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作戦会議
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担任の雪奈は亜子がリーダーになる事に納得したと見て取ると、皆に言った。
「ではこれから皆さんに作戦会議をしてもらいます。相手に作戦内容がもれてはいけませんので、壁を作らせてもらいます」
雪奈はそう言うと、右手を軽く振った。すると亜子のグループと、狐太郎のグループの間に氷の壁が出現した。雪奈の妖術だ。
山彦は氷の壁を見つめてから亜子にに言った。
「よし、これで敵には俺たちの作戦はもれる事はないな。亜子、まずは俺たちの能力の確認をしろ、まずは俺からだ。俺はやまびこの能力だ。俺が叫べば岩をも砕けるぜ!」
「山彦くん。人は砕かないでね?」
次に清姫が手をあげて言った。
「私は大蛇になって、毒を吐くわ。皆、私の毒にあたらないようにしてね?」
「毒?!毒にあたった人は死んじゃうの?!」
亜子が驚いて聞くと、清姫は魅力的な笑顔で答えた。
「大丈夫よ?時間内に私の血清をうてば死なないわ?」
「・・・。よかった、でも極力毒は脅しだけで使った方がよさそうね?」
亜子は苦笑いしながら答えた。次は河太郎が自身の能力を説明した。
「オラは水を操れるぞ。本領を発揮できるのは水の中だから、地上戦では援護にてっする」
「ええ、心強いわ」
亜子は笑顔で答えた。最後は狼牙。狼牙は亜子のスカートを引っ張りながらしきりに言った。
「亜子、亜子。俺、狼になれる!」
「そうね、狼牙の狼とっても可愛いものね?」
「ちがう!俺、カッコイイの!」
「ごめんごめん。そうね、狼牙くんの狼とってもカッコいい」
狼牙は満足そうにうなずいた。亜子は内心、子犬ではなくて狼だったのかとつぶやいた。
これでグループの仲間の能力がわかった。戦闘訓練とはいうが、そんなに危険な事はないかもしれない。亜子がこれからどうしようかと考えていると、清姫が質問した。
「亜子ちゃんはどんな事ができるの?」
そういえば亜子は自分の能力の説明をしていなかった。亜子は他の皆のように上手く能力を操れない。亜子はためらいがちに答えた。
「私は、ぱ、父から沢山の妖術を習ったわ。空を飛ぶ術、火を操る術、竜巻をおこす術、雷を落とす術。でもどれも上手くコントロールできないの」
「飛べるのは知ってる。入学式の時、俺たちに突っ込んで来たもんな。ヒヤヒヤしたぜ」
山彦がぼやく。亜子は今さらながら皆にわびた。河太郎が亜子に言う。
「飛行の術は別として、火や雷、竜巻は攻撃として役立つんじゃないか?」
「ううん、竜巻は辺り一体のものを巻き込んじゃうし。火の術と雷の術は、パパがこの木に落としてみてって言ったのに、木のとなりにいたパパに雷落としちゃったから危ないと思う」
亜子の言葉に、引きつった顔の清姫が言った。
「・・・。亜子ちゃん、パパさんは雷にうたれて平気だったの?」
「パパ?平気よ。天狗だもの、雷くらいじゃ死なないわ」
亜子が何気なくグループの皆を見回すと、狼牙は亜子スゴイとほめてくれたが、他の面々は心なしか青い顔をしていた。
山彦はごほんとせきばらいをしてから言った。
「まぁ、亜子はリーダーだからな。俺たちの指揮をとるように」
山彦の意見に、皆が手を叩いた。
「ではこれから皆さんに作戦会議をしてもらいます。相手に作戦内容がもれてはいけませんので、壁を作らせてもらいます」
雪奈はそう言うと、右手を軽く振った。すると亜子のグループと、狐太郎のグループの間に氷の壁が出現した。雪奈の妖術だ。
山彦は氷の壁を見つめてから亜子にに言った。
「よし、これで敵には俺たちの作戦はもれる事はないな。亜子、まずは俺たちの能力の確認をしろ、まずは俺からだ。俺はやまびこの能力だ。俺が叫べば岩をも砕けるぜ!」
「山彦くん。人は砕かないでね?」
次に清姫が手をあげて言った。
「私は大蛇になって、毒を吐くわ。皆、私の毒にあたらないようにしてね?」
「毒?!毒にあたった人は死んじゃうの?!」
亜子が驚いて聞くと、清姫は魅力的な笑顔で答えた。
「大丈夫よ?時間内に私の血清をうてば死なないわ?」
「・・・。よかった、でも極力毒は脅しだけで使った方がよさそうね?」
亜子は苦笑いしながら答えた。次は河太郎が自身の能力を説明した。
「オラは水を操れるぞ。本領を発揮できるのは水の中だから、地上戦では援護にてっする」
「ええ、心強いわ」
亜子は笑顔で答えた。最後は狼牙。狼牙は亜子のスカートを引っ張りながらしきりに言った。
「亜子、亜子。俺、狼になれる!」
「そうね、狼牙の狼とっても可愛いものね?」
「ちがう!俺、カッコイイの!」
「ごめんごめん。そうね、狼牙くんの狼とってもカッコいい」
狼牙は満足そうにうなずいた。亜子は内心、子犬ではなくて狼だったのかとつぶやいた。
これでグループの仲間の能力がわかった。戦闘訓練とはいうが、そんなに危険な事はないかもしれない。亜子がこれからどうしようかと考えていると、清姫が質問した。
「亜子ちゃんはどんな事ができるの?」
そういえば亜子は自分の能力の説明をしていなかった。亜子は他の皆のように上手く能力を操れない。亜子はためらいがちに答えた。
「私は、ぱ、父から沢山の妖術を習ったわ。空を飛ぶ術、火を操る術、竜巻をおこす術、雷を落とす術。でもどれも上手くコントロールできないの」
「飛べるのは知ってる。入学式の時、俺たちに突っ込んで来たもんな。ヒヤヒヤしたぜ」
山彦がぼやく。亜子は今さらながら皆にわびた。河太郎が亜子に言う。
「飛行の術は別として、火や雷、竜巻は攻撃として役立つんじゃないか?」
「ううん、竜巻は辺り一体のものを巻き込んじゃうし。火の術と雷の術は、パパがこの木に落としてみてって言ったのに、木のとなりにいたパパに雷落としちゃったから危ないと思う」
亜子の言葉に、引きつった顔の清姫が言った。
「・・・。亜子ちゃん、パパさんは雷にうたれて平気だったの?」
「パパ?平気よ。天狗だもの、雷くらいじゃ死なないわ」
亜子が何気なくグループの皆を見回すと、狼牙は亜子スゴイとほめてくれたが、他の面々は心なしか青い顔をしていた。
山彦はごほんとせきばらいをしてから言った。
「まぁ、亜子はリーダーだからな。俺たちの指揮をとるように」
山彦の意見に、皆が手を叩いた。
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