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第一章 運命の人
痴漢にあったともみ
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しゅんは休んだが、クラスには2位になった球技大会を通して団結力のようなものが生まれていた。
もし、ここにしゅんがいたら間違いなく人気者のひとりとなっていたに違いないとともみは思った。
何しろ、しんじでさえ人気者なのだ。
しゅんは色々とタイミングが悪い。せっかく頑張ったのに。
ともみは部活が終わっていつも通りあけみちゃんと校門の所で別れて、帰路についた。
ワタナベ君とは中間テストの時以来一緒に帰っていない。ともみはワタナベ君を特に嫌っている訳ではない。真面目に勉強も部活も取りくむし、成績も良く足もそこそこ速い。ただ、一緒にいても話も弾まないし、なんだか煮え切らない感じが一緒にいて疲れるのだ。
結局どうしたいのかが分からない。
だから、ワタナベ君が一緒に帰ろうと言わなくなって、少し寂しい気もするが、気楽に感じる面もある。
坂を下っていくと、幼馴染のさちが前を歩いていた。男子と一緒である。
よく見ると例のバスケ部の彼氏、栗生あきひと君だった。
「さちバイバーイ」
「あ、ともみ。これからあきひと君とたこ焼き食べに行くの。ともみもどう?」
「いやいや。いい、いい。お邪魔したら悪いから」
2人のラブラブなところを見せられるのはごめんだ。
「じゃあまたね」
さちのように見た目も可愛く性格もいい子はすぐに彼氏ができるよな。正直うらやましい。
ともみは坂道を下って、上り坂を自転車を押して歩いていた。
陽はまだ明るいのにいつもより人気がないような気がした。
自転車のカゴに乗せた荷物が重たい。自転車に乗せているとは歩いて坂道を上るのは大変だ。
その時、なんにも考えてなかった。
警戒心が微塵もなかった。
後ろから足音がして振り向くと、男の強い力で後ろから抱きつかれていた。
悲鳴をあげようとしたが声が音にならない。
知らない男が胸の当たりを触ってくる。ともみは手に力を入れて防御する。自転車は荷物の重みで前カゴから倒れた。
アスファルトの上に座り込み男の腕を振りほどくように左右に体を揺する。
男は力ずくでともみの身体をどうにかしようとする。
恐怖のあまり命の危険さえ感じた。
その時、
「ともちん」
とワタナベの声が聞こえた。
それを合図に男の力が消え、走って逃げ去った。
ともみはその後ろ姿を見たが、黒っぽい服に動きが若い事しか分からなかった。知り合いではなかった。
急いでワタナベ君がともみに駆け寄った。
「大丈夫?何あいつ」
ともみは恐怖で涙が溢れ出てきた。
嗚咽しながら何とか
「ありがとう」とワタナベ君に言った。
ワタナベ君は家まで送ってくれた。ともみは驚きと恐怖心で混乱していた。ワタナベ君がいなければどうなっていたんだろうと考えた。それから油断していたと思った。いつの間にか自分の体はいつの間にか女として成長し、痴漢から襲われるようになってしまったんだと思った。
家に帰ってから親に話すとすぐに警察に連絡してくれた。そして後日被害届を出した。
次の日、学校では痴漢が発生した事がちょっとした話題になった。誰が痴漢にあったかは伏せられていたが、登下校の際には気をつけるようにと全校生徒に連絡があった。警察署のホームページにも痴漢の発生事件として掲載されていた。
ワタナベ君は次の日、自転車置き場にいた。
「ともちん。心配だから、一緒に帰ろう」
そう言って、立っていた。
ともみは襲われたショックが大きく、ワタナベ君が一緒に帰ってくれることはとても心強かった。
そうして、また毎日ワタナベ君と帰ることになった。
ワタナベ君はともみが痴漢にあったことは誰にも言っていないようだった。
もし、ここにしゅんがいたら間違いなく人気者のひとりとなっていたに違いないとともみは思った。
何しろ、しんじでさえ人気者なのだ。
しゅんは色々とタイミングが悪い。せっかく頑張ったのに。
ともみは部活が終わっていつも通りあけみちゃんと校門の所で別れて、帰路についた。
ワタナベ君とは中間テストの時以来一緒に帰っていない。ともみはワタナベ君を特に嫌っている訳ではない。真面目に勉強も部活も取りくむし、成績も良く足もそこそこ速い。ただ、一緒にいても話も弾まないし、なんだか煮え切らない感じが一緒にいて疲れるのだ。
結局どうしたいのかが分からない。
だから、ワタナベ君が一緒に帰ろうと言わなくなって、少し寂しい気もするが、気楽に感じる面もある。
坂を下っていくと、幼馴染のさちが前を歩いていた。男子と一緒である。
よく見ると例のバスケ部の彼氏、栗生あきひと君だった。
「さちバイバーイ」
「あ、ともみ。これからあきひと君とたこ焼き食べに行くの。ともみもどう?」
「いやいや。いい、いい。お邪魔したら悪いから」
2人のラブラブなところを見せられるのはごめんだ。
「じゃあまたね」
さちのように見た目も可愛く性格もいい子はすぐに彼氏ができるよな。正直うらやましい。
ともみは坂道を下って、上り坂を自転車を押して歩いていた。
陽はまだ明るいのにいつもより人気がないような気がした。
自転車のカゴに乗せた荷物が重たい。自転車に乗せているとは歩いて坂道を上るのは大変だ。
その時、なんにも考えてなかった。
警戒心が微塵もなかった。
後ろから足音がして振り向くと、男の強い力で後ろから抱きつかれていた。
悲鳴をあげようとしたが声が音にならない。
知らない男が胸の当たりを触ってくる。ともみは手に力を入れて防御する。自転車は荷物の重みで前カゴから倒れた。
アスファルトの上に座り込み男の腕を振りほどくように左右に体を揺する。
男は力ずくでともみの身体をどうにかしようとする。
恐怖のあまり命の危険さえ感じた。
その時、
「ともちん」
とワタナベの声が聞こえた。
それを合図に男の力が消え、走って逃げ去った。
ともみはその後ろ姿を見たが、黒っぽい服に動きが若い事しか分からなかった。知り合いではなかった。
急いでワタナベ君がともみに駆け寄った。
「大丈夫?何あいつ」
ともみは恐怖で涙が溢れ出てきた。
嗚咽しながら何とか
「ありがとう」とワタナベ君に言った。
ワタナベ君は家まで送ってくれた。ともみは驚きと恐怖心で混乱していた。ワタナベ君がいなければどうなっていたんだろうと考えた。それから油断していたと思った。いつの間にか自分の体はいつの間にか女として成長し、痴漢から襲われるようになってしまったんだと思った。
家に帰ってから親に話すとすぐに警察に連絡してくれた。そして後日被害届を出した。
次の日、学校では痴漢が発生した事がちょっとした話題になった。誰が痴漢にあったかは伏せられていたが、登下校の際には気をつけるようにと全校生徒に連絡があった。警察署のホームページにも痴漢の発生事件として掲載されていた。
ワタナベ君は次の日、自転車置き場にいた。
「ともちん。心配だから、一緒に帰ろう」
そう言って、立っていた。
ともみは襲われたショックが大きく、ワタナベ君が一緒に帰ってくれることはとても心強かった。
そうして、また毎日ワタナベ君と帰ることになった。
ワタナベ君はともみが痴漢にあったことは誰にも言っていないようだった。
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