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第3章  ズーラシアン王国編

2 婚約者はモフモフさん♡

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前書き

ジョンの前世の従姉妹の名前を【愛羅】(アイラ)にしました。
本文
俺が会いに来た人物……


----------------

それはテレーゼ愚妹が愛してやまない、ランディー。
冒険者としてガルフと一緒に世界を旅していて、偶々魔物に襲われていた貴族の馬車を助けたんだそうだ。


その馬車に乗っていたのがタイガ殿下の娘、公爵令嬢タマ嬢だった。


白虎の獣人であるタマ嬢はボーイッシュで大柄だがとても乙女な方だ。
まさにランディーの好みのタイプ。


そう…ランディーはテレーゼ愚妹の様に、痩せている如何にもな貴族令嬢より、タマ嬢の様なタイプが好きだったんだ。


しかもタマ嬢の獣耳と尻尾は良く手入れがされていて、極上のモフモフ。
思わず触りたくなるが、家族や恋人でも無い俺が触ったらセクハラになる。


しかし俺でさえ我慢するのがやっとなのに、テレーゼ愚妹は大丈夫なのか?


なんとあの我儘なテレーゼが耐えているじゃないか!
見直したぞ。
良く見たらミケルの尻尾がテレーゼの手に触れている。
なるほど……これのお陰で耐えられたのか。
流石は上級メイド。


と安心していたら前世の従姉妹、アイラが衝撃的なこのを言い始めた!


「凄い、凄いわ♪まるで【聖女と♡聖獣騎士団モフモフナイツ】みた~い♡」


は?!??


今、何て言った?


「私が前に住んでた世界でやってた【聖女と♡聖獣騎士団】って【乙女ゲーム】、略して【モフナイ】の舞台とこの国がそっくりなんですよ~♪
国の名前も一緒だし、今から会いに行くのってなのに家出して、A級冒険者になったランディー様でしょ♡」


俺の質問に、凄く嬉しそうに答えるアイラ。


嘘だろ…
あの【聖女の♡シリーズ】まだ続きがあったのか?!
勘弁してくれよ……


都合の良い事に【モフナイ】とやらの興奮の所為で、俺が【乙女ゲーム】に対する質問をまったくしていない事に気付いていない様子。


ついでにその言葉遣い、なんとかならないのか?


参ったな……


とにかく、早めにその【モフナイ】とやらの内容をアイラからもっと詳しく聞き出して対処していかないと、絶対ろくな展開にならないぞ!


て……あれ?!


さっきアイラ妙な事を口走っていたぞ!
『ランディーが
で家出してA級冒険者をしている』


あゝなるほど……これ、アレだ。
ケイト先輩から勧められて読んだ、稀人まれびと研究のレポートに書いてあった【乙女ゲームクラッシャーの影響によるドミノ倒し理論】ってやつだ。


このレポートの著者は《ハインツ・F・ライブラ伯爵》、あのポーラルタオの元公爵令嬢で、現ライブラ伯爵夫人のローラ様の従兄弟で結婚相手だ。


エリー様の情報によると、ライブラ伯爵とローラ様は元々両思いで、王太子と婚約していなければ学院卒業後に嫁ぐ予定だったとか。


まぁ、結果的にはそうなったがな……


それと彼は【聖女の♡異世界学園生活2】の様に闇落ちもしていなかったので、ローラ様は幸せに暮らしている。


これは…いけるかも知れない!
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