【蜜味】 怖がりの人には怖すぎるかも知れない短編集

変なできものが出来たんです

変なできものが出来たんです2

手術の後が若干残っていたことに不満はあったものの、翔子のスタイルの大勢は変わらなかった。

しかし、それから１ヶ月後、ジムでトレーニングを終えた後、またもや乳房に痛みを感じた。

鏡で見てみると前と同じような出来物ができていた。

今回はすぐには病院に行かずに少し様子を見た。

すると、出来物は三つに増えていた。

翔子は恐ろしくなって直ぐに病院に駆けつけた。

またもやレーザー手術を受けたが、三つもとなると料金は前回の倍近くとなった。


それから1ヶ月後、さらに出来物ができた。

今度は左の乳首のすぐ横に出来物ができた。

増えては行けないので、直ぐに病院に行った。

しかし、今度は場所が場所だけに跡が残るらしい。
しかし、手術をしない訳には行かない。
赤紫の汚い出来物が乳首のすぐ横に出来ているのだ。

翔子はたった数ヶ月のうちに自分のパーフェクトな体が失われていくことにショックを隠しきれなかった。

夢に何度もうなされた。

乳房全体に赤紫の出来物ができている夢だ。

あのパーフェクトな体が失われた今、いっそ死んでしまいたい。

そう思いながら、ある朝起きてみると、体が傷一つない体に戻っていた。





という夢を見た。


それから数ヶ月後、翔子の体を見た医者は絶句した。

体中に赤紫の出来物が出来ていたのだ。

翔子の体にはもはや健康的な色気など微塵も感じられなかった。

医者は思わず顔をしかめた。

翔子はその顔を見て殺意を覚えた。

この世のもの全てを憎んだ。



出来物は何故か顔には出来なかった。

翔子は体中にできた酷い出来物を見なれてくると、自分の顔が美しいと感じるようになってきた。