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第1章 ウィムンド王国編 2
竜種の種別 -1-
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(……不味いな。通常種2竜の説明が終わった程度でこの憔悴ぶり……)
初期からこの話しを知っているフリュヒテンゴルト公爵、ベントレー子爵、レンリアードとローガンですら先程から深い溜息を漏らすことが止められないらしい現状にアーウィンは思う。
これで残り6竜の説明は元より、連続してやって来られることで起こり得る弊害のことなど話して彼等の精神は、果たして保つのだろうか。
「1度休憩を挟むか? それとも続けて話して構わぬか?」
アーウィンがこの発言をしただけで、控えていたフェリシティアが茶の準備をし始めた。
決定がどちらへ転ぶにせよ、喉を湿らせる為の物は必要だろうと判断し、指示される前に己が選ぶべき最適解を選択出来る彼女は、その背景事情を差し引いたとしてもこの国が、傍付にと推薦してこれるだけの素地があるのだろう。
「お気遣いは有り難く。ですが、早々に議会承認や陛下への上奏を取り付けたいと考えておりますので、次にやってくる竜のお話しは、続けてお聞かせ頂きたく」
「次は、亜種が2竜来るのでしたかな?」
「そうだ」
フリュヒテンゴルト公爵とベントレー子爵の言葉を受けて、それならばフェリシティアの茶を飲みながらでも良いか、と考えたが。
「あの、すみません」
「どうした? 騎士バリナ」
「あ、えっと……竜って、私が知ってる以上に色々居るみたいで、何か、大型、とか? 通常種、とか? 何が違うのか良く分かんなくて……」
そう言えば、レンリアードに問われて冠名詞に対する説明はしたが、そもそも竜種とは何ぞや、たる所は説明していなかったな、と考えたアーウィンは両手を目の前の紫板へと伸ばして、指先でそこを叩き出す。
「では、基本的な所からまず説明していこう」
「すみません、お願いします」
「お願いします!」
バリナに便乗する形で右手を上げたスライが、追随する言葉を口にした所を見るに彼も実は良く分かっていなかったらしい、と知ってアーウィンが小さく笑った。
テーブル上では、フェリシティアが入れた茶の注ぎ入れられた茶器がそれぞれに配り置かれ、中央上部に1枚の大きな光板が新たに現れた。
その向かって左側部分に大きな赤紫色の物が1つ映し出される。
双円錐をゴツゴツと荒削りしたみたいな形をしたそれは「魔石」と呼ばれていて、全ての魔物の体内に存在し、大まかに言うと有れば魔物、なければ動物、と言う分かりやすい判断基準や指標とされている物質である。
魔力の籠もった武器防具、魔導具の核や補助石、魔法薬の原材料としても使われているそれは、大きさを除けばこの場の者達にとって見慣れている物だった。
だが、その隣に映っている石は知る人ぞ知る、と言った代物で、この場の者では地妖精のローガンと森妖精レンリアード、冒険者ギルドの受付嬢であるミューニャ、そしてフリュヒテンゴルト公爵しかアーウィンの他には分かる者がいなかった。
ゴツゴツとした表面の縦長な楕円形をしたそれは、深い緑色をしているだけでなく、淡く白銀に光っているのが見て取れた。
中心に9色の光を斑らに灯す完全球形を内包するそれは。
「素晴らしい竜石ですな。これがあれば伝説級……いや、幻想級レベルの代物が作れますぞ」
「これが、竜石?」
ローガンが感心したように溢した言葉で彼へと目を向けていたバリナが呟きと共に竜石へ視線を戻した。
「そうニャ。これが体内にないと竜種じゃないのニャ」
「その通り。これが基本中の基本だな。竜種とは、必ず体内に竜石を内包している魔物のことを指している。形状は竜種と酷似しているが竜石を持たぬ個体、例えばワイバーンやサウリアバット、ハーモニアエリゾンなどは亜竜種に分類される」
流石に冒険者ギルドの受付嬢ともなれば、その辺りの知識は頭に入っているらしいミューニャに合いの手を入れながらそう続けたアーウィンは、再び目の前の紫板を指先で叩きながら魔石と竜石が表示されていた光板に別の映像を映し出した。
「見せられる資料が全てヴェルザリス準拠になってしまうのは申し訳ないが、我が国の古龍研究所が長年蓄積して編纂した映像資料が説明するのに分かりやすいと思うので、それを見せよう」
左から右へとゆっくり流れて行く景色は、見渡す限りの大草原。
その長閑で爽やかな光景に突如として、ザックザックザック、と忙しない音を立てて現れたのは、枯れたような濁った黄色と黒に近い深緑、雨上がりの土色を思わせる濃い茶色の3色を斑らに纏う細身の個体。
金色の虹彩と縦に細長い瞳孔を持つ瞳と長い尻尾。
全体的にトカゲが後ろ足で立ち上がって2足歩行を始めたらこんな感じだろうか? と思わせる佇まいをしていた。
10体程いる群れのリーダーなのだろうか。
先頭の一際大きな個体が時折、立ち止まっては周囲を見廻し、進む方向を決めて走り去る。
そのまま右へと流れて行った景色は川縁に近い所へ移動して、そこに4足歩行の濃い茶色をした群れを映し出した。
水を飲んだり、草を食んだりしている動きや低く鳴いているような声が聞こえてくる光景は、牛に似た竜の見た目と相まって、片田舎の牧場を思わせるどこかゆったりとした空気を感じたけれど、これもあくまで竜種なのだというのならば、戦闘時に豹変するような種類なのかもしれない。
川を遡る形で右へ右へと流れて行く景色は、やがて岩場へ差し掛かる。
ふと、先程と同じ忙しない足音が聞こえて、姿を現したのは3色斑らと同じ2足歩行のトカゲ型。
ただし、体色が黒・灰色・すくんだ緑に変わり、瞳の虹彩も赤になっていた。
立ち止まっていた先頭個体が、少し高めの耳障りな声でギャアギャアと鳴いてから出てきた時に向いていたのとは違う方向へと群れを率いて去って行った。
群れが去ってすぐ、今度は画面奥側の空から羽音が聞こえてクォールンドラコ、と呼ばれている黒灰色をした細身の空飛ぶトカゲが現れた。
空を飛ぶ癖にこの大陸の空には存在せず、迷宮でしか見ることが出来ない魔物だった。
倒してもドロップ品しか手に出来ない為、この魔物が竜種に数えられているのだということを初めて知った。
景色は、クォールンドラコが3体飛んでいる下を通過する形で岩壁へ向かい、今度は上から下へと景色を流す。
するとまたしても斑らトカゲが現れた。
今度は緑の虹彩を持つ瞳で、紺色、青、白に近い水色の3色に体色が変わっている。
もしかして、保護色的な意味合いで色が変わっているだけなのだろうか?
そんなことを考えていると映像の流れる方向が右斜め上からに変わり、周囲の景色が雪景色へと変化した。
光板は、地面に降り積もっていた雪の上を暫し滑るように映して止まる。
すると、もそもそっと雪の表面が動いて、ひょっこりと顔を出したのは、広い垂れ耳を持った兎と鼠の中間くらいな姿をしている個体だった。
白い鱗と純白の毛並み、耳の付根よりやや後ろの部分から斜め上に向かって伸び、緩く下方へ湾曲した線を描く2本の角。
真っ赤な瞳を持っているそれを反射的に可愛い、なんて思っていた女性陣だったが、これまで1竜たりとも気付かなかったこの映像を映している何かに、この竜だけは気づいたらしい。
こちらへと目を向けるが早いか、2本の角と額を三角に結んだ空間へ小さな雷球を生み出し、キュッ、と一声鳴いて上へ跳びあがると同時に頭を前方方向へと鋭く振ることでそれをブッ放して来た。
見かけの割に攻撃判断に移る速度と方法がえげつない。
そんな感想を抱いている間にパチパチと放電線と音を爆ぜる映像の中で雪上へと着地した白い小型竜は、再び雪中へと一目散で潜り込んで消えた。
「これらが代表的な小型竜の映像だ。ここからは中型竜が纏められている」
アーウィンの言葉と同時に光板の映像は切り替わり、大河の流れる丘陵地帯が映し出され、一同は無意識に一息つきながら配り置かれていた茶に手を伸ばした。
これまで、ヤバイ竜ばっかり見せられていた所為で感覚が麻痺しかけているのか、このくらいの竜ならばまだ対処が出来そうだ、とでも思ったのか、これまでに比べるとホッとした空気が漂う。
だが、すっかり冷め切ってしまっていた紅茶が、何故か今は美味く感じて本能と身体は正直に竜の脅威をキチンと脅威として認めているのだと理解出来た気がしていた。
初期からこの話しを知っているフリュヒテンゴルト公爵、ベントレー子爵、レンリアードとローガンですら先程から深い溜息を漏らすことが止められないらしい現状にアーウィンは思う。
これで残り6竜の説明は元より、連続してやって来られることで起こり得る弊害のことなど話して彼等の精神は、果たして保つのだろうか。
「1度休憩を挟むか? それとも続けて話して構わぬか?」
アーウィンがこの発言をしただけで、控えていたフェリシティアが茶の準備をし始めた。
決定がどちらへ転ぶにせよ、喉を湿らせる為の物は必要だろうと判断し、指示される前に己が選ぶべき最適解を選択出来る彼女は、その背景事情を差し引いたとしてもこの国が、傍付にと推薦してこれるだけの素地があるのだろう。
「お気遣いは有り難く。ですが、早々に議会承認や陛下への上奏を取り付けたいと考えておりますので、次にやってくる竜のお話しは、続けてお聞かせ頂きたく」
「次は、亜種が2竜来るのでしたかな?」
「そうだ」
フリュヒテンゴルト公爵とベントレー子爵の言葉を受けて、それならばフェリシティアの茶を飲みながらでも良いか、と考えたが。
「あの、すみません」
「どうした? 騎士バリナ」
「あ、えっと……竜って、私が知ってる以上に色々居るみたいで、何か、大型、とか? 通常種、とか? 何が違うのか良く分かんなくて……」
そう言えば、レンリアードに問われて冠名詞に対する説明はしたが、そもそも竜種とは何ぞや、たる所は説明していなかったな、と考えたアーウィンは両手を目の前の紫板へと伸ばして、指先でそこを叩き出す。
「では、基本的な所からまず説明していこう」
「すみません、お願いします」
「お願いします!」
バリナに便乗する形で右手を上げたスライが、追随する言葉を口にした所を見るに彼も実は良く分かっていなかったらしい、と知ってアーウィンが小さく笑った。
テーブル上では、フェリシティアが入れた茶の注ぎ入れられた茶器がそれぞれに配り置かれ、中央上部に1枚の大きな光板が新たに現れた。
その向かって左側部分に大きな赤紫色の物が1つ映し出される。
双円錐をゴツゴツと荒削りしたみたいな形をしたそれは「魔石」と呼ばれていて、全ての魔物の体内に存在し、大まかに言うと有れば魔物、なければ動物、と言う分かりやすい判断基準や指標とされている物質である。
魔力の籠もった武器防具、魔導具の核や補助石、魔法薬の原材料としても使われているそれは、大きさを除けばこの場の者達にとって見慣れている物だった。
だが、その隣に映っている石は知る人ぞ知る、と言った代物で、この場の者では地妖精のローガンと森妖精レンリアード、冒険者ギルドの受付嬢であるミューニャ、そしてフリュヒテンゴルト公爵しかアーウィンの他には分かる者がいなかった。
ゴツゴツとした表面の縦長な楕円形をしたそれは、深い緑色をしているだけでなく、淡く白銀に光っているのが見て取れた。
中心に9色の光を斑らに灯す完全球形を内包するそれは。
「素晴らしい竜石ですな。これがあれば伝説級……いや、幻想級レベルの代物が作れますぞ」
「これが、竜石?」
ローガンが感心したように溢した言葉で彼へと目を向けていたバリナが呟きと共に竜石へ視線を戻した。
「そうニャ。これが体内にないと竜種じゃないのニャ」
「その通り。これが基本中の基本だな。竜種とは、必ず体内に竜石を内包している魔物のことを指している。形状は竜種と酷似しているが竜石を持たぬ個体、例えばワイバーンやサウリアバット、ハーモニアエリゾンなどは亜竜種に分類される」
流石に冒険者ギルドの受付嬢ともなれば、その辺りの知識は頭に入っているらしいミューニャに合いの手を入れながらそう続けたアーウィンは、再び目の前の紫板を指先で叩きながら魔石と竜石が表示されていた光板に別の映像を映し出した。
「見せられる資料が全てヴェルザリス準拠になってしまうのは申し訳ないが、我が国の古龍研究所が長年蓄積して編纂した映像資料が説明するのに分かりやすいと思うので、それを見せよう」
左から右へとゆっくり流れて行く景色は、見渡す限りの大草原。
その長閑で爽やかな光景に突如として、ザックザックザック、と忙しない音を立てて現れたのは、枯れたような濁った黄色と黒に近い深緑、雨上がりの土色を思わせる濃い茶色の3色を斑らに纏う細身の個体。
金色の虹彩と縦に細長い瞳孔を持つ瞳と長い尻尾。
全体的にトカゲが後ろ足で立ち上がって2足歩行を始めたらこんな感じだろうか? と思わせる佇まいをしていた。
10体程いる群れのリーダーなのだろうか。
先頭の一際大きな個体が時折、立ち止まっては周囲を見廻し、進む方向を決めて走り去る。
そのまま右へと流れて行った景色は川縁に近い所へ移動して、そこに4足歩行の濃い茶色をした群れを映し出した。
水を飲んだり、草を食んだりしている動きや低く鳴いているような声が聞こえてくる光景は、牛に似た竜の見た目と相まって、片田舎の牧場を思わせるどこかゆったりとした空気を感じたけれど、これもあくまで竜種なのだというのならば、戦闘時に豹変するような種類なのかもしれない。
川を遡る形で右へ右へと流れて行く景色は、やがて岩場へ差し掛かる。
ふと、先程と同じ忙しない足音が聞こえて、姿を現したのは3色斑らと同じ2足歩行のトカゲ型。
ただし、体色が黒・灰色・すくんだ緑に変わり、瞳の虹彩も赤になっていた。
立ち止まっていた先頭個体が、少し高めの耳障りな声でギャアギャアと鳴いてから出てきた時に向いていたのとは違う方向へと群れを率いて去って行った。
群れが去ってすぐ、今度は画面奥側の空から羽音が聞こえてクォールンドラコ、と呼ばれている黒灰色をした細身の空飛ぶトカゲが現れた。
空を飛ぶ癖にこの大陸の空には存在せず、迷宮でしか見ることが出来ない魔物だった。
倒してもドロップ品しか手に出来ない為、この魔物が竜種に数えられているのだということを初めて知った。
景色は、クォールンドラコが3体飛んでいる下を通過する形で岩壁へ向かい、今度は上から下へと景色を流す。
するとまたしても斑らトカゲが現れた。
今度は緑の虹彩を持つ瞳で、紺色、青、白に近い水色の3色に体色が変わっている。
もしかして、保護色的な意味合いで色が変わっているだけなのだろうか?
そんなことを考えていると映像の流れる方向が右斜め上からに変わり、周囲の景色が雪景色へと変化した。
光板は、地面に降り積もっていた雪の上を暫し滑るように映して止まる。
すると、もそもそっと雪の表面が動いて、ひょっこりと顔を出したのは、広い垂れ耳を持った兎と鼠の中間くらいな姿をしている個体だった。
白い鱗と純白の毛並み、耳の付根よりやや後ろの部分から斜め上に向かって伸び、緩く下方へ湾曲した線を描く2本の角。
真っ赤な瞳を持っているそれを反射的に可愛い、なんて思っていた女性陣だったが、これまで1竜たりとも気付かなかったこの映像を映している何かに、この竜だけは気づいたらしい。
こちらへと目を向けるが早いか、2本の角と額を三角に結んだ空間へ小さな雷球を生み出し、キュッ、と一声鳴いて上へ跳びあがると同時に頭を前方方向へと鋭く振ることでそれをブッ放して来た。
見かけの割に攻撃判断に移る速度と方法がえげつない。
そんな感想を抱いている間にパチパチと放電線と音を爆ぜる映像の中で雪上へと着地した白い小型竜は、再び雪中へと一目散で潜り込んで消えた。
「これらが代表的な小型竜の映像だ。ここからは中型竜が纏められている」
アーウィンの言葉と同時に光板の映像は切り替わり、大河の流れる丘陵地帯が映し出され、一同は無意識に一息つきながら配り置かれていた茶に手を伸ばした。
これまで、ヤバイ竜ばっかり見せられていた所為で感覚が麻痺しかけているのか、このくらいの竜ならばまだ対処が出来そうだ、とでも思ったのか、これまでに比べるとホッとした空気が漂う。
だが、すっかり冷め切ってしまっていた紅茶が、何故か今は美味く感じて本能と身体は正直に竜の脅威をキチンと脅威として認めているのだと理解出来た気がしていた。
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