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ラビット編
マクレガー氏の言い分
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俺の名前はマクレガー。
以前は王都近くの村で先祖伝来の畑を耕していた。
そんな俺の住む村に美しい兎族の女が、引越しして来た。
残念な事に人妻だったが。
夫婦で練金術師をしていて、子供も2人いる。
そいつらはたまたま開いていた、俺の祖父母が昔住んでいた小さい家を借りて住む事になっていた。
彼女の夫は無口で黙々と仕事をする男だった。
彼女が話しかけても殆ど返事もしない。
それでも彼女はかいがいしく、世話をしていた。
俺はそんな彼女が不憫でしかたなかった。
子供の方…特に男の方も無口で俺が話しかけても、うなずいたり首を振ったりするだけ。
きっと彼女はあの夫に無理矢理結婚させられたに違いない!
俺が彼女を救わなければ!!
そう思って彼女にそれとなく、家族仲は良いのか聞いてみた。
すると彼女は……
「えぇ…とっても♡
夫は真面目に仕事をしてくれるし、子供達も元気で過ごしていますから。
ところで大家さん、どうしてそんな事を聞かれるの?」
どうやら彼女は自分が、夫から虐げられている自覚がないようだ。
やはり俺がなんとかするしかない!
そんなある日、彼女の夫から
《本格的にこの村に移住したいので、あの家を売ってくれないか?》
という手紙が来た。
そんなに俺と話すのが嫌なのか?!
そういえば、俺はコイツと殆ど話した事がない。
引越しして来た時に1度挨拶したきりだ。
こんな奴の為に彼女が不孝になる必要はない!
家賃15年分の金額を提示したら、また手紙で《なんとか工面する。》と送って来た。
俺は決心した!
コイツを殺して彼女を手に入れてやる!!
------------------
兎は無口です。
その上ベンジャミンの父親はコミュ症だった。
以前は王都近くの村で先祖伝来の畑を耕していた。
そんな俺の住む村に美しい兎族の女が、引越しして来た。
残念な事に人妻だったが。
夫婦で練金術師をしていて、子供も2人いる。
そいつらはたまたま開いていた、俺の祖父母が昔住んでいた小さい家を借りて住む事になっていた。
彼女の夫は無口で黙々と仕事をする男だった。
彼女が話しかけても殆ど返事もしない。
それでも彼女はかいがいしく、世話をしていた。
俺はそんな彼女が不憫でしかたなかった。
子供の方…特に男の方も無口で俺が話しかけても、うなずいたり首を振ったりするだけ。
きっと彼女はあの夫に無理矢理結婚させられたに違いない!
俺が彼女を救わなければ!!
そう思って彼女にそれとなく、家族仲は良いのか聞いてみた。
すると彼女は……
「えぇ…とっても♡
夫は真面目に仕事をしてくれるし、子供達も元気で過ごしていますから。
ところで大家さん、どうしてそんな事を聞かれるの?」
どうやら彼女は自分が、夫から虐げられている自覚がないようだ。
やはり俺がなんとかするしかない!
そんなある日、彼女の夫から
《本格的にこの村に移住したいので、あの家を売ってくれないか?》
という手紙が来た。
そんなに俺と話すのが嫌なのか?!
そういえば、俺はコイツと殆ど話した事がない。
引越しして来た時に1度挨拶したきりだ。
こんな奴の為に彼女が不孝になる必要はない!
家賃15年分の金額を提示したら、また手紙で《なんとか工面する。》と送って来た。
俺は決心した!
コイツを殺して彼女を手に入れてやる!!
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兎は無口です。
その上ベンジャミンの父親はコミュ症だった。
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