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シナリオと現実 編
プロローグ
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ここは北の果てアヌイー族が治める『北海国』。
この国は真っ白なイヌミミと巻尾を持つ者が最も尊いとされ、中でも王家や王家に近い血筋の多いアヌイー種の高位貴族は皆、その真っ白な毛並みを自慢していた。
平民は茶系や黒系の毛並みの者が殆どであった。
稀に白系の者もいるが、そういう者は先祖に高位貴族がいるか、貴族の庶子であると言われている。
ところがそのアヌイー種は今、存続の危機にあった。
長年、同じ犬種同士で結婚を繰り返した影響で血が濃くなり過ぎて出生率が下がり、後継者が少ない高位貴族家が増え始めたのだ。
王家でさえ後継者の王子はリク殿下1人しかおらず、このままではまずいと危機感を覚えた国王はある決断をした。
北海国の神である、ブリーダー様にこの事態を脱却するべく、お伺いをたてたのだ。
するとブリーダー様からのお告げは
《他犬種との交配》。
この世界では別の犬種の者同士が結婚し子供が産まれても雑種になる事は無く、兄弟姉妹でも違う犬種で産まれてくる。
王家には《かつて異世界から舞い降りたという聖女の家系である、アキタ侯爵家の令嬢を王子の婚約者とし、王家を存続させよ。》というお告げが降りた。
王家を存続させるには、もうそれしか方法がなかったのだ!
平民と同じ薄茶色の毛並みを持つアキタ家の一人娘ツバキは、聡明な貴族令嬢であった。
リク殿下の側近の高位貴族の令息達にも、それぞれ他犬種の令嬢が充てがわれる事になった。
もちろん彼女達も皆、聡明で各家の役割に合った令嬢達であった。
しかし、婚約者のリク殿下を始め側近の令息達はツバキ達を認めず、蔑ろにしていたのである。
その原因は王妃やその実家、神殿を司るノサフ家が代表を勤める『血統第一主義派』による陰謀の所為であった。
この国は真っ白なイヌミミと巻尾を持つ者が最も尊いとされ、中でも王家や王家に近い血筋の多いアヌイー種の高位貴族は皆、その真っ白な毛並みを自慢していた。
平民は茶系や黒系の毛並みの者が殆どであった。
稀に白系の者もいるが、そういう者は先祖に高位貴族がいるか、貴族の庶子であると言われている。
ところがそのアヌイー種は今、存続の危機にあった。
長年、同じ犬種同士で結婚を繰り返した影響で血が濃くなり過ぎて出生率が下がり、後継者が少ない高位貴族家が増え始めたのだ。
王家でさえ後継者の王子はリク殿下1人しかおらず、このままではまずいと危機感を覚えた国王はある決断をした。
北海国の神である、ブリーダー様にこの事態を脱却するべく、お伺いをたてたのだ。
するとブリーダー様からのお告げは
《他犬種との交配》。
この世界では別の犬種の者同士が結婚し子供が産まれても雑種になる事は無く、兄弟姉妹でも違う犬種で産まれてくる。
王家には《かつて異世界から舞い降りたという聖女の家系である、アキタ侯爵家の令嬢を王子の婚約者とし、王家を存続させよ。》というお告げが降りた。
王家を存続させるには、もうそれしか方法がなかったのだ!
平民と同じ薄茶色の毛並みを持つアキタ家の一人娘ツバキは、聡明な貴族令嬢であった。
リク殿下の側近の高位貴族の令息達にも、それぞれ他犬種の令嬢が充てがわれる事になった。
もちろん彼女達も皆、聡明で各家の役割に合った令嬢達であった。
しかし、婚約者のリク殿下を始め側近の令息達はツバキ達を認めず、蔑ろにしていたのである。
その原因は王妃やその実家、神殿を司るノサフ家が代表を勤める『血統第一主義派』による陰謀の所為であった。
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