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第2章 コンビニの訪問者

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【三盛夕子の場合】

アタシの名前は、三盛夕子。
今時、夕子とかダサい名前……


両親は転勤族なのか、しょっちゅう転校してた。何の仕事してるかは、知らない。


転校先で仲良くなった子の家に遊びに行った時、テーブルの上にお金が置いてあるのを見つけた。


どうやらその子のお昼ご飯代らしい。アタシはその子が見ていないうちに、こっそりそのお金をポケットにしまった。


その後もその子の家に行く度に、いろんな物を持って帰った。
そのうち、その子の家の人が何か気がついた様だったけど、何か言われる前に転校。


そんな事を何度も繰り返しているけど、両親はまったく気がついていない。


そんな時、あの子と知り合ったのが何回目かの転校だった中2の時……
誰も友達が居ない、寂しい嘘つき女の三波マサエ。
席が近かったから、直ぐに仲良くなった。


マサエは友達が居なかったから、アタシの悪い噂も耳に入ってなかったから、利用しやすかったんだよねー。


高校進学する時になって、ようやく成績の悪さと手癖の事に気づいたのか、両親はこの全寮制の女子校にアタシを放り込んで、また何処かに転勤して行った。


部屋は3年の先輩と同じ部屋。ラッキーな事にコイツは、貴重品の管理がいい加減だったから、盗み放題。


格部屋には鍵が付いているけど、けっこう古い鍵だから、アタシには楽勝。


ところがある日、変な事が起こった。窓も開けてないのに、部屋中砂だらけになっていたのよ。何度も同じ事が起こるからってアタシが授業を受けてる間に、勝手に教師と業者が部屋に入った。


その所為でこっそり天井裏に隠してた、いろんな物が見つかって、アタシが盗んだのがバレた。


今までなら、見つかる前にタイミングよく引越してたからバレなかったのに……
よく考えたら、それもおかしな話だったんだよね。


そう都合良く転勤とか、あり得ないんだ。案の定、書かれていた住所に両親は居なかった。アタシが入学して直ぐに引越していたんだ。


完全に捨てられた。


アタシは警察に連れて行かれた。盗んだ物の中に割れた【スクモの銅鏡】ってのがあったのがわかって、取り調べが凄く厳しくなった。


早いとこ処分しとけば良かったけど、質屋じゃ引き取ってくれなかったんだよね。


態々、男の格好までして行ったのに……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(理子視点)

「と言う話じゃ。どうやらまったく反省しとらん様じゃな。」


徳タヌキのの神通力を持ってしても、これ以上は無理らしい。
因みに今回、協力してくれたは【スナマキタヌキ】さんだそうで、住んでいる所から三盛夕子の居る学校まで、2時間以上かかるのでこれ以上は頼めないそう。


今回は、泊まり込みで行ってくれたんだとか……


「反省してないのはちょっとねぇ~。何とかならない?」


と私が言うと、徳タヌキは……


「いや、この先は人間に任せて良いと思うのぅ。」

「徳の言う通りじゃ。ワシらとしては、《スクモ様》の銅鏡が戻って来れば良いんじゃから。」

「それにのぅ…おそらくあの娘の不幸はまだ続くぞ。両親に捨てられただけでは、済まんじゃろうな。」


警察に捕まって、学校退学(たぶん)と両親に捨てられた以上の不幸ってなんだろう?


知りたいけど、聞かない方が良い気がする。
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