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亜子の参戦
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亜子たちは我が目を疑った。狐太郎が白い巨人と戦っていたのだ。亜子たちが狐太郎を助けに行こうとすると、狐太郎の厳しい声が聞こえた。
「こっちに来るな!先生を呼んで来てくれ!」
亜子はハッと我に返った。亜子たちが狐太郎を助けに行っても、力になれない。担任の雪奈を呼んでこなければ。亜子は音子と顔を見合わせてから、もと来た道を戻ろうとした。
突然目の前に、透明な壁が出現した。亜子が狐太郎の方向に振り向くと、校庭全体をドーム状におおっていた。どうやら二人の不審者の術のようだ。
これで亜子たちはこの場から逃げられなくなってしまった。亜子たちがどうしたよいか分からず固まっていると、狐太郎の声が響いた。
「狼牙!亜子と音子を守れ!」
その声に亜子は、音子の腕に抱かれている狼牙を見た。狼牙は音子の首に抱きつきながら、機嫌が悪そうに顔をしかめている。いくら亜子と音子といえど、小さな狼牙に助けてもらう事などできない。狼牙は亜子と音子で守らなければ。
亜子は音子を見た。音子も真剣な目で亜子を見返す。二人の気持ちな同じなのだ。危機的状況なのにも関わらず、亜子は微笑んだ。音子も一緒に笑う。
亜子は父親からもらった天狗の扇を取り出した。この場にいる大切な人たちを守るためなら、亜子は妖術を使う事をいとわなかった。
音子は狼牙を地面にゆっくりおろしてから言った。
「狼牙くん。ちょっとここで待ってて。あたしたちは狐太郎くんの加勢に行ってくる」
「や!俺も行く!」
「だめよ?危ないから」
音子の言葉に、狼牙はぐずるように音子の足にしがみつく。亜子は音子に言った。
「音子。狼牙くんについていてあげて。私は狐太郎くんを助けに行く!」
亜子はそれだけ言うと、音子の静止を振り切り走り出した。目指すは狐太郎を襲う、白い巨人だ。
亜子は扇を振り上げると、カミナリ雲を発生させた。白い巨人に狙いを定め、一気に振り下ろした。
大きなカミナリが白い巨人に直撃し、巨人は燃え尽きてしまった。狐太郎が驚いた顔で亜子を見た。亜子は真剣な顔で狐太郎を見返してから、二人の不審者に向かって叫んだ。
「狐太郎くんは、私たちの大切なクラスメートよ?!絶対傷つけさせない!」
不審者の男たちは、亜子を見てあざけるように言った。
「ああ、お前この間街にいた半妖だな?ふらふらと人間の世界にやって来やがって、目障りなんだよ!」
「だが、お前たちが間抜けに歩き回るから、この結界の場所を探し当てる事ができたんだ」
亜子はあ然とした。半妖であるというだけで、人間からこのように敵意を向けられたのは初めての経験だった。その上、この不審者を学園の結界に入れたのは、街に行った亜子たちが原因だったのだ。雪奈が突然態度を変えて、慌てて学園に戻ったのは、こいつらが後をつけていたからなのだ。
「こっちに来るな!先生を呼んで来てくれ!」
亜子はハッと我に返った。亜子たちが狐太郎を助けに行っても、力になれない。担任の雪奈を呼んでこなければ。亜子は音子と顔を見合わせてから、もと来た道を戻ろうとした。
突然目の前に、透明な壁が出現した。亜子が狐太郎の方向に振り向くと、校庭全体をドーム状におおっていた。どうやら二人の不審者の術のようだ。
これで亜子たちはこの場から逃げられなくなってしまった。亜子たちがどうしたよいか分からず固まっていると、狐太郎の声が響いた。
「狼牙!亜子と音子を守れ!」
その声に亜子は、音子の腕に抱かれている狼牙を見た。狼牙は音子の首に抱きつきながら、機嫌が悪そうに顔をしかめている。いくら亜子と音子といえど、小さな狼牙に助けてもらう事などできない。狼牙は亜子と音子で守らなければ。
亜子は音子を見た。音子も真剣な目で亜子を見返す。二人の気持ちな同じなのだ。危機的状況なのにも関わらず、亜子は微笑んだ。音子も一緒に笑う。
亜子は父親からもらった天狗の扇を取り出した。この場にいる大切な人たちを守るためなら、亜子は妖術を使う事をいとわなかった。
音子は狼牙を地面にゆっくりおろしてから言った。
「狼牙くん。ちょっとここで待ってて。あたしたちは狐太郎くんの加勢に行ってくる」
「や!俺も行く!」
「だめよ?危ないから」
音子の言葉に、狼牙はぐずるように音子の足にしがみつく。亜子は音子に言った。
「音子。狼牙くんについていてあげて。私は狐太郎くんを助けに行く!」
亜子はそれだけ言うと、音子の静止を振り切り走り出した。目指すは狐太郎を襲う、白い巨人だ。
亜子は扇を振り上げると、カミナリ雲を発生させた。白い巨人に狙いを定め、一気に振り下ろした。
大きなカミナリが白い巨人に直撃し、巨人は燃え尽きてしまった。狐太郎が驚いた顔で亜子を見た。亜子は真剣な顔で狐太郎を見返してから、二人の不審者に向かって叫んだ。
「狐太郎くんは、私たちの大切なクラスメートよ?!絶対傷つけさせない!」
不審者の男たちは、亜子を見てあざけるように言った。
「ああ、お前この間街にいた半妖だな?ふらふらと人間の世界にやって来やがって、目障りなんだよ!」
「だが、お前たちが間抜けに歩き回るから、この結界の場所を探し当てる事ができたんだ」
亜子はあ然とした。半妖であるというだけで、人間からこのように敵意を向けられたのは初めての経験だった。その上、この不審者を学園の結界に入れたのは、街に行った亜子たちが原因だったのだ。雪奈が突然態度を変えて、慌てて学園に戻ったのは、こいつらが後をつけていたからなのだ。
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