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8話 謎の指輪 2
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ついに【名探偵ターク】始動!
******************
(ナルキス視点)
俺様の名前は、ナルキス。
国立ユイナーダ学園高等部特進科の三年生。
クラスでも一番の成績だ!
公爵家嫡男の俺様には、婚約者がいる。
ジジイ達が勝手に決めた女だ。
ガキの頃から生意気で、勉強ばかりしていて、俺様の言う事を聞かない。
乳母のマリーにその事を言うと
「あの方は坊っちゃまと違って、頭が良ろしくないから勉強しているのですよ。」
やっぱりそうか!
俺様は天才なんだとこの時確信した。
******************
【高等部錬金科研究室兼探偵同好会部室】
薄暗い部屋で氷の入った透明なグラスに琥珀色の液体をなみなみと注ぎ、訪れた客に尋ねる。
カラン
とグラスの中の氷の音が静かな事務所に響く……
「で、依頼っていうのは?」
「……タークちゃんそんなにたくさんアイスティー入れたら、溢れますわよ。
後、もう夕方だから明かりを点けましょうか?」
そう言って部屋の明かりを点ける彼女を見る。
「もう!せっかく雰囲気を楽しんでたのに台無しじゃんか!」
そう文句を言うと、彼女はさらに
「こんな事してるから部員が集まらないんじゃないかしら?」
うっ…
「何事もまず雰囲気からだと思って……
昔読んだ本にも書いてあったし。」
「たぶんそれは、大人向けの『ハードボイルド』っていうのだと思うわ。
タークちゃんには似合わないと思いますわよ。
せいぜいハーフ?」
「イヤ~辞めて!それ以上は、言わないで!」
いいじゃん。
ちょっとくらい格好つけても……
「あら?そういえばタークちゃん陪臣家の娘はどうしましたの?
領地から一緒に来てましたよね?
普通こういう時って、陪臣家の娘が部員にならないかしら?」
そう、普通なら貴族家に仕える陪臣家の子弟は、主人と一緒に行動するもの。
でもここに、彼女はいない。
「一応同好会立ち上げる時には、名前書いてくれたよ。」
「それだけですの?」
「うん…『せっかく騎士科に入ったんだから!』って憧れの先輩がいる【剣術部】に入部しちゃったの。
ここ掛け持ちOKだから。」
ショボ~ン
******************
(エリー視点)
落ち込んでるタークちゃん可愛いですわ♪
と思ったのは、内緒です。
すると同好会立ち上げの時に名前を貸したのは、私『魔術科エリー』『魔術科エミール殿下』『特進科サーラ』『騎士科陪臣家の娘』
タークちゃんの当時の知り合いほぼ全員ですわね……。
顧問は、あの方ですし。
「そんな事よりエリー、何か依頼があったんじゃない?」
そうでしたわ!
大事な依頼があったのよ。
「婚約者が変な指輪をつけてたましたのよ。」
「変な指輪?」
「そう、何かどこかで見たような気は、しますのよ。
実物じゃなくて何かの本に載ってた挿絵だったと思いますわ。
たぶん国立図書館かしら?」
「挿絵なの?」
そうあの指輪は、ずっと前に見た本に載ってたはずですの。
「それだけじゃわからないよ。
僕が直接見るか写真とかないと……。
けどエリーの婚約者に近づくの難しいよ?
いつもケバケバしい女の子達侍らせてるから。」
それは、そうですわよね。
けど私には、切り札があるのですわ。
「ちょうど特進科の三年にアクセサリー作りが趣味の先輩がいらっしゃってね。(同人誌仲間の婚約者様が)先輩に頼んで『珍しいデザインだから是非参考に描かせて欲しい。』って婚約者をおだててデザイン画を描いてもらいましたの。」
そう言ってタークちゃんにデザイン画を渡す。
こうして見ると、けっこう禍々しいデザインね。
「う~ん僕は、見た事無いなぁ。
国立図書館は、前よく行ってたけど……。
見たのっていつ頃かわかる?」
「かなり前ですから、初等部入学前だと思いますわ。」
あゝ考え込むタークちゃんも可愛いですわ♪
******************
(ターク視点)
トントン!
「すみません。ここで調査依頼を受けてくれると聞いて来たのだが?」
どうやら新たな依頼人が現れたみたいだね。
******************
(ナルキス視点)
俺様の名前は、ナルキス。
国立ユイナーダ学園高等部特進科の三年生。
クラスでも一番の成績だ!
公爵家嫡男の俺様には、婚約者がいる。
ジジイ達が勝手に決めた女だ。
ガキの頃から生意気で、勉強ばかりしていて、俺様の言う事を聞かない。
乳母のマリーにその事を言うと
「あの方は坊っちゃまと違って、頭が良ろしくないから勉強しているのですよ。」
やっぱりそうか!
俺様は天才なんだとこの時確信した。
******************
【高等部錬金科研究室兼探偵同好会部室】
薄暗い部屋で氷の入った透明なグラスに琥珀色の液体をなみなみと注ぎ、訪れた客に尋ねる。
カラン
とグラスの中の氷の音が静かな事務所に響く……
「で、依頼っていうのは?」
「……タークちゃんそんなにたくさんアイスティー入れたら、溢れますわよ。
後、もう夕方だから明かりを点けましょうか?」
そう言って部屋の明かりを点ける彼女を見る。
「もう!せっかく雰囲気を楽しんでたのに台無しじゃんか!」
そう文句を言うと、彼女はさらに
「こんな事してるから部員が集まらないんじゃないかしら?」
うっ…
「何事もまず雰囲気からだと思って……
昔読んだ本にも書いてあったし。」
「たぶんそれは、大人向けの『ハードボイルド』っていうのだと思うわ。
タークちゃんには似合わないと思いますわよ。
せいぜいハーフ?」
「イヤ~辞めて!それ以上は、言わないで!」
いいじゃん。
ちょっとくらい格好つけても……
「あら?そういえばタークちゃん陪臣家の娘はどうしましたの?
領地から一緒に来てましたよね?
普通こういう時って、陪臣家の娘が部員にならないかしら?」
そう、普通なら貴族家に仕える陪臣家の子弟は、主人と一緒に行動するもの。
でもここに、彼女はいない。
「一応同好会立ち上げる時には、名前書いてくれたよ。」
「それだけですの?」
「うん…『せっかく騎士科に入ったんだから!』って憧れの先輩がいる【剣術部】に入部しちゃったの。
ここ掛け持ちOKだから。」
ショボ~ン
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(エリー視点)
落ち込んでるタークちゃん可愛いですわ♪
と思ったのは、内緒です。
すると同好会立ち上げの時に名前を貸したのは、私『魔術科エリー』『魔術科エミール殿下』『特進科サーラ』『騎士科陪臣家の娘』
タークちゃんの当時の知り合いほぼ全員ですわね……。
顧問は、あの方ですし。
「そんな事よりエリー、何か依頼があったんじゃない?」
そうでしたわ!
大事な依頼があったのよ。
「婚約者が変な指輪をつけてたましたのよ。」
「変な指輪?」
「そう、何かどこかで見たような気は、しますのよ。
実物じゃなくて何かの本に載ってた挿絵だったと思いますわ。
たぶん国立図書館かしら?」
「挿絵なの?」
そうあの指輪は、ずっと前に見た本に載ってたはずですの。
「それだけじゃわからないよ。
僕が直接見るか写真とかないと……。
けどエリーの婚約者に近づくの難しいよ?
いつもケバケバしい女の子達侍らせてるから。」
それは、そうですわよね。
けど私には、切り札があるのですわ。
「ちょうど特進科の三年にアクセサリー作りが趣味の先輩がいらっしゃってね。(同人誌仲間の婚約者様が)先輩に頼んで『珍しいデザインだから是非参考に描かせて欲しい。』って婚約者をおだててデザイン画を描いてもらいましたの。」
そう言ってタークちゃんにデザイン画を渡す。
こうして見ると、けっこう禍々しいデザインね。
「う~ん僕は、見た事無いなぁ。
国立図書館は、前よく行ってたけど……。
見たのっていつ頃かわかる?」
「かなり前ですから、初等部入学前だと思いますわ。」
あゝ考え込むタークちゃんも可愛いですわ♪
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(ターク視点)
トントン!
「すみません。ここで調査依頼を受けてくれると聞いて来たのだが?」
どうやら新たな依頼人が現れたみたいだね。
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