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宇宙の殺し屋

ブルーギャングの敗北

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真夜中。青山は、以前にも見たことのある、癌に侵されて苦しむ夢を見ていた。
「もう駄目だ!遣られる!」
青山は、死に迫る寸前で、目を覚ました。
「青山さん、大丈夫ですか?」
僕は、目を覚ました青山に、声をかけた。
「…夢だったのか。」
「良かったら、一緒に寝ませんか?」
僕は、青山の怯えるような表情に欲情され、そう投げかけた。
「…そうだな。ちょっと、一緒にいてくれよ。」
青山は、そう言って、優しく僕を抱いた。

宇宙の殺し屋は、既に地球に上陸していた。抹殺の相手は、野々宮、青山、黄島と、既に顔写真も含めて、定められていた。
「こんな星のギャングなど、イチコロだ。」
殺し屋は、そんなことを呟きながら、ギャングスターのアジトを探した。

翌日、死に追い込まれる夢を見て気分を害した青山は、気分転換に僕を誘い、神戸の散策に来た。
「僕、青山さんに誘われて、嬉しいです。青山さんのことは、特に…。」
僕は、本心を打ち明けようとしたが、
「え?それより、剛史は、こういうのが好きなんだろ?」
と、阪急電車の車両を指してからかわれて、タイミングを失った。

一方、殺し屋は、青山の顔を確認すると、見失わないように、背後から追いかけた。そして、隙を見てボーガンの矢を放った。
「青山さん、しゃがんで!」
僕は、様子を見ていたので、咄嗟に青山に指示した。青山が、言う通りにしゃがむと、矢は青山の頭上を通過して、壁に突き刺さった。青山は、後ろを振り向き、殺し屋を確認すると、
「貴様、何者だ!?」
と、殺し屋に罵った。すると、殺し屋は、答えず、二発目の矢を放った。青山は、ブルーギャングに変身したが、戦闘スーツの上から、肩に矢を受けてしまった。
「青山さん!」
「剛史、ここは危険だ。逃げるんだ!」
僕は、ブルーギャングの指示を受け、路地裏に隠れた。ブルーギャングは、肩の傷を気にしながら、剣を持ち、殺し屋に向かった。しかし、剣の裁きは、殺し屋の方が上で、ブルーギャングに数箇所の切り傷を負わせた。
「青山だな?貴様の、最期だ。」
殺し屋は、そう言って、ブルーギャングの腹を突き刺した。
「う…。」
青山は、昨夜見た死の夢を思い出した。そして、腹の傷を感じる余裕もなく、その場に崩れ倒れた。殺し屋は、ターゲットを一人仕留めたと確認すると、その場から消えた。

僕は、意識のない青山に寄り添い、
「あ、青山さん?青山さん!」
と、叫び続けた。そして、我に戻り、携帯電話で救急車を呼んだ。
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