすを返し、兄を振り返る事はなかった。狐太郎の目のはしに、ため息をつくさわらび童子の姿が見えた。
さわらび童子は右手を軽く振ると、異空間の結界を解除した。辺りは一瞬にして元の公園に戻った。
狐太郎の所に狼牙が駆け寄る。狐太郎は狼牙を抱き上げた。狼牙が嬉しそうに狐太郎に頬をすりよせた。
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