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閑話1 その頃のヴェルザリス
公爵令嬢 ルクレンティアの場合
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第1王子であり、王太子でもあるバルディールと第2王女シェリアーナの生母であり、天空国家ヴェルザリスの国母である王妃エシェンティーヌは、実子ではないものの我が子のように接している第3王子アーウィンの行き方知れずをその婚約者であるルクレンティアとのお茶会の席で知らされた。
「王妃様っ!」
ふっ、と目の前が真っ暗になったような錯覚に陥って椅子横から転げ落ちそうになった彼女を支えてくれたのは、侍女や護衛の女性騎士ではなく、そのルクレンティアだった。
「お気を確かに! 大丈夫ですわ! アーウィン殿下は逆境や修羅場に誰よりもお強い御方、必ずや無事であらせられますわ!」
身を支えてくれている彼女が、ギュッと力強く己の肩と手を握って励ましの言葉をくれたことにホッとしつつ、気付く。
ルクレンティア自身の手は、発している言葉とは裏腹に少し震えていた。
生母ではない己がここまでの衝撃を受けたのだ。
唯一の婚約者である彼女がショックを受けない筈はないと推し量り、深く息を吐きながらエシェンティーヌは自力で椅子へと座り直した。
「大丈夫よ、ティア。ありがとう」
「いえ……」
「貴女は大丈夫? さぞや心配でしょうに、わたくしが先に……ごめんなさいね?」
すぐ傍で、伏せ目がちに返事をしたルクレンティアにそう声をかけると緩いウェーブのかかった淡い金の髪が揺れて新緑を思わせる碧の瞳がエシェンティーヌの方を向いた。
「わたくしは、殿下を信じておりますから。ご無事を疑ってはおりませんわ。ただ……」
「ただ?」
「…………地上の女性達が売女のような色目を向けて、どれだけ殿下に群がっているのか考えますと、ついつい、何処にいるやも知れぬ彼の方の周囲へ、極大の雷魔法を雨霰の如く降らせてしまいたい衝動に駆られるだけでございますので」
にっこりと天使のような微笑みを見せていながら、どう少なめに見積もっても真っ黒極まりない発言をかましたルクレンティアに “堕天使ルったん” と異名を取った彼女の幼少時代が脳裏を過った。
父であるラッファエラ公爵とその夫人に惜しみなく、たっぷりの愛情を注がれて育った1人娘の彼女は幼少期、それはそれは情け容赦ない御令嬢として数多の婚約者候補の少年達を泣かせまくっていた。
こっ酷く振るとか、親の権力を笠に着て我儘放題を押し付けるなんて、ある意味、可愛いと言える類の泣かせ方では決してない。
その実態を一言で表すのならば。
泣かせた(物理)
最も適切な表現は、これであろう。
天性スキルと呼ばれる生まれながら持っているスキルに “剣神” を持つ彼女は、年齢差や経験差、果ては体格差や性別差を物ともせずにその力を遺憾なく発揮しまくっていた。
是非、想像してみていただきたい。
見た目は儚げで柔らかでふわふわしている天使のように見えた少女が、婚約者となる唯一の条件に “剣で己に勝つこと” を掲げ、相対した公爵家の訓練場で例え手にした木剣がその威力に耐えられずに次第、粉微塵となっていこうとも相手が泣くか気を失うかするまで一切合切攻撃の手を緩めることなく打ち据え続けて勝利する、その様を。
天使な彼女が鬼や悪魔に……いやさ、堕天使となったかのような佇まいで敗者の少年を睥睨する光景は、大人達であれば “流石は騎士団長家の御令嬢” と称賛する逃げ道こそあったけれど、当の少年達にしてみれば生き地獄もかくやの状況でしかない。
剣の相手をしながら感じ続ける恐ろしい思いにどれだけ喚こうとも。
全く敵うことのない現実に悔し紛れで思いつく限りの言葉を使って罵倒し続けようとも。
顔色1つ変えることなく、泣くか負けを認めるかするまで一方的に叩かれまくる惨めな少年達にしてみれば、それはトラウマ物の経験でしかなく。
そんな少女を妻とする度胸がなかったことも、それを悦べる特殊性癖者でなかったことも、決して彼等が責められる要素になりはしなかったことだろう。
事実、アーウィンに唯一であり、初である敗北を喫するまでそれは続いたのだし。
彼に負けて以降は、貴族令嬢としての礼儀作法もきっちりと身につけ、非の打ち所がない娘へと変貌したものの、そのツケとばかり、容赦のなくなる方向が、アーウィンに擦り寄る女達に対する物へと変わった。
陰湿でも苛烈でもなく、にっこり笑ってありとあらゆる方向性を以って、己が上だと実力行使で見せつけることで対象となった娘の心をバッキリと底辺から折りまくることから当時は大層、恐れられていたものだ。
いつだったか、それに耐えられなくなった御令嬢が、アーウィンに直訴したことがあったのだけれど。
『ティア。そんなことをしなくても私は君のものだろう? 私は君一筋で、他の人を恋人や妻に迎える気など全くないよ。だからそんな風に周囲の子達を威嚇したりしないで? どんな人が寄って来ようと本当に私が君一筋なのか、見定めてやる、くらい余裕でいてくれなくちゃ。君はこの世で唯一、私に愛されている女性なのだからね』
『アーウィン様ぁっ!』
結果だけ見れば、砂どころか砂糖が吐けそうな極甘台詞と抱擁を以って堕天使を天使に戻す様を見せつけられるだけに終わった。
次第、ルクレンティア自身もアーウィンにチクられるような嫉妬の仕方をしなくなっていき、2人の間に入り込もうとする猛者も尽きていった為、社交界は平穏を取り戻したという経緯があるのだけれど。
(い、いけない……このままでは、地上がティアの得意魔法、天罰大雷光燦で焼け焦げた血の海にっ!)
予想し得る最悪の事態を想定してしまったエシェンティーヌは、彼女が震えていた理由を正確に把握し直すと、がっしり両手でルクレンティアの両手を捕まえて、椅子から勢いよく立ち上がった。
「貴女がそんなことをせずに済むよう、陛下やバル達に呉々もとお願いしに参りましょう。ええ、それがいいわ! わたくしも共にお部屋を訪ねて口添えいたしますから。ねっ?」
半ば懇願も混ざった王妃の言葉にルクレンティアは頷いて、2人は案内の侍従と共に王家専用の執務室を目指した。
──…残る招集者は、後、1人。
「王妃様っ!」
ふっ、と目の前が真っ暗になったような錯覚に陥って椅子横から転げ落ちそうになった彼女を支えてくれたのは、侍女や護衛の女性騎士ではなく、そのルクレンティアだった。
「お気を確かに! 大丈夫ですわ! アーウィン殿下は逆境や修羅場に誰よりもお強い御方、必ずや無事であらせられますわ!」
身を支えてくれている彼女が、ギュッと力強く己の肩と手を握って励ましの言葉をくれたことにホッとしつつ、気付く。
ルクレンティア自身の手は、発している言葉とは裏腹に少し震えていた。
生母ではない己がここまでの衝撃を受けたのだ。
唯一の婚約者である彼女がショックを受けない筈はないと推し量り、深く息を吐きながらエシェンティーヌは自力で椅子へと座り直した。
「大丈夫よ、ティア。ありがとう」
「いえ……」
「貴女は大丈夫? さぞや心配でしょうに、わたくしが先に……ごめんなさいね?」
すぐ傍で、伏せ目がちに返事をしたルクレンティアにそう声をかけると緩いウェーブのかかった淡い金の髪が揺れて新緑を思わせる碧の瞳がエシェンティーヌの方を向いた。
「わたくしは、殿下を信じておりますから。ご無事を疑ってはおりませんわ。ただ……」
「ただ?」
「…………地上の女性達が売女のような色目を向けて、どれだけ殿下に群がっているのか考えますと、ついつい、何処にいるやも知れぬ彼の方の周囲へ、極大の雷魔法を雨霰の如く降らせてしまいたい衝動に駆られるだけでございますので」
にっこりと天使のような微笑みを見せていながら、どう少なめに見積もっても真っ黒極まりない発言をかましたルクレンティアに “堕天使ルったん” と異名を取った彼女の幼少時代が脳裏を過った。
父であるラッファエラ公爵とその夫人に惜しみなく、たっぷりの愛情を注がれて育った1人娘の彼女は幼少期、それはそれは情け容赦ない御令嬢として数多の婚約者候補の少年達を泣かせまくっていた。
こっ酷く振るとか、親の権力を笠に着て我儘放題を押し付けるなんて、ある意味、可愛いと言える類の泣かせ方では決してない。
その実態を一言で表すのならば。
泣かせた(物理)
最も適切な表現は、これであろう。
天性スキルと呼ばれる生まれながら持っているスキルに “剣神” を持つ彼女は、年齢差や経験差、果ては体格差や性別差を物ともせずにその力を遺憾なく発揮しまくっていた。
是非、想像してみていただきたい。
見た目は儚げで柔らかでふわふわしている天使のように見えた少女が、婚約者となる唯一の条件に “剣で己に勝つこと” を掲げ、相対した公爵家の訓練場で例え手にした木剣がその威力に耐えられずに次第、粉微塵となっていこうとも相手が泣くか気を失うかするまで一切合切攻撃の手を緩めることなく打ち据え続けて勝利する、その様を。
天使な彼女が鬼や悪魔に……いやさ、堕天使となったかのような佇まいで敗者の少年を睥睨する光景は、大人達であれば “流石は騎士団長家の御令嬢” と称賛する逃げ道こそあったけれど、当の少年達にしてみれば生き地獄もかくやの状況でしかない。
剣の相手をしながら感じ続ける恐ろしい思いにどれだけ喚こうとも。
全く敵うことのない現実に悔し紛れで思いつく限りの言葉を使って罵倒し続けようとも。
顔色1つ変えることなく、泣くか負けを認めるかするまで一方的に叩かれまくる惨めな少年達にしてみれば、それはトラウマ物の経験でしかなく。
そんな少女を妻とする度胸がなかったことも、それを悦べる特殊性癖者でなかったことも、決して彼等が責められる要素になりはしなかったことだろう。
事実、アーウィンに唯一であり、初である敗北を喫するまでそれは続いたのだし。
彼に負けて以降は、貴族令嬢としての礼儀作法もきっちりと身につけ、非の打ち所がない娘へと変貌したものの、そのツケとばかり、容赦のなくなる方向が、アーウィンに擦り寄る女達に対する物へと変わった。
陰湿でも苛烈でもなく、にっこり笑ってありとあらゆる方向性を以って、己が上だと実力行使で見せつけることで対象となった娘の心をバッキリと底辺から折りまくることから当時は大層、恐れられていたものだ。
いつだったか、それに耐えられなくなった御令嬢が、アーウィンに直訴したことがあったのだけれど。
『ティア。そんなことをしなくても私は君のものだろう? 私は君一筋で、他の人を恋人や妻に迎える気など全くないよ。だからそんな風に周囲の子達を威嚇したりしないで? どんな人が寄って来ようと本当に私が君一筋なのか、見定めてやる、くらい余裕でいてくれなくちゃ。君はこの世で唯一、私に愛されている女性なのだからね』
『アーウィン様ぁっ!』
結果だけ見れば、砂どころか砂糖が吐けそうな極甘台詞と抱擁を以って堕天使を天使に戻す様を見せつけられるだけに終わった。
次第、ルクレンティア自身もアーウィンにチクられるような嫉妬の仕方をしなくなっていき、2人の間に入り込もうとする猛者も尽きていった為、社交界は平穏を取り戻したという経緯があるのだけれど。
(い、いけない……このままでは、地上がティアの得意魔法、天罰大雷光燦で焼け焦げた血の海にっ!)
予想し得る最悪の事態を想定してしまったエシェンティーヌは、彼女が震えていた理由を正確に把握し直すと、がっしり両手でルクレンティアの両手を捕まえて、椅子から勢いよく立ち上がった。
「貴女がそんなことをせずに済むよう、陛下やバル達に呉々もとお願いしに参りましょう。ええ、それがいいわ! わたくしも共にお部屋を訪ねて口添えいたしますから。ねっ?」
半ば懇願も混ざった王妃の言葉にルクレンティアは頷いて、2人は案内の侍従と共に王家専用の執務室を目指した。
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