アサノっち的戦隊シリーズ・札幌戦隊カムイレンジャー

地獄を封印せよ

 束の間の札幌の平和が、再び終わろうとしていた。地獄の穴から、魔王が復活した。
「みんな、大変だ！魔王が復活した！」
カムイは、函館たちに伝えた。

 函館たちは、急いで札幌の街へ向かった。
「カムイ転生！」
そして、カムイレンジャーに転生して、以前の戦いと同じように、カムイラガーで応戦した。
「貴様ら、地獄の穴がある限り、いつでも復活することが分からぬようだな！」
魔王は、札幌の平和に繋がる鍵となることを、言い放った。
「地獄の穴？」
ライラックレンジャーは、
「みんな、ひとまずあの魔王を、地獄に戻そう！」
と、四人に指示した。そして、
「ライラックファイヤー！」
炎の力で、魔王を地獄へ戻した。

「地獄を封印するためには、どうしたら良いんだ？」
函館は、カムイに尋ねた。すると、
「方法としては、カムイの聖地に眠る力を、北海道の地へ解放する必要がある。」
とカムイは答えた。しかし、
「でも、そんなことをしたら、カムイの聖地はどうなるんだ？」
と、豊が聞き返すと、
「カムイの聖地は、滅びるかもしれない。」
と、カムイの聖地が危機に陥ることを聞かされた。
「みんな、もう一つ、方法がある。俺たちの力を解放するんだ。」
千歳は、カムイレンジャー自身が犠牲になるようなことを提案した。
「そんなことをしたら、みんなが死んでしまうよ。」
カムイが心配すると、
「俺たちは、手段を選んでいる余裕はない。この地に平和が戻るなら、命も覚悟で戦う。それが、俺たちの使命だ。」
と、千歳は答えた。
「千歳さんだけにはやらせない。俺たちは五人なんだ。五人で力を合わせれば、何とかなるかもしれない！」
南が助言すると、
「よし。俺たちの力で、地獄の扉を封印するんだ！」
と、函館は、南たちに決意を伝えた。

 函館たちは、カムイの聖地で、魔王が復活するのを待った。そして、魔王が復活すると、
「地獄の扉は、見つかったか？」
函館が、カムイに状況を確認した。
「見つかったよ！すすきの地区の辺りだ！」
と、カムイは答えた。函館たちは、すすきのへ急いだ。

「カムイレンジャー、今度こそ、邪魔はさせん！」
魔王が、言い放つと、
「魔王こそ、地獄に落ちて、封印してもらう。みんな、行くぞ！カムイ転生！」
函館たちは、魔王の前で転生した。
「炎の力！ライラックレンジャー！」
「嵐の力！ナンボクレンジャー！」
「水の力！トウホウレンジャー！」
「雷の力！トウザイレンジャー！」
「花の力！スズランレンジャー！」
「聖なる力で戦う！札幌戦隊・カムイレンジャー！」
カムイレンジャーは、最後の試練と戦いになることを誓い、魔王の前に名乗り出た。
「地獄兵！かかれ！」
カムイレンジャーは、地獄兵を倒していった。
「魔王！まずは、お前に植え付けられた、邪悪な心を打ち砕く！みんな、カムイアタックだ！」
ライラックレンジャーが、四人に指示した。
「カムイアタック・マインドクラッシュ！」
カムイレンジャーは、魔王の邪悪な心だけを打ち砕くため、新たな技で魔王を追い詰めた。

「お、おのれ！」
魔王は、地獄からの栄養剤で、巨大化した。
「召喚！巨大獣！」
カムイレンジャーは、巨大獣を合体させ、カムイラガーで作戦を決行した。
「魔王ビーム！」
魔王は、強力な電磁波を発した。カムイラガーは、苦しみに耐えた。
「豊、俺たちの技で！」
「分かった！」
トウホウレンジャーとトウザイレンジャーは、
「トウホウウェーブ！」
「トウザイサンダー！」
二つの力を合わせ、電磁波で反撃した。
「今だ！巨大カムイアタック！地獄落とし！」
カムイラガーは、ライラックレンジャーの指示で、魔王を地獄に戻した。

 しかし、魔王は、何度でも地獄から這い上がろうとした。カムイラガーは、カムイレンジャーを下ろし、巨大獣の意思で、地獄の扉を閉ざした。
「みんな、力を地獄の扉に集めるんだ！」
カムイレンジャーは、円陣を組み、力を集めた。
「カムイパワー！」
そして、地獄の扉に力を放った。すると、地獄の扉が徐々に封印され、魔王は完全に復活できない状態になった。こうして、北海道の地は、平和な世界を取り戻した。

 函館たちは、素顔の姿に戻り、カムイの聖地を訪れた。
「みんな、君たちの勝利だ。ありがとう。」
カムイは、函館たちを激励した。
「これで、俺たちの使命も終わりか…」
千歳は、普通の生活に戻れることを、喜んだ。
「でも、君たちは、もう北海道一の戦士なんだ。また、この地がピンチに陥ったら、助けて欲しい。」
カムイが、これからの願いを伝えると、
「分かった。俺たちは、これからもカムイレンジャーの一員だ。この地は、俺たちが守り続ける。約束するよ。」
と、函館は、カムイの願いを受け入れた。

 その日の夜、五人は、それぞれの地へ帰るため、ジンギスカンの店で最後のパーティーを開いた。
「東。俺、札幌に移住することにしたんだ。」
函館は、突然の報告をした。
「フェリー会社は？」
東が聞き返すと、
「苫小牧ターミナルの業務に、専念することにしてさ、東の店も、このまま手伝おうと思って。俺、この街が好きになったから。」
と、函館は答えた。
「この街が好きか。俺たちにとって、この場所は、第二の故郷だな！」
南も、函館の言葉に共感した。そんな他愛ない会話で、最後のパーティーは、盛り上がった。

 それから、札幌の街や、北海道の地は、再び平和な日々が続いた。それは、カムイレンジャーの存在があるからこそ、平和な毎日が送れるのだと、カムイの聖地で過ごすカムイたちも、確信していた。