3 / 91
森野音子
しおりを挟む
亜子たちは木造の寮に案内された。生徒たちの荷物は事前に送られているので、亜子は手ぶらだった。
亜子があてがわれた自室に入ると、そこには栗毛の美少女がいた。彼女が亜子のルームメートになるのだ。美少女は入って来た亜子に微笑んで言った。
「あたし森野音子。これからよろしくね?」
亜子は音子の美しさにぽおっとなってしまい、自分が自己紹介をしていない事に気づき、慌てて口を開いた。
「あ、私神羅亜子です!よろしくね!」
「知ってるよ。皆の前で校長先生に名前呼ばれてたもの」
音子は、先ほどの空からの乱入の事を言っているのだろう。亜子は悪びれて頭をかいた。音子はそんな亜子にはとんちゃくせず、瞳をキラキラさせながら言った。
「亜子ちゃん、空が飛べるなんてすごいね!」
「亜子でいいよ。うん、空飛ぶの楽しい。着地に失敗したらタダじゃすまないけどね?音子ちゃんも今度一緒に飛んでみる?」
「・・・。そうなんだ。あたしは遠慮しとくわ。あたしも音子でいいよ」
どうやら亜子のルームメートの音子はとても良い子のようだ。亜子は嬉しくなった。
音子は母親が猫またで、猫またの半妖なのだそうだ。驚いたりすると猫になってしまうらしい。亜子は動物が好きなので、音子に猫になってもらいたいなと考えてしまった。
亜子の物欲しそうな表情に気づいた音子は、顔をしかめて言った。
「あたし猫の格好好きじゃないの」
「ええ~。お願い、音子!」
「もう、仕方ないわねぇ。ちょっとだけだからね?」
音子はそう言うと、シュルッと身体が縮まったかと思うと、姿が消えてしまった。後には音子が着ていたピンクのワンピースだけがあった。その中がモゾモゾ動き出す。ワンピースのえりもとから、可愛らしい茶トラの猫がひょっこり頭を出した。亜子はたまらず叫んだ。
「キャァ!可愛い!」
亜子は茶トラの猫を抱き上げた。猫は嬉しそうに亜子にすり寄った。猫の身体は柔らかくてふわふわしていた。亜子が可愛い可愛いと言って頬ずりしていると、急に猫の身体が大きくなった。
亜子は全裸の音子を抱きしめていたのだ。亜子は驚いて小さくギャッと叫んだ。音子は、失礼しちゃうわとぶつぶつ言いながら素早く下着を身につけると、ワンピースにそでを通した。
猫に変化すると、衣服が脱げてしまうから嫌なのだ、と音子はぼやいていた。
亜子があてがわれた自室に入ると、そこには栗毛の美少女がいた。彼女が亜子のルームメートになるのだ。美少女は入って来た亜子に微笑んで言った。
「あたし森野音子。これからよろしくね?」
亜子は音子の美しさにぽおっとなってしまい、自分が自己紹介をしていない事に気づき、慌てて口を開いた。
「あ、私神羅亜子です!よろしくね!」
「知ってるよ。皆の前で校長先生に名前呼ばれてたもの」
音子は、先ほどの空からの乱入の事を言っているのだろう。亜子は悪びれて頭をかいた。音子はそんな亜子にはとんちゃくせず、瞳をキラキラさせながら言った。
「亜子ちゃん、空が飛べるなんてすごいね!」
「亜子でいいよ。うん、空飛ぶの楽しい。着地に失敗したらタダじゃすまないけどね?音子ちゃんも今度一緒に飛んでみる?」
「・・・。そうなんだ。あたしは遠慮しとくわ。あたしも音子でいいよ」
どうやら亜子のルームメートの音子はとても良い子のようだ。亜子は嬉しくなった。
音子は母親が猫またで、猫またの半妖なのだそうだ。驚いたりすると猫になってしまうらしい。亜子は動物が好きなので、音子に猫になってもらいたいなと考えてしまった。
亜子の物欲しそうな表情に気づいた音子は、顔をしかめて言った。
「あたし猫の格好好きじゃないの」
「ええ~。お願い、音子!」
「もう、仕方ないわねぇ。ちょっとだけだからね?」
音子はそう言うと、シュルッと身体が縮まったかと思うと、姿が消えてしまった。後には音子が着ていたピンクのワンピースだけがあった。その中がモゾモゾ動き出す。ワンピースのえりもとから、可愛らしい茶トラの猫がひょっこり頭を出した。亜子はたまらず叫んだ。
「キャァ!可愛い!」
亜子は茶トラの猫を抱き上げた。猫は嬉しそうに亜子にすり寄った。猫の身体は柔らかくてふわふわしていた。亜子が可愛い可愛いと言って頬ずりしていると、急に猫の身体が大きくなった。
亜子は全裸の音子を抱きしめていたのだ。亜子は驚いて小さくギャッと叫んだ。音子は、失礼しちゃうわとぶつぶつ言いながら素早く下着を身につけると、ワンピースにそでを通した。
猫に変化すると、衣服が脱げてしまうから嫌なのだ、と音子はぼやいていた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる