かきまぜないで

ゆなな

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番外編SS

BLUE HEAVEN7

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「は……っは……」
 苦しそうな息を漏らす躯を膝の上に抱き上げて、背中をさすって宥めてやる。
「わり……苦しかったな……」
 そう囁いたときだった。
 膝の上に抱いた高弥はその細い腕をぎゅっと陽介の首筋に巻き付ける。
 そして……
「よ……ヨウくん……っ……なんか、お腹熱くて苦しいよぉ……っ」
 そう言って固く勃ち上がったものを無意識なのだろう、陽介に擦りつけるように腰を揺らす。
「あー……見ないようにしててやるから抜いちまえ」
 陽介はいつもの部屋と違う個室を見回す。陽介が触れて熱を冷ましてやりたいのは山々だが、さすがにそれはマズいだろうという意識はあった。それくらいに高弥は小さかったし、明日手術を控えてる身なのだ。それなのに。
「抜く? 抜くって何を?」
 幼い顔をとろん、と欲情で蕩けさせて首を横に傾けて陽介に問うのだ。
 陽介はうわぁと叫んで頭を抱えた。
「……っマジかよ……抜いたことねぇの? ……じゃあさ、朝起きてパンツ濡れてたことは?」 
 顔を覆った手の隙間から陽介の言葉を聞いて頬と耳がぱっと赤くなった高弥が見えた。
「あぁ、それはさすがにそれはわかんのね……」
 はふ、はふと苦しそうな吐息を果実のように愛らしいくちびるから漏らす高弥の首筋に陽介は額を当てて、長く息を吐き出した。
「くるし……たすけて……」
 いつもは青白い頬が火照って、大きな瞳が宥め方を知らない熱で翻弄され潤んでいる。
「あーっ、もう……俺もわかんね……っくそ……っ誰にでも助けてって言うんじゃねぇぞ?高弥っ」
 低い声で陽介は囁くとパジャマのズボンを下着ごとずるりと下ろした。
「よ……ヨウくん……?なに……ぁ……っ」
「……熱くて苦しいの、ココじゃねぇの?」
 勃起した状態でも陽介のてのひらですっぽりと包めてしまう小さなペニス。
「あっ……ぁ……っな……こすんないで……っジンジンするっ……おかしいよぉ……」
 産毛さえもないような状態の下肢にあるそこをてのひら全体で優しく扱いてやると、陽介の胸に額を当てて身を震わせる。
「おかしくねぇよ。ココは今みたく苦しくなったら擦って精液出せば楽になんの。ジンジンするの、キモチイイだろ?」
 柔らかな甘い耳を弄りながら言う。最低限の行為におさめなければと思うのに、可愛い耳に触れるのを止められない。
「あ……っ熱いよぉ……何か……何かきちゃう……っなに……あっ怖いっ……」
「怖くねぇよ。キモチイイだけだから。おっきい声出ないように俺の服、噛んでろ」
 ほんとはたっぷり焦らして喘がせて泣かせたい。
 天使みたいに清純な高弥が初めての快楽に身悶えるのを見たい。
 でも。
「んっ……んんっ」
 必死に陽介のパーカーの胸の辺りを噛んで声を耐える。
 愛らしい姿を見ても理性を失わないように、奥歯をぐっと噛み締めて、なるべく早く射精出来るように手を動かしてやる。
 先から滲んだ液のせいでぬちゃぬちゃと音がする。
 暑いのか、ボタンが幾つか外されたパジャマの隙間から見える可愛い桃色の乳首に頭の中がぐちゃぐちゃとかきまぜられておかしくなりそうだった。
(乳首覗き見するとか、童貞かよ……)
 千切れそうな理性を何とか耐えながらペニスを扱いてやる。
 すると
「ん……くぅ……ぅあっ……」
 潤んだ瞳と幼いのにたっぷりと色を含んだその声に、ぷつり、と陽介の頭で何かが焼き切れた音がした。その音と同時に、陽介は高弥が噛んでいたパーカーを脱いで彼の腕に納めたあと、切なくピンク色に濡れる蕾のような高弥の愛らしいペニスを口に含んだ。
「ひゃ……っあ……」
 熱く濡れた咥内にペニスを包まれる感覚に高弥が目を見開くと、瞳の表面に張っていた涙の膜が雫になってぽたぽたと零れた。
 あまり大きくないペニスは容易に陽介の咥内に全て収まった。可愛らしいそれは全て口に含んでも舌で愛撫しやすかった。
「あっあっ……ヨウくん……っやめてっ……そんなとこ……っあっ……くちにいれたら……んんっ汚いよぉ……」
 陽介が少しだけ口を外して
 「汚くねぇよ……高弥の舐めさせて……舐めたい……」 
と欲望が色濃い声で告げると逃げようと揺れていた高弥の腰がぴたり、と止まった。
 狂おしい陽介の声に、もしかしたらこのどうにかなりそうな熱を陽介ももてあましているのだろうかと思うと高弥のちいさな心臓も狂おしく高鳴った。
 ちいさな抵抗が止まったのを見て、陽介はもう一度ちいさな蕾のようなペニスを口に含んだ。
「あぁっ……ん」
 舌を辿らせるだけで、びくびくと揺れる腰と可愛い声がたまらなくて、たらたら蜜を垂らし続けるちいさなちいさな鈴口にぐり、と舌先を押し込んだ。
「やぁ……なんか、出ちゃう…………っんんんっ」
 陽介の咥内に高弥の体液がびゅるっと吐き出された。
「あ……あ……でちゃったよぉ……」
 全身が甘い熱に支配されて、頭が真っ白になって、ペニスが溶けてしまうんじゃないかと思うほどの快感に震える高弥を見ながら、陽介は咥内に吐き出された高弥の精液を飲み込んだ。
 男の精液なんて死んでも口に出来ないと思っていたのに、一滴も逃したくないとまで思ってしまった。とろりとして、ほんの少し舌先を痺れさせるそれは高弥の生命力である気がして愛おしいとさえ陽介は思った。
 達すると同時に全身から力が抜けてしまい、くたり、とした躯を抱き止める。苦しそうな呼吸が落ち着くように背中をそっと撫でてやる。
「大丈夫か?」
 尋ねると、こくりとちいさな頭が揺れた。
「ヨウく……ん、なんか……すごく……ねむい……」
 情事の後のとろりとした声が眠気で更にふわふわになっている。
「ん。後始末しておいてやるから、このまま寝ちまえ……」
 ゆっくりと躯をベッドに横たえてやる。
 ベッドサイドに置いてあったウエットティッシュで綺麗に拭っていると
「ヨウくん……いか、ないで……いっしょに……いて……」
 眠さのあまり舌足らずになっている高弥の泣きそうな声。
「大丈夫だ。朝までいてやるから、安心して寝な」
 陽介がそう言うと
「ありがと……よ……うく……ん……」
 すき……だいすき……
 そう言うと高弥は静かに眠りについた。
 長いまつげが伏せられた寝顔が月明かりに照らされた。
「きれー……だな……」
 どうか、せめて朝までは安心して眠れますように。
 俺が守ってやれるのは、そこまでだから……

 陽介は生まれて初めて儘ならないというもどかしさを知った。
 
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